2010-01-12[n年前へ]
■「クールビズ」と「大便所1個と小便所2個の法則」 (初出:2005年08月24日)
クールビズがエアコンの温度設定を28℃にしている理由は、ビル管法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)施行令 2条1項イ-4 に、室温を「17℃以上28℃以下になるように努めること」と定められていることだと言われています。つまり、もしも室温が28℃より高くなってしまうと、この条項に違反してしまうわけです。 それでは困るので、設定温度を条項が定める上限の28℃にした、ということです。この事務所衛生基準規則は他にも色々な決まりを定めています。面白いのが、「トイレ」に関する規定です。まずは、
- 男性用と女性用に分ける
なんていう風に決まっています。もちろん、それだけではなく数についても定められています。
- 男性用大便所 60人以内ごとに1個以上とする
- 男性用小便所 30人以内ごとに1個以上とする
- 女性用便所 20人以内ごとに1個以上とする
という具合です。つまり、人が男女それぞれ60人いたら、
- 男性用 大便所 1個
- 男性用 小便所 2個
- 女性用 便所 3個
を備えなければイケナイのです。ということは、男性について言えば、大便所1個に対して、小便所2個ということになります。 つまり、「大便所1個と小便所2個の法則」が定められている、ということです。そして、「大は小を兼ねる」ことを考えると、(この法律だけをとってみれば)ちょっと女性便所の方が男性便所より豊か、ということができそうです。
ちなみに、 (便器の性能表示の場合の)大便と小便の一日の回数試算は大便1回 / 日、小便4回 / 日だったりすることを考えると、さらに色々なことが浮かび上がってきそうです。クールビズの28℃設定から、男と女の違いのヒミツ、そして、トイレにおける大便と小便のナゾに迫るのも面白いかもしれません。
2010-01-13[n年前へ]
■便器の中の角氷の秘密 (初出:2006年05月23日)
「男性にはほとんど知られていないけれど、女性にとっては常識のこと」が世の中にはたくさんあります。例えば、(昔の話になりますが)「スクール水着の秘密」なんてその最たるものでしょう。しかし、同じ世の中には、その逆に「女性にはほとんど知られていないけれど、男性なら知っている人が多いこと」というものも、もちろんあるわけです。その一つが、今回紹介する「便器の中の角氷」です。喫茶店などの男性用トイレに入ると「小便器の中に角氷が詰まっている(ことがある)」というアノ話です。つまり、例えば「(男性にとっては見慣れた)こんな風景」や「こんな風景」の話です。男性ならこんな便器を眺めることは多いと思いますが、女性の方がこんな風景を眺めることはあまりないのではないでしょうか?
ところで、なぜ小便器の中に角氷が入れられているのでしょう?ネットで検索してみると、やはりその疑問を論じているページがありました。ちなみに、そこでは「すこしづつ溶ける氷が便器の汚れを防止する」「小便が飛び散るのを幾何的に防いだり、冷気が臭気が気化して拡がるのを防ぐ」「氷が溶けるのが嬉しくて、男性がちゃんと便器中央を狙う(そのため汚れが少ない)」…などの仮説がいくつも書いてあります。いくつも仮説があるということから考えると、小便器の中に角氷を入れるメリットがたくさんあるということなのでしょう。とはいえ、「一番大きい理由はこれだ」というものは私も実は知りません(知っている方がいらっしゃれば、ぜひ教えて頂けないでしょうか)。ちなみに、女性用の便器に角氷が入っていないのは、その便器が小便だけに使われるわけではないからでしょう。もし、女性も使う便器に氷をたくさん入れたらツンドラ地方のトイレみたいな悲惨な状態になってしまいます。
ところで、女性の方にはわからないと思いますが、男性の小便の飛沫がとても広い範囲に飛び散るモノです。ピストルの硝煙反応ではないですが、(よく観察してみれば)手首や腕近辺まで飛び散ったりするものです。よく男性がトイレに行った後、「手をちゃんと洗ったの?」と気にする女性がいますが、それは実に甘い考えです。「やんちゃな男」の硝煙反応は「男性の前面部分に広く残っている」ハズなのです。トイレに行った後の男性に抱きしめられたりしたら…それは小便器に抱きしめられているのとニアリー・イコールなのです。それがイヤなら、小便器の中に角氷でも入れてみることにしましょうか?
2010-01-14[n年前へ]
■続:便器の中の角氷の秘密 (初出:2006年09月24日)
先日、英語教師の方々と安居酒屋でビールを飲んでました。その安居酒屋は、男女トイレが明確にわかれていない店だったので、女性がトイレに入るときにも男子上便器が目に入るのです。そのため、飲み始めてしばらくしてから、カナダ人の女性が「男子トイレの便器に氷が入っている!」と騒ぎ始めたのです。そう、便器の中の角氷の秘密で書いた、喫茶店などの男性用トイレに入ると「小便器の中に角氷が詰まっている(ことがある)」という「あの謎」に彼女らが気づいたのです。そして、「何で男性のだけ!?」と、白い泡を出す黄色い液体(ビール)を前にして小便談義という食欲を削ぎまくりのディスカッションが始まりました。
…そして、興味を持つだけではなく、実際に店で働いている若い男性をアメリカ人女性が横に呼びつけて、ついには尋ね始めたのです。「スミマセンガー、アノー、トイレーにあるコオリはナンノタメー?デスカー?」すると、男性店員は照れながらも(以前書いたような)「すこしづつ溶ける氷が便器の汚れを防止している」「氷が清涼感を与える」といった理由を説明してくれました(右の写真は、質問された若い男性が奥に戻ってから、若い女性に顛末を話しているところ)。そんな説明を聞き、一瞬は納得したようでしたが、すぐに興味津々のガイジンたちは「何で男性のトイレにだけ清涼感を提供するの!?」と疑問をまだまだ展開させているのです…。
「だって、大便も流すことがある女性用便器に氷を入れたら、大変なことになるじゃないの…」と、私は言おうとしたのですが、「大便」って英語で何て言うんだっけ…?と考え込んでしまって、その言葉を最後まで言うことができなかったのです。もちろん、「大便が便器の中で凍り固まってしまう」なんて、食事の場で話す内容ではありません。だから、そんな内容を話さなくて良かったような気もします。ただ、英語の勉強を真面目にしないと困るなぁと感じたのでした。「大便がしたい」のに「小便器しかないトイレ」に案内されても困りますし…ね。というわけで、「大便」で辞書をひくと、feces(米)、faeces(英)と書いてありました。で、いつでも「複数扱い」で使われる、という説明になんだか納得してみたりしたのです。
2010-04-06[n年前へ]
■「メディア・ディペンデント」
十年ほど前、ある本の「あとがき」に、こんな文章を書きました。
インターネットにあふれるWEBページのことを「便所の落書き」と呼んだ人もいます。もし、インターネットのWEBページが「便所の落書き」なのだとしたら、この本は「便所の落書き帳」ということになります。ただ、思いつくままに「便所の落書き」を描き続けていたら、いつの間にかこんな本になりました。今では絶対に手に入らないだろう希少本ですし、WEBというメディアで書かれた記事を上手く紙というメディアに翻訳することができなかった…など致命的な難点が多々あったりするのですが、一番好きな落書きの「サンタが街にやってくる」が唯一収録されていることもあり、とても思い出深い最初の一冊です。
その後に出した本を考えてみると、たとえば「論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書) 」は最初から書籍として作ったもので、(本としての)ページの割り付け・ページ内のデザインなど、最初の最初から考え・設計して作り上げたものです(だから…というわけではないですが、この本は、プレゼンが苦手な人から「自分は上級者だ」という人まで幅広い人たちが、それぞれ楽しめる本になっている、と思っています)。
そしてまた、たとえば(個人的にはとても思い入れのある)「理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! (Kobunsha Paperbacks Business 17) 」はWEBサイト用の記事として作ったものを、書籍用の手直し・書籍化に際して追加しておきたかったものなどを詰め込み(あるいは削り)、作り上げたものになります。
もしも、後者を最初から「書籍」として考えて作ったとしたら、一体どういうものになったのだろうか?と思うことがあります。そして、それでは「企画自体通らない」ものだろうな、と思ったりします。やはり、「書籍」と「WEB記事」は違います。メディアによって、作り方も作り始めのカタチもきっと違うのだろうと思います。
どんなものでも、「(コミニュケーションという)底の部分は同じだよ」と言われるような気もしますが、その舞台・調理法(表現方法)が異なる「メディア」である以上は、やはり違うものにならざるを得ないのかもしれない…と思います。
そんなことを考えながら、久々に昔書いた「便所の落書き」を読んでみたりしたのです。
2011-04-08[n年前へ]
■女性のための「男子トイレ講座」
女性にとってのミステリーゾーンのひとつが、男子トイレではないでしょうか。混雑した観光スポットや高速道路では、女性も男性トイレに入る機会があったりするかもしれなせんが、普通は男子トイレの中を観察する機会にはあまりめぐまれないと思います。
右の写真は、男子トイレの便器の上で見かけることが多い「公共広告」です。明治大学ラグビーの北島元監督が叫び続けたモットー「前へ」というキャッチフレーズを思い起こさせる、「もう一歩前へ」というポスターは、男子便所でかなりの割合で小便器の上に貼られていることが多いものです。
「女性のための男子トイレ講座」があったら、一体どんなカリキュラムが面白いでしょうか。そしてまた、「女性が教える男子トイレ講座」があったら、一体どんなカリキュラムが組まれるものでしょうか?