2002-11-23[n年前へ]
■プリント・お値段鑑定団
ポッキリ価格で「書式設定」
年末も近くなると、色々な報告を行う機会が多い。で、PowerPointなどのソフトウェアで適当に発表用の資料を作ることになる。最近だと、発表自体は液晶プロジェクターを使って行われることが多い。とはいえ、たいていの場合、紙の資料も一応配布されることになる。準備期間も十分にあるような報告会の場合だと、発表に使うPowerPointのファイルと配布用の資料は別々に作るわけだけれど、そんな準備時間が無い場合には、発表に使うPowerPointのファイルをそのまま配布用の資料として使ってしまうことが多くなってしまう。そして、報告会の前夜にその資料をひたすらプリントアウトすることになる。
ところが、発表資料の背景にカラフルなものを使ってしまうと、例えば上のようなPowerPointの発表資料を使ってしまうと大変なことになる。配布用の資料を印刷している最中に、「○×色のインクがもうほとんどありません」とか「○×色のトナーを補充して下さい」といったメッセージをプリンターが表示するようになるのだ。つまり、あっという間にインクやトナーが無くなってしまうのである。単にそんなメッセージを表示するだけならばいいのだけれど、もちろんインクやトナーの補充をしてやらなければならない。しかも、そんな消耗品はとても高いのである。本体が15万円位で、消耗品も15万円位なんていうものだってあるくらいなので、つまりはお金に翼が生えて飛んでいってしまうのである。
しかも、インクカートリッジには「5000枚印刷できます」なんて書いてあったとしても、何故かたいていの場合あっという間にインクなどが無くなってしまうのだ。で、不思議に思ってよく眺めてみると、小さく(画像比率5%の場合)なんて書いてあるわけである。上に挙げたような配付資料の場合、画像比率(紙の中のインクが使われる領域の割合)は5%どころでなくて、ほとんどの部分にインクが使われているわけで、それではあっという間にインクが無くなってしまうのは当たり前なのである。
とはいえ、これではまるでボッタクリバーのようではないだろうか。店の看板に「飲食料金1980円」と書いてあるくせに、実は小さく(小食・下戸の方の場合)なんて書いてあるようなものだ。いや、もちろん飲み食いした分だけ支払いをするのは当たり前なのだけれど、その料金の目安くらい先に教えて欲しいわけだ。支払いをする段になって、イキナリ「トータルで3万円になります」と言われても困るのである。それなら最初から、「ビール一本二千円、ポッキー一本二百円」とちゃんと書いて欲しいわけなのである。プリンターだって同じように、やはりプリント前に、「これを印刷するとこの位インクを使います。だから、○×円位になります。」と教えて欲しいわけだ。
というわけで、「プリント・お値段鑑定団」ソフトウェアというものを作ってみた。これは、画像ファイルを読み込んで、その画像を出力したときに、どの位インクを使うかを調べ、それを出力した時の大体の値段を計算してくれるものなのである。例えば、PowerPointからTIFFファイルに印刷結果を出力するTIFFプリントドライバーや、Bitmapファイルに印刷結果を出力するBitmapプリントドライバー、あるいは、PDFプリントドライバー+PDF2BMPのようなもので、前もって印刷画像を画像ファイルにしてみて、それを読み込んで、カタログに記載されているインクや紙の値段を設定すれば、「これを印刷するとお勘定はこの位になります」と教えてくれるわけなのである。
例えば下に示すように、左のPowerPointのファイルを出力してみると、右に示したように「どの位インクを使用するか」「この一枚で印刷のお値段はいくらになるか」を教えてくれるわけだ。ここでは、インクの使用量はトータルで110%(インクは重ねて使用されるから当然トータルでは100%を超える場合も多い)程で、ここではちょっと高めのカラーLBPの消耗品価格を使って計算してみた場合、一枚60円程になることが判る。資料が10ページだと×10で600円ナリ、それが20人分だとさらに×20で一万二千円ナリと判るわけだ。ムチャクチャ高いのである。
で、こんなお値段を意識してしまうと当然こんな書式で印刷なんかできなくなってしまう。というわけで、最近ではPowerPointで使う書式といえば、下に示すもちろん背景は白のこの書式になってしまったのである。ちなみに、この書式で計算してみると、印刷のお値段は「一枚で10円ほどナリ」ということで、×10ページ×20人でも二千円ナリで格安お値段に抑えられているのである。
「PowerPointは書式は後で変えることができる」と言っても実はその機能は不十分なので、実際には一度作ってしまった資料の書式を変えることは難しい。だから、PowerPointで資料を作る際には、もう最初からこの「この書式は印刷すると、この程度のお値段になります」というのを見ながら書式を選んでみるのも良いのではないだろうか。
下に二つほど例を示したように、「目に優しかったり」「一見エコロジー風」な書式が、財布にはあまり優しくなかったり、ほとんどボッタクリバーのようなお値段設定になっていたりするので、ぜひぜひこれからのPowerPointにはこの「書式・お値段プロパティ」も実装して欲しいと思うのである。ポッキリ価格で「書式設定」をできるようにして欲しいものなのである。
さて、年末が近づくと、年賀状をせっせとプリンターで印刷する人も多いに違いない。そんな人は、印刷するといくらぐらいかかるかをこの「プリント・お値段鑑定団」ソフトウェアでも使って大雑把にでも計算してみるのも面白いと思う。最近では、自分でデザインした年賀状をとても安い値段で印刷してくれるサービスもあるし、年賀状作成からポストへの投函までも全部やってくれるサービスもある。さてさて、いつまで自分の家でプリンターを使って年賀状を印刷する人たちがいるのだろうか。そこら辺のことはとても知りたいところなのである。
■プリント・お値段鑑定団
「できるかな?」更新。とはいえ、「つまりはお金に翼が生えて飛んでいってしまう」そのお金が私の給料になっているわけで、まぁなんですねー。
2003-01-09[n年前へ]
■プリントお値段鑑定団
軸を操作したい〜、というメールに答えてバージョンアップしてみました。というわけで、プリントお値段鑑定団からどうぞ。
2005-09-08[n年前へ]
■ドメインの値段鑑定サービス
「Pukiwiki.org」に関する話を読み、"Certified Offer Service"なんていう「ドメイン入札?サービス」を知る。試しに、hirax.netで調べてみると(プルダウンメニューから"No, or Don't know"を選ぶ)、"Word Relevance", "Domain Name Length", "Live Web Site", "Domain Extension", "Traffic Ranking"という項目で評価され、テキトーな金額が出てくる。自分のドメインや他人のドメインでちょっと遊んでみると面白いかも。