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2009-08-21[n年前へ]

「軽量折り畳み自転車YS-11開発記」と「ケータイ用防水パック」 

 自転車で海辺に行き、人のいない岩場に寝転がって本を読んだり、シュノーケルをつけて海の中にたくさんいる色々な魚を眺めたりしている。今日、海に浮かぶ岩の上で読んだのは、軽量折りたたみ自転車YS-11を作った白井健次さんの「YS‐11、走る!―たった一人で世界と闘う技術者魂 」だ。一人で「理想に近い自転車」を作りあげていく話で、時間も潮の満ち引きも忘れて読みふけってしまった。

 国産旅客機の技術管理に携わさった白井さんが、理想の折りたたみ自転車を生み出していく過程は、何とも面白く惹かれてしまう。たとえば、こんな風に自転車のイメージを作り上げ、

 つまり縮めてたためる「折りたたみ自転車」が前提となる。・・・タイヤは14インチから16インチの小径サイズ。・・・タイヤをスライドさせ、ただたたむのではなく、縮めてたたむというもの。
 軽く、というコンセプトは安価で、という条件が付くことが大事なのだ。
そして、そんな製品を実際に生み出していく。技術が好きな人なら、きっと読み始めたら止まらないカッパえびせん状態になると思う。(ちなみに、本書ではA-bikeに対して「タイヤ径6インチ。乗り物としては、日本の道路では走れない」というように言及している。)

 夏の海の岩の上で、その波瀾万丈の開発記を読み終わり、海へ入り直してみると、綺麗な魚が泳いでいた。そんな美しいさまはケータイ動画などで撮影してみたくなる。しかし、私のケータイは残念ななことに防水機能がはない。

 今度、ケータイ用防水パックあるいはこういったもの )でも買って、海中世界をケータイ電話で撮影してみることにしよう。こういうとき、人が足を踏み入れないところで泳いでいるメリットが生まれる。なぜかといえば、人がいる海水浴場でケータイを持ち出し、動画撮影なぞ始めた日には・・・とんでもないことになるに違いないからである。

2009-09-05[n年前へ]

台湾自転車メーカーが軽視する日本市場 

 白井健次の「YS‐11、走る!―たった一人で世界と闘う技術者魂 」から。

 要するに台湾のメーカーが重視するのは近くにある日本ではなく、遠くにある欧米マーケットという不思議な状況が続いているのだ。(中略)だが、そんな日本の風潮も、ここのところやや変わってきた気配を感じる。本当にいいものを自分で見分け、長い間乗るという方向に変わっていけば、日本にも本格的な自転車文化市場が形成されていくことだろう。

2009-10-09[n年前へ]

「漱石のマドンナ」という旅情ミステリ 

 人がいない屋外で読書をする、というのはとても気持ちが良いものです。リュックに軽い本を入れ、自転車に乗り人気ない気持ちの良い場所を見つけます。そして、ひとときの間、本を読みます。

 今日読んだ本は、河内一郎「漱石のマドンナ 」です。本書の半分は、大塚楠緒子と漱石について実証的に書かれ、残りの半分は、漱石が好感を抱いたと伝えられている「10人の女性」につい調べた結果が書かれています。

 これまで、漱石の”マドンナ”について書かれた本を色々読みました。そんな中でも、この本は旅情ミステリのように、「いつ・どこへ行った」「いつ、どこからどんな手紙を書いた」といったことが書き連ねられていて、不思議に心惹かれます。ミステリのプロットそのままに、まるで漱石とともに人生という名の地方旅行をしているような気になります。

 同年7月25日、漱石は群馬県の伊香保温泉に向かった。(中略)上野発午前7時25分、前橋着11時10分の列車に乗ったのはわかっているが、前橋から伊香保へはどのような経路で行ったかは不明である。
 この伊香保行きに、漱石の人生を決める決定的瞬間があると考えている。

 「漱石のマドンナ」は、リュックに入れるには少し重いような気もしますが、夏目漱石の本を(それとともに大塚楠緒子の著作についても)読み直してみたい人には一度読んでみても面白いと思います。

屋外で読書






2009-10-10[n年前へ]

楽しい?辛い?日本横断日帰りツーリング 

 「クロスバイクで、”日帰り”横浜→日本海 ツーリング」をしませんか、と誘われた。一日で日本海まで行き、帰りは快適新幹線、という計画である。

 その時は、車に轢かれたばかりでもあり、「無鉄砲で面白そうだけど、若くもないし…」と唸っていたところ、その週末には、”日帰り”横浜→日本海 ツーリングを敢行したそうだ。

 普通の街走りクロスバイクで、朝の0時に横浜を出て、夜の12時に日本海に辿りついたそうだ。何でも、体中が痛くてたまらないので、始発の電車で横浜に戻ることにした、という。何か(とても辛そうだが)楽しそうで、羨ましい。

 クロスバイクといえば、GIANT のESCAPE R3はステムをひっくり返しハンドルを低くして体に合わせ、ペダルを「もらったビンディング・ペダル」と交換した。「もらいもの人生」一直線なので、新たに何か買い足すつもりはなく、後は体力は増やし体重を落とすだけである(それができれば苦労はないのだが…)。

 近々、私も「日本横断日帰りツーリング」に挑戦してみようと思う。さて、日本横断をする場合、いちばん短く平坦な場所は一体どこだろうか。

GIANT ESCAPE R3






2009-10-17[n年前へ]

ライト兄弟の飛行機が実用化されなかった理由 

 山田大隆「心にしみる天才の逸話20―天才科学者の人柄、生活、発想のエピソード (ブルーバックス) 」のライト兄弟に関する章から。

 ライト兄弟の飛行機には二つの謎がある。それは、ライト機に一貫してついていた「先翼」と「チェーンドライブ」である。先翼はいわゆる昇降舵で、チェーンドライブはエンジンからプロペラへの駆動系である。なぜ、これらが謎であるかというと、この二つの技術だけは、じつに効率の悪い不自然な技術だったのである。(先翼は主翼前で乱流を発生させ、飛行が不安定になる。チェーンは、外れ・切れ・エネルギーロスも大きい)
 この二つの技術をよく見ると、先翼は「舵取りが前」、チェーンドライブは「動力伝達はチェーン」ということである。つまり、これらは自転車の発想なのだ。もともと自転車屋であった兄弟は、最後まで自転車の発想から抜けられなかったのである。



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