2009-05-08[n年前へ]
■DNS(Direct Numerical Simulation)技術によるゴルフボール周辺の空気の流れを忠実に解析
DNS(Direct Numerical Simulation)技術によるゴルフボール周辺の空気の流れを忠実に解析
ゴルフボールのように丸くて微細な凹凸がある物体周りの速い空気の流れを解析するには、ゴルフボール周りの空間を10億個以上の小さな領域に分割して計算する必要があり計算量が膨大で非常に困難でした。従って、従来はゴルフボール周辺の空間を数千万個の領域に分割し計算負荷を小さくしてシミュレーションすることが一般的でした。しかしながらこの方法ではディンプル一つ一つによって引き起こされる空気の乱れを極めて詳細、且つ忠実に解析することができず、ディンプルの設計に必要な情報を十分に得ることができませんでした。
そこで、我々はアリゾナ州立大学(Arizona State University)、メリーランド大学(University of Maryland)、住友ゴム工業(株)との共同研究で、空気の流れを支配する方程式を直接計算する(Direct Numerical Simulation)方法の開発に着手しました。ボールが回転することによる境界条件の変化への対応方法や、多数のCPUで並列に計算を効率的に行う計算手法をゴルフボールの計算に特化して研究することで、今回のゴルフボールのDNS(Direct Numerical Simulation)技術を開発しました。
2014-05-25[n年前へ]
■ユニクロのUTme!で作る「掌周りの(疑似オッパイ計算用)空気流計算Tシャツ」
ユニクロのUTme!で掌周りの「空気流計算Tシャツ」を作ってみました。ナヴィエ・ストークス方程式も上書きした方がカッコイイかな? と思いつつ、まずはとりあえずで方程式計算が教えてくれるメッセージを入れてみたのが、右の画像です。…こ・これは、思わず欲しくなってきたかも。
"Navier stokes equations tell us feeling of pseudo breasts!"
2014-09-26[n年前へ]
■現実世界の空気流れをリアルにシミュレーションする科学オモチャを作ってみよう!?
現実世界の空気流れをリアルにシミュレーションする科学オモチャ「バーチャル空気砲」を作り始めました。現実世界の空気の動きをマイクで検知して、その周囲の空気流れをシミュレーションで可視化して、現実世界に重ね合わせて…でんじろう先生ネーミングで有名になった「空気砲」や各種現象を、背後の科学を自分の体で実感することができるようにしよう!というものです。
試しの実験をしてみたところ、空気流の状態検知はできそうなので、後は適当に色々な機能を作り、そして組み立てていこうと思います。再来月の11月23,24日、東京ビッグサイトのどこかで佇むことを目指して…。
2018-07-29[n年前へ]
■リアルタイム気象状況を反映した「(仮称)ビル風☆どこでも見えるマップ」
街を歩くとき、見えない「空気の流れ」を眺めたい!と思うことがあります。たとえば、風が強く傘の骨が折れそうな時、たとえばビル風による衣服の乱れが気になるとき…その原因となる風の動きを見てみたくなります。
何年か前、秋葉原に吹く風を(事前の流体計算をした上で)Oculus RiftやGoogle Cardboadで3D でVR可視化したことがあります。…けれど、「地域限定」とか「事前の計算」といった制限があると、言い換えると自由度が低いものであると、何だか新鮮さに欠けるのもまた事実です。
そこで、リアルタイムの気象状況を反映した「(仮称)ビル風☆どこでも見えるマップ」を作ってみることにしました。具体的には、自分のいる場所(や指定した場所)の、地表近く風速をOpenWeatherMapサービスから取得した上で、地図情報を構築しているOpenStreeMapから建物情報を得た上で、さらに非圧縮流体計算を行って、自分が知りたい街並み周りの空気流を可視化するサービスです。…下に貼り付けた動画は、秋葉原から神田にかけての場所で計算させた結果をブラウザで眺めたビジュアリゼーション例です。
あと数日の間に、誰でもどこからでもスマホなどから使えるようにした上で、来週末8月4〜5日(土日)に東京ビッグサイト西ホールで開催されるMaker Faire Tokyo 2018 で展示してみようと思います。会場のA-08-10ブース 「ををつか屋」に(多分?)いると思います。…「予定と書いて未定と読む」生活をしているので、必ずしも確実というわけではないですが、とりあえずその予定です。
何年か前、編微分方程式ソルバーのOpenFOAMの勉強会(という名前の飲み会)を若者たちとした時、参加した優秀な若人の一人が「某所の3次元風解析による経験的傘破損エリアの要因説明」をして、それは傘破損エリアと3次元空気流非定常解析の結果が一致して、それがとても面白かった記憶があります。そんな体験を、手にするスマホ上でさせてみたい…と思っています。ちなみに、その「作り方・コード解説」記事は(9月発売くらいの)Software Designに書いてみる予定です。