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2012-08-14[n年前へ]

「自転車を漕ぐ」と涼しくなる?それとも暑くなる!? 

 真夏日が続くと、体にまとわりつく暑さを吹き飛ばしすやり方を知りたくなります。そこで「うちわの効果を検証 体温は涼風で低下か、それともあおぐ労力で上昇か」という記事を読みました。

 暑い日にうちわで風を送ることに意味はあるのか。結局、あおぐことで体温が上昇するだけではないのか。
 …人間が生産するエネルギーは約100ワットだ。うちわをあおげば、約1ワットがこれに加わるかもしれないが、体の周辺の空気の速度が大幅に増すことで、ヒートロスは倍増し得る。1%の努力で、2倍の涼しさを得られる可能性があるのだ。

うちわの効果を検証 体温は涼風で低下か、それともあおぐ労力で上昇か
 皮膚の周りの空気が(汗が蒸発できるくらい)湿度が低かったり、あるいは、体温よりも温度が低ければ、ほんの少しの風が吹くだけで少し心地良く涼しくなることってあるよなぁと思いつつ、(真夏日に自転車を漕ぎながら)「自転車を漕ぐ」と涼しくなるか?それとも暑くなるか…というパズルを考えたくなりました。

 自転車を漕ぎ始めると、体に風が吹き付けてきて、そして涼しくなります。ほんの少し速度を上げると、体を冷やす風速も増して、もっと涼しくなります。

 それでは、さらに自転車を速く漕いでいけば、もっともっと涼しくなるものでしょうか?…残念ながら、そういうわけにはいきそうにありません。

 自転車を漕ぐとき、速度が遅くないのなら、自転車を漕ぐエネルギーはほとんど空気抵抗に抗(あらが)うために使われます。自転車で走る速度(と体のサイズ)を考えると、レイノルズ数は十分に大きく体の周りには乱流が発生し・空気抵抗係数は一定になります。その結果、空気抵抗は速度の2乗に比例します。(レイノルズ数が小さければ、空気抵抗係数は速度に反比例するため、空気抵抗は速度の1乗に比例します)

 空気抵抗が速度の2乗に比例するということは、空気抵抗を受けながら自転車を漕ぐのに使われる仕事率(時間あたりに使われるエネルギー)は速度の3乗に比例することになります。つまり、自転車を走らせる速度の3乗に比例する「熱」が(自転車を漕ぐ)体の中で発生することになります。

 次は、その熱を発する体を冷やす「放熱」について考えてみます。汗の影響を考えない場合、そして体温より気温が低い場合、体から周りの空気への放熱量は体温と気温の温度差に比例します。その比例係数は、速度(レイノルズ数)のn乗に比例する関数になりますが、nは大きくても1未満です(体と接することができる空気は、乱流が発生しないという最大限の場合でも、速度の1乗に比例しますから)。つまり、放熱量は速度の0.△乗に比例する程度の量になります。

 汗の影響、つまり汗が気化することで皮膚から奪う熱量も、その熱量の上限は(湿度が高くて汗が気化しないということがない限りは)汗が気化する先である「皮膚に接する空気の体積」に比例しますから、汗の影響も速度(レイノルズ数)のn乗に比例します。結局のところ、汗の影響を考えたとしても、放熱量は速度の0.△乗に比例する量になるわけです。

 自転車を漕ぐことで発する熱量は「速度の3乗に比例する」もので、そして、体から奪われる熱量は「速度の1乗未満に比例する」となると、自転車を漕ぐ速度を速くしていくと体内で発生する熱を放熱できなくなり・体がアッチッチになってしまう=全然涼しくない…というわけです。

 自転車は「漕げば漕ぐほど涼しくなるわけではない」ようです。暑い日に、近くの街まで自転車を漕ぐ溶きはゆっくりゆっくり漕いでみるのが、一番暑くならない自転車の漕ぎ方かもしれません。

「自転車を漕ぐ」と涼しくなる?それとも暑くなる!? 






2012-10-13[n年前へ]

「前略、線路の上から」 ~ タイ・メークロン市場 

 メークローン線に乗り、終着駅「メークローン駅」で。「前略、線路の上から」~メークロン市場で。

 所場代が安い線路の上で店を開き、列車が通る寸前に店をコンパクトに片付け、そして列車が通り過ぎた直後に店を開く、そんな瞬間の(けれど日常の)エネルギーを手に入れる。

「前略、線路の上から」~メークロン市場で






2012-11-02[n年前へ]

「歩くべき or 走るべき?の境界線」は時速8kmだ! 

 『「歩くべき or 走るべき?の境界線」は時速8kmだ!』を書きました。

 だから、もしも「歩くべきか、それとも、走るべきか…?」とハムレットが悩んでいたとしたら、「それはキミ、歩くと走るの境界線は時速8kmだよ」と教えてあげれば良い、ということになります。

 人は「自然」から生まれているわけですから、人がどのように動くのかということを考えようとしたら、たとえば人が行うことを模倣しようとする機械やロボットを作ろうとしたら、何が自然かと言うことを眺めてみてみれば…その答が自ずと見えてくることもあるかもしれません。

 今日は、「歩くべき or 走るべき?という境界線」を、「自然」の観点から眺めてみました。

2013-01-14[n年前へ]

データセンター空調への「人体の影響」を計算してみよう!? 

 データセンター空調に対する「人体の影響」について考えてみました。つまり、人がデータセンターに入ることで、どの程度空調設備に影響を与えるか?ということについて考えてみました。

 人は1日1600kcalくらいカロリーを食べ・消費します。…ということは、24時間で1600kcalを消費し・1600kcalに相当する熱量を発するということになります。24時間で1600kcalということは、1秒あたりに換算すると、発熱量は80W弱になります。

 そしてまた、呼吸と皮膚蒸発による水蒸気放出は1日約1リットル程度ですが、この湿気を取るために必要とされる気化熱の量を1秒あたりに換算すると約30Wとなります。

 つまり、合わせて1人あたり80W+30W=110W程度が、人体がいることで温度・湿度を一定に保つために帳尻を合わせなければならないエネルギー量です。人が発する熱量(80W)と人が出す水分の影響量(30W)でトータル100W少し…。

 ワット数で眺めてみると、人の影響は多いような・少ないような…不思議な気持ちになってきます。小さなコンピュータと同じくらい、昔の白熱電球と同じくらい…、そんなワッテージが人が与える影響なんですね。

2013-08-13[n年前へ]

「時速60kmの風を受ける感触」を真面目に計算しても、やはり「ウィダーゼリー1パック」と同じくらい!? 

 「時速60kmの風」は「アンダー85cm Cカップを1.3mm押し込む感触」で「ウィダーゼリーの重さ」とほぼ同じ!?という法則で書いたように、非粘性流体のエネルギー保存則であるベルヌーイの定理を使うと、「掌(てのひら)が時速60kmの風を受ける時、掌にはおよそ170 Pa 程度の圧力がかかる」ということを解析近似式から得ることができます(参考:計算方法は「風でめくれるスカート」の科学!「涼しく晴れた朝の地下鉄駅をドジっ娘が走る」とスカートは必ずめくれる!?の法則にあります)

 ちなみに、掌の大きさが10cm四方…つまり0.01m^2だとすると、170 Paの圧力を受ける掌は1.7 N = 0.170kg重の力を受けます。つまり、時速60kmの風を掌に受ける時、あるいは、アンダー85cmCカップのおっぱいを1.3mmほど押し縮める時、掌はウィダーゼリー(1パック180gです)を載せた時と同じ程度の力を受けるのです。…それを逆に言うならば、「ウィダーゼリーの重さ」がわからなかったら、アンダー85cmCカップのおっぱいを1.3mmほど押し縮める時の感触を思い出せば良い、というわけです。

 今日は、風を受ける掌の周りの空気流の動きを真面目に計算し、「掌の感触」を(以前行った)解析近似解と比べてみることにしました。…というわけで、下の一連の画像が、掌モデルに風を当ててみたところです(ちなみに、今回の計算は時速60kmで行うつもりが、間違えて時速73kmで行っていました)。

 空気流の圧力を表示してみた結果(たとえば左の画像)を眺めれば、掌の前後にはおよそ300パスカルの圧力差があることがわかります。時速60kmの風速を計算するつもりが間違えて時速70kmで行っていたことを考えれば、(これを時速60kmの時に換算すると)ざっくり300パスカル × (時速60km/時速72km ≒ 250パスカル というところでしょうか。

 解析近似により見積もった掌前後の圧力差が170パスカルで、数値シミュレーションによる圧力差が250パスカル程度…どちらも大雑把な計算であることを考えれば「どちらも大体同じ」と言って良いくらいかもしれません。

 というわけで、今日行った「掌周りの空気流の真面目な計算」からも、「時速60kmの風を受ける感触」を真面目に計算しても、やはり「ウィダーゼリー1パック」と同じくらい、という結果が得られたようです!?

「時速60kmの風を受ける感触」を真面目に計算しても、やはり「ウィダーゼリー1パック」と同じ「時速60kmの風を受ける感触」を真面目に計算しても、やはり「ウィダーゼリー1パック」と同じ「時速60kmの風を受ける感触」を真面目に計算しても、やはり「ウィダーゼリー1パック」と同じ








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