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2004-12-10[n年前へ]

ジャイアント馬場(ババ)と矢口真里(ヤグチ)が暮らす部屋 

背が伸び縮みする「エイメスの部屋」

 もし、壁に空いた小さな穴から光が漏れていたら迷わず覗く、それが人間だ。他人の部屋から何やら怪しげな声が聞こえれば、ドアに頭を押しつけて聞き耳をたてる。そのドアに小さな覗き穴が空いていれば、迷わず片目をつぶり、そしてもう片方の目を大きく開き穴の向こうの世界を覗く。もしも、その覗き穴の向こうが他人の家の浴室であれば、覗きの現行犯で逮捕されてしまかもしれないが、とにもかくにも覗き穴を除くのが人間なのである。「歩く好奇心」、好奇心が服を着ているのがイコール人間なのである。

 そんな人間であるあなたの前に壁があり、壁の向こうには「謎の部屋」がある。そして、そのあなたと「謎の部屋」の間を遮る邪魔な壁に小さな覗き穴が空いていたら、あなたは一体どうするだろうか?そう、もちろんその穴から不思議な部屋の中のようすを覗いてみるに違いない。好奇心のかたまりとなって、その「謎の部屋」の中を眺めてみるに違いない。

 というように、その「謎の部屋」を実際に覗いてみたのが下の二枚である。左は、部屋の中を覗いたようすを示すJavaアプレットであり、右はそのJavaアプレットを静止画像にしてみたものである。まずは、Javaアプレットを動かさず、ただ眺めてみることにしよう。

「覗き穴」から眺めた「謎の部屋」
Javaアプレット(高画質版 2.4MB)

静止画像

 すると、あなたが「覗き穴」から片目で眺めた「謎の部屋」はごく当たり前の普通の部屋に見える。壁には窓があって、床は普通にフローリングされていて、部屋の中にはずいぶんと背の高さが違う人が二人(ラクガキにしか見えないかもしれないが、誰が何と言おうと人間だ)立っていることがわかる。その「謎の部屋」の中ではジャイアント馬場(身長209 cm)と矢口真理(身長 145cm)ほどに、まるっきり背の高さが違うように見える二人が立っているのである。(今は亡き)大きなプロレスラーと小さなアイドルが二人立っているように見えるのだ。

 しかし、実はこの二人の身長は全く同じなのである。この「謎の部屋」は「エイメスの部屋(Ames room)」と呼ばれる特殊な作りになっていて(ペーパークラフトの模型の例)、部屋の中のどの場所に立っているかにより、(覗き穴の外から眺めた)身長がまるっきり違うように見えてしまうのである。部屋の左と右では実は覗き穴からの距離が違っているのだが、その距離に応じて部屋の高さを部屋の左右で変えることにより、その左右が奇妙な形状をした部屋が「覗き穴から眺めてみると」綺麗に四角い部屋に見えるのである。覗き穴の視点からの遠近感を「帳消し」にするような形状にすることで、「エイメスの部屋」を覗き穴から覗くと普通の四角い部屋にしか見えないわけである。

 というわけで、「覗き穴」からは綺麗な部屋に見えるけれども、実は部屋の高さと距離が左右で違っているわけで、誰かが視点(覗き穴)から近い側(そして部屋の高さも低い)に行くと、その人は部屋に比べてひどく大きく・背が高く見える。そして、同じ人が視点(覗き穴)から遠い側(こちらの部屋の高さは高く作ってある)に行くと、その人は距離に応じて大きく作ってある部屋に比べて(その人自身は遠くにいるので小さく見える)ひどく小さくく・背が低く見える。そのため、例えば誰かが部屋をトコトコ歩いて行くようすを外から眺めていると、いきなりその人の背の高さが伸びたり縮んだりしてしまうように見える不思議な部屋「エイメスの部屋」ができあがるのだ。

 というわけで、上のJavaアプレットの場合は右に立っている巨大なジャイアント馬場は単に覗き穴から近いところに立っているだけで、実際には左に小さく見える矢口真里と同じ身長・同じ大きさなのである。ジャイアント馬場と矢口真里が一つ屋根の下で暮らしているわけではなく、実は同じ背格好の人間が二人立っているだけなのである。ちなみに、上のJavaアプレットは 「左クリック+マウス移動」: 物体回転 「Shit+マウス上下」: 視点移動・回転 「Ctrl+」:  「Sボタン」: 通常 → 平行法立体視 → 交差法立体視 というように動かして眺めることができるので、「エイメスの部屋」が特殊な作りになっていることがわかる。他の視点から眺めてみれば、この部屋は決して四角い普通の形ではなく、何とも奇妙な形であることが実感できることと思う。

 * ちなみに、足の位置を眺めるとその距離感がつかめてしまうかもしれないが、それは単にポリゴン配置の都合でそんな風に手を抜いただけで、ちゃんと作ればそんな風には見えてしまうことはなく、巨大なジャイアント馬場と小さく可愛い矢口真里にしか見えなくなる。 「エイメスの部屋」を他の視点から眺めてしまうと、仏の四角い部屋でなく、奇妙な形状の部屋であることが判ってしまうということは、「エイメスの部屋」のトリック・魔術にひっかかるのはただ一点から眺めた場合だけなのである。違う視点に移動して、「エイメスの部屋」を覗き眺めてみれば、全然不思議でもない(ただヘンな形をした)部屋になるだけなのである。

他の視点から見た「エイメスの部屋」 視点位置(覗き穴)は右であり、(視点から見て左側に見える)手前の壁は視点から離れるほど高くなり、その一方で床は低くなっていることがわかる。 視点位置(覗き穴)は左であり、視点から見た左右がずいぶんと歪んだ形の部屋になっている。

 あるいは、視点をわざわざ移動しなくても、「覗き穴」から片目でその部屋を眺めるのではなく両目でその部屋を眺めてみれば、その部屋の不思議は一瞬にして消え失せる。両目で、すなわち「二つの異なる視点から」その部屋を見るやいなや、頭の中にエイメスの部屋の真実の姿・立体形状・遠感が得られるハズである。部屋が奇妙な形をしていることや、部屋の中の人物が立っている場所がずいぶん離れていることなどを自然に感じとることができるに地がない。「エイメスの部屋Javaアプレット」で"S"ボタンを押して、立体表示させてみれば、(それまでは背の高さが違って見えた)二人が同じ背の高さに見え、単に二人の距離が近いか遠いかどうかの差だけであることがわかることと思う。

二つの目(視点から)でエイメスの部屋を眺めてみる (平行法)

 こんな風に、「エイメスの部屋」の中では本来同じ背丈の人が背が高く見えたりも背が低く見えたりもする。同じ人であっても、その人との距離や・その人の後ろに見える背景のせいで大きく見えたり小さく見えたりする。だから、片目をつぶり、もう片方の目だけで特殊な場所を覗いてみると「右に歩けばジャイアント馬場、左に歩けば矢口真里」なんていう魔術や幻想が生じたてしまったりするのである。 「背比べ」に絶対的な基準があるわけでもなく、「比べ」というからには、それは単に相対的な高低・大小の比較に過ぎない。となれば、こんな「エイメスの部屋」のような細工された場所、歪んだ世界を距離感を失いながら眺めてしまうと、途端にあるはずもない「ジャイアント馬場と矢口真里が暮らす部屋」が出現してしまう、というわけなのである。いや、「あるはずもない」と言ってしまうと、(今は亡き)ジャイアント馬場に失礼な話だが。

2006-01-28[n年前へ]

アイドル(偶像)と会社訪問記事 

平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女/Tech総研:アイドル(偶像)と会社訪問記事 Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女 に「アイドル(偶像)と会社訪問記事〜アイドルが会社に来たら嬉しいって、やっぱり勘違い…かも。」を書きました。 「可愛いアイドルが職場に来たら、SEは嬉しいんでしょ?(いや、断じて違う!)」という感じの記事を読んで、「そうそう」と頷いて考えたエトセトラを書いてみました。「アイドルより…もっと他の…ねぇ?」とは思ったりしますね。

「ホンネとタテマエ」「オトコとオンナ」「オモテとウラ」…世の中のものには全て「二つの側面」があって、「一つの側面しか存在しない(ことになってる)」のでは、映画のセットみたいな薄っぺらい世界になってしまいがちです。もしかしたら、それは「偶像=アイドル」という言葉そのもの、と言えるかもしれません。 会社訪問のような公式記事というものは…

2008-04-26[n年前へ]

25万枚のアイドル画像ランキングサイト「Idol Pics」 

 25万枚のアイドル画像ランキングサイト「Idol Pics」、マッシュアップで集めた435人の旬な画像をどうぞM

2008-05-22[n年前へ]

グラビア写真の「体積」と「面積」の大きさ感覚 

 当たり前のようだが、体積と面積は次元が違う。たとえば、「満腹30倍」ダイエットキャンディのヒミツでは、こんなことを書いた。

 体積で30倍ということは、長さでは3倍程度に過ぎない。つまり、「縦3倍×横3倍×高さ3倍≒体積30倍」というわけである。
 「体積が30倍でも長さは3倍程度に過ぎない」というこの当たり前の「意外さ・齟齬」は、次元にまつわる色々なことに対して当てはまる。

 グラビア写真を撮影するカメラマンいわく、

 実際に見ていると、胸がとても大きく感じるモデルを撮影していても、写真にしてしまうとその大きさがあまり感じられなくなってしまう。なぜか、胸が小さく見えてしまう。
だという。実際に三次元の物体を眺めている時に感じる巨大さを、二次元の画像で眺めてしまうと、あまり巨大には見えなくなってしまうのだ、というのである。

 「体積が30倍でも長さは3倍程度に過ぎない」ということは、体積が30倍の立方体は、面積では3x3=9倍程度に過ぎない。半球で言えば、体積が2倍もある半球であっても、断面部分の面積に換算してみれば、それは1.6倍に過ぎない。

 つまり、バストのような3次元の半球状物体を、2次元平面で把握してしまうと、三次元立体として把握したときに比べて、「大きさ」がかなり小さく感じられてしまうのだ。

 たとえば、グラビアカメラマンの立場からすると、この違いは大問題に違いない。

 「(体積や面積といった)次元」と「グラビア写真」という一見関係なさそうに見えるものも、実は密接に繋がっている。無味乾燥に思える教科書に書かれていることで、グラビア写真集を写している人たちの苦労が想像できる、ということが意外で面白い。

2009-10-15[n年前へ]

「身長・体重・スリーサイズ」で「今昔アイドル」をクラスタリングしてみよう 

 最近、色々挑戦してみた結果、(無料の)Mathematica Playerと(.NET実装の)Iron Rubyを使ってさまざまなことができるようになりました。今回は「体重を公表しているアイドルのスリーサイズ」のデータを使い、「身長(cm)、体重(kg)、B(cm)、W(cm)、H(cm)」を特徴量として、「アイドル」をクラスタリングしてみることにしました。使う関数は、MathematicaのFindClustersです。具体的なコードを、簡単のために(Player版ではない)Mathematicaで書くと、

data = Flatten[ Import["c:\\actress.xls"], 1];
data2 = Drop[data, None, {1}];
FindClusters[data2 -> data, 10]
という具合です。これで、「アイドル」が特徴が似ている10グループに分類されます。

 ちなみに、結果は、こんな感じです。カッコ{}で囲まれているのが、似ているグループ=クラスタです。

{{{川崎カイヤ,藤原紀香,斎藤陽子,かたせ梨乃,児島明子,山田誉子,}{松島菜々子,高見恭 子,大沢逸美,浅野ゆう子,波乃ひろみ,辺見えみり,青田典子,}{神田うの,松下由樹,吹石一 恵,大石恵,遠藤久美子,内田友紀,田中美里,}{一色紗英,飯島直子,瀬戸朝香,井上晴美,渡 辺満里奈,飯星景子,吉本多香美,高岡早紀,深田恭子,}{水野美紀,伊藤絹子,生田智子,西田 ひかる,松原千明,樹まり子,}{細川ふみえ,駒木なおみ,岩崎ひろみ,加山なつ子,梨花,}{石 田ゆり子,雛形あきこ,三井ゆり,東ちずる,水野真紀,ビビアンスー,}{桜庭あつこ,中條か な子,舞坂ゆい,斎藤由貴,飯島愛,嘉門洋子,有賀美穂,アグネス・ラム,武田久美子,工藤ひ とみ,}{石田ひかり,菅野美穂,井森美幸,沢口靖子,石田ひかり,古手川裕子,河合奈保子,マ ルシア,原日出子,小泉今日子,松本明子,}{桂木真理子,安西ひろこ,奥村チヨ,岩崎良美,柏 原芳恵,石田えり,五月みどり,吉沢京子,島崎和歌子,榊原郁恵,山田まりあ,}}}
 もちろん、このクラスタリングは、「身長(cm)、体重(kg)、B(cm)、W(cm)、H(cm)」で行ったものですから、体型でのグループ分けにすぎません。けれど、こうして眺めてみると、なんだか特徴が出てくるような気がするようにも思えます。

 けれど、そんな体型というものも、アイドルにとってはきっと重要なファクターであるはずです。また同時に、このデータには、さまざまな時代のアイドルが混じっています。しかし、だからこそ、「あぁ、なるほど、この(今の)アイドルとかつてのあのアイドルは立ち位置が似ているんだな」と、「身長(cm)、体重(kg)、B(cm)、W(cm)、H(cm)」だけからも想像できたりするかもしれません。

 さて、あなたの好きな「アイドル・クラスタ」は一体どのクラスタでしょうか? もちろん、まだまだ俳優編・声優編などなど、色々試してみようと思います。



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