hirax.net::Keywords::「野球場」のブログ



2008-11-05[n年前へ]

昔の野球は、バッターに今よりずっと近い位置にピッチャーがいた 

 (「ダイアモンドの中心にピッチャーマウンドがあるか?」の続きです)「野球」のルーツには色々な意見がるが、現在の野球ルールの大部分は、1842年頃にニューヨーク市内の紳士クラブが作った「ニューボッカーズ・ベースボール・クラブ」という社交クラブから始まった、と言われている・・・という。「ニューボッカーズ・ベースボール・クラブは、各ベース間の距離を決めた。それが90フィート(27.431m)である。それは、今の野球規則で定められている距離と同じだから、つまり、野球場の「ダイアモンド」は一世紀半以上大きさが変わっていない、ということになる。

 しかし、ホームベースとピッチャー・プレートの距離は違う・・・らしい。書籍を調べていくと、「ニューボッカーズ・ベースボール・クラブ」が作ったルールでは、その距離は45フィート(13.7m)だったという。つまり、今より5m近く短いのである。ということは、ピッチャーは「ダイアモンド」の中心より遙かにバッターに近い位置で愛を叫んでいた、ということになる。

 それから数十年後の1881年に、ホームベースとピッチャー・プレートの距離は50フィート(15.24m)に変わり、そして、それからすぐの1893年に18.44mという現在と同じ距離に変更されたのである。ここで、ようやく「野球場のダイアモンドの中心近く」がピッチャーの位置となったのである。

 まだまだ、キャッチボール(というよりピッチング)にしかはまっていないのだけれど、ピッチングのテキストを読みあさったり、野球経験者にアドバイスを受けていると、野球の沼の奥の深さにはまりまくる今日この頃だ。

ピッチャープレートが動いていく






2008-11-06[n年前へ]

いろんな形・いびつな形の野球場 

 「ダイアモンドの中心にピッチャーマウンドがあるか?」「昔の野球は、バッターに今よりずっと近い位置にピッチャーがいた」で気になったので、試しに近くの野球場に実際に行ってみた。そして、一塁から三塁方向を眺めてみると、やはり、一塁と三塁を結ぶ直線より、ピッチャープレートは、ホームベースよりに位置していた。

 ところで、ダイアモンドの大きさ、つまりは、内野の大きさ・位置関係などは野球規則で決まっているけれど、外野については「フェンスなどはホームベースの端から250フィート(76.199メートル)以上離れていること」という程度の決まりしかない、という。だから、いろんな大きさの、そしていろんな形の野球場がある。右上のピッツバーグ・パイレーツのホームグラウンドの変遷を眺めてみると、1909-1970年までのForbes Fieldも、2001年以降使われているPNC Parkも左右非対称だ。Forbes Fieldは、左右非対称どころか、実にいびつな形をしていて、見ていて楽しくなる。

 こういう野球場のいびつな形は、そのチームの特徴を生んで・あるいはチームの特徴に沿っている、と聞く。それが、また面白い。

 たとえば、守備面から見てみれば、Forbes Fieldは中堅手(センター)が強肩である必要があるだろうし、PNC Parkは左翼手(レフト)が強肩である必要がある。もちろん、攻撃面から見ても、それぞれの球場に応じて、有利なチーム構成がある、ということになる。

 左右非対称なホームグラウンドを持つ野球チームの、野球場の形状とそのチーム構成(特徴)を眺めてみたい。いろんな形・いびつな形の野球場の個性と、そのホームチームの個性を見てみたい。

PNC






2010-09-06[n年前へ]

身の回りにある意外な「日本工業規格」と「野球場の照明禁止の幾何学」と 

 日本工業規格という言葉に聞き覚えのない人でも、JIS(Japanese Industrial Standards)という響きには聞き覚えがある人が多いのではないしょうか。身の回りにある品物に、そんな文字が刻まれているのを見かけることも多いと思います。

 手に取ることができないくらい大きなものにも、日本工業規格=JISとして定められているものがたくさんあります。たとえば、そんな例に野球場やテニスコートといったスポーツ競技場の「照明設計」があります(JIS Z 9120)。競技場の明るさや、照明器具が設置されてはいけない場所、といったことが細かく決められているのです。それは、もちろん、競技を行うために必要な明るさや、そこに競技の遂行を邪魔しないための照明配置から定められているのです。

 たとえば、右の画像は野球(ソフトボール)場照明において、照明器具の設置が禁止されている区域です。ピッチャーが投げたボールをバッターが見るために、バッターが打った白球の行方を野手が見失わないように、そんな理由で決められている照明器具配置のルールです。理由を知ってから眺めてみれば、その「野球場の照明禁止の幾何学」をごく自然に納得できるだろう、と思います(ファールぎりぎりのボールには照明が重なり見にくそうですが)。

 「こんなものにも”標準規が決められているんだ」と驚くに違いない、たくさんの面白い規格や決まりといったものたちが私たちの身の回りには溢れています。そんなものを、そんなものの理由などを、これからたくさん紹介していきたいと思います。

身の回りにある意外な「日本工業規格」






2010-11-01[n年前へ]

あなたの「フィールド」はなんですか? 

 "Electric field"を、理学系の人たちは「電場」とという言葉で示し、一方、工学系の人たち「電界」という言葉を用いることが多い、といいます。指しているのは同じ"electric field"であるのに、"field"という言葉が、分野によって「場」という日本語に訳されたり、あるいは「界」という言葉になったりするのです。

 以前、こんな言葉を教えて頂きました。

「野球場と野球界はまったく異なるものを意味している。さて、我々の言う"field"はどちらの意味に近いだろうか?」
この一文は「電場」と「電界」という言葉から受ける違いを考えているものです。もしかしたら、言葉が違うことには「考え方/感じ方」の違いがあるかもしれませんし、あるいは、言葉の違いをきっかけに「考え方/感じ方」に何らかの影響を受けていたりすることもあるかもしれません。(たとえば、アントレプレナーを指す企業家と 起業家という言葉も、想像させるものがずいぶんと違っているように思います)

 ところで、「四則演算を自由にすることができる代数的構造を備えた集合」を数学では「体」と呼びます。英語では、これも"field"です。この場合は、"Electric field"という同じものを指している例ではないですが、代数学では"field"が「体」になるというわけです。

 さまざまな"field"に、いろいろな「filed に対する訳語」を入れてみると面白いかもしれません。たとえば、"Baseball field"なら、「野球界」「野球場」・・・そして「野球体」。「自分のフィールドでがんばれ」なら、「自分の"(世)界"でがんばれ」「自分の"場"でがんばれ」「自分の"体"でがんばれ」・・・といった具合です。意味が通じるものもあれば、意味がまったくかけ離れてしまうように感じるものもあることでしょう。

 あなたはどんな"filed"をご存知でしょうか。あなたは、どんな"filed"が好きですか?あなたの「フィールド」はなんですか?

夢の"Field" 

 "Field"という言葉を日本語に訳すなら、あなたは、一体どんな言葉に置き換えるでしょうか。少し考えてみたその後に、さらに、こんな題名を日本語に置き換えるとしたら、あなたは、どんな言葉を綴(つづ)りますか?

 "Field of Dreams "

 People still come in droves, approximately 65,000 annually, to "have a catch" on the "Field." As of July 2010, the farm containing the "Field" has been listed as for sale.



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