2005-03-04[n年前へ]
2007-11-12[n年前へ]
■使いこなしにくい「不揃い」は美味しい。
ハインツのトマトケチャップが人気があるという。 そのハインツの美味しさの秘密は、ケチャップに含まれるトマト果肉の粒径が大きく不揃いなことにある(かもしれない)、という話を聞いたことがある。 多分、上田隆宣氏によるレオロジー講義中で聞いた話だったと思う。 カゴメトマトケチャップの平均果肉粒径が5μmほどであるのに対し、ハインツは15μm程度だったというデータとともに、「だから美味しい。もっとも、その特性がために瓶からケチャップが出にくくて苦労する」というようなことを聞いた。その後、ハインツのトマトケチャップとカゴメトマトケチャップを比べてみたら、ハインツの方がむしろシャバシャバとしていて、粘性が低く「あれっ?」と思ったのだが、「美味しさには不均一が大切だ」という言葉はとても自然に納得できた。
同じようなことを、「おいしさ科学館」の館長氏も言っていた。「甘辛い」や「濃厚だけれどしつこくない」といった、相反するものや不均一なものを両方含んでいるものが美味しい。たとえば、ラーメンにせよスパゲッティでも「堅くて柔らかい」という不均一で単調でないことに美味しさを感じる。アイスクリームも大量生産品は空気やアイスクリームの混合状態が極めて均一だが、名人が作る手作りアイスクリームはそれが不均一だ。けれど、だからこそ美味しいのではないか、という話だった。
さらに「不均一な状態は美味しい」が、「不均一な状態」では保存などがしにくいので、大量生産・大量流通はさせづらい、という話も聞いた。たとえば、賞味期限などを考えた場合、一番劣化しやすい箇所からダメになってしまう。分散状態が不均一だと(そのバラツキがゆえに)「容易に劣してしまう箇所」がある。そのため、大量生産・長期保存などを考えると、どうしても均一な状態として製造せざるをえない。その結果、「美味しさを生む不均一・不揃い」と「均一にすることで大量生産・遠距離運送を可能とする使いこなし」は両立しがたい相反する項目、ということになる。
この「使いこなしにくい不揃いは美味しい」という話は汎用性の高い話で面白い、と思う。
2008-01-12[n年前へ]
■マギー司郎のコトバ
マギー司郎の「生きているだけでだいたいOK」という本の中で語られる言葉を読む。
コンプレックスのある人ほど、人の痛みとかに優しいし、相手の気づかいもよく見えるんだよね。でも、完璧に近い人には、そういうものが見えてないもんね。どこか欠けてる人の方が強いんだよ。弱さの強さだよね。だから、欠点はあっていいんだよ。
マギー司郎 「生きているだけでだいたいOK」
「弱者」のブログと「強者」のブログを読む。同じように、「弱い人」のブログと「強い人」のブログ も読む。一つのキーワードで繋がる日記から、たくさんのが見えてくる。色んなことを思い出す。
あの日描いた未来とは 何か少し違ってるけど
斉藤和義 「真夜中のプール」
2008-02-23[n年前へ]
■「波天奈(はてな)の茶碗」と「ギャラリーフェイク」
NHKの朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」が、あと一月で終わる。その一月の間に、「はてなの茶碗」が演目に上がるようだ。「はてな」という言葉、「?」という記号から連想するものといえば、その「連想物」の一番目は、地域性・場所柄・生き生きとした人の姿、そういったものが、とても鮮やかに浮かび上がる「波天奈(はてな)の茶碗」であると思う。そうであるといい、と思う。
わいも茶金さん知ってんねん。
茶金さんがひねくりまわしてる、値打もんに違いないぞ…
芸術品の真贋を題材にしたマンガ、「ギャラリーフェイク」の中に「波天奈(はてな)の茶碗」という回がある。ギャラリーフェイクの「ニセモノ骨董品の茶碗」を題材にしたこの回「波天奈(はてな)の茶碗」は、こんな言葉・伝言で終わる。「ギャラリーフェイク」の中にあるいくつかの言葉の中でも、この言葉は、いつも心に刻み直さなければと思う一節の一つだ。
美を知るものは孤独なり。
徒党を組めば、やがて馴れ合い腐りゆくまで。
今の日本人はもう少し、胸のうちに己だけの美を
持つべきじゃないですか。
地蔵さんへの伝言さ。フジタからのな。
2008-03-01[n年前へ]
■私には夢がある(森本泰輔さん講演録)
あとは自分が好きなことをする。好きじゃなかったら続きません。あとはたくさん失敗してもくじけなかったらいいんです。僕が得なのはビールです。ビール飲んで寝たら、次の日朝起きたら覚えてない。そやから楽なんです。思い悩む人は、頭ええのよ。お酒じゃなくても何でもいいから、「忘れる」という行為をしていかへんと、たまっていったらしんどいですよ。僕なんかすぐ忘れますよ。僕は10年分の日記ありますが、それ見たら何のことかさっぱり覚えてないですよ。昨日会った人の名前も忘れるくらいです。そういうことです。