hirax.net::Keywords::「弾性体」のブログ



2010-07-05[n年前へ]

続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!? 

 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?の続きです。「空気で膨らんだ大きな風船」と「ほんの少し空気で膨らんだ風船」同士を繋いいだら、一体、その後どういうことが起きるか、そして、その現象はどういう過程で起きているのだろうか、という問題が周囲数メートルの狭い世界でブームになっているわけです。時には理論武装し、時には実験検証でその結果に驚く…という超局所的ブームが来ています。

 今日は、金魚を飼っている水槽から部品を調達し、「風船が膨らんだ時の風船内部の圧力を量ってみた」という実験レポートが送られてきました。右図のように風船と水の入ったホースを繋ぎ、どれだけホース内部の水を持ち上げることができるということから、風船内部の圧力を調べてみたというレポートです。何だか、金魚が可哀そうな気もしますが、その「科学のために金魚からホースを借りて行われた実験」の結果が、下のグラフになります。このグラフは、(黄色い手書きの矢印のように)風船を徐々に膨らまし、そして、空気をまた徐々に抜いていく際の内圧の測定結果を示しています。

 この結果を眺めると、(少なくともある程度の直径の範囲では)風船を膨らますにしたがって風船の内圧は下がるが、途中から若干の増加がみられ、また、そこから風船をしぼませていくにしたがって内圧は一時的に下がるが、風船径の減少にしたがって、内圧は増加するという結果がわかります。風船のゴムが弾性限界を超え、降伏点を超えているような挙動が見えてきます。

 ふとした話題をきっかけに、フットワーク軽く色々なことを「”魔法の”引き出し」から自分自身の手で取り出せる人たち・自分の手で取り出そうとする人たちを見ると、何だかとてもうらやましくなります。

続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?






2010-07-29[n年前へ]

転がる輪ゴムの物理学 

 「転がる輪ゴムの物理学

 輪ゴムは転がるとき、どのような形になるのだろうか?
 研究者らはこのデータを元に重力、輪ゴムが曲がるのに加わる力、遠心力、輪ゴムの持つ剛性などを考慮しこの現象を分析したという。それによると、静止時に形状が保たれているのは輪ゴム自身の剛性と重力が均衡しているからであり、速度の遅い回転時にも重力によって輪の形状が保たれるという。しかし回転速度を上げていくと重力を上回る力が複数かかり、輪の形状が崩壊するということが分かったとのことだ。

2011-05-26[n年前へ]

「おっぱいは粘弾性体として取り扱うべき」という最近の主張 

 「おっぱいは粘弾性として扱うべきではないか」という議論が、ここ数ヶ月参加している「シミュレーション勉強会」で話題になっています。

 これまで、「おっぱい」という物体は「弾性体」として取り扱うことが多かったような気がします。それは、年と共に変化する「ヤング率」という弾性パラメータを導入すると、比較的広い範囲のことを説明できるからです。(といっても、それは「年をとるとおっぱいが垂れる」という一点を説明できるということに尽きるのですが)

 時には、(数値計算でなく)解析的な解を求めたくて、「理想液体+表面膜」として扱って取り扱ってみることもありましたが、それはごく例外的な取り扱いだったように思います。おっぱいを私は弾性体として、取り扱ってきたわけです。

 けれど、「おっぱいは粘弾性として計算するべきだ」という主張には説得力を感じます。弾性体は元の形状を100%記憶しているわけですから、外部からの力がなくなれば、元の形に必ず戻ります。…けれど、「おっぱいは元の形に戻らない」というのが世の通説です。そうでなければ、「形状維持のためにブラジャーをしよう!」といったような広告が打たれるわけがありません。

 おっぱいが弾性体であれば、どんなにブラジャーで締め付けても「おっぱいが記憶している本来の形状を未来永劫変えない」はずですし、「無重力空間に行けばどんなおっぱいも元の形状に戻る」はずです。…けれど、現実のおっぱいは、それとは少し違う性質を持つように思われます。

 現実のおっぱいが「元の形に戻らない」もの(らしい)ということを考えるならば、背理法的に「おっぱいは弾性体のみとしては取り扱うことができないものである」という結論が得られるわけです。

 「弾性体」に力をかけて形を変えたとしても、そのエネルギーは一時的に蓄えられた上で、100パーセント戻ってきます。けれど、それが「粘性体」であれば、それらのエネルギーは熱に変わります。…おっぱいに力をかけて変形を生じさせた後に時に起きる現象を考えてみれば、おっぱいは「弾性体」と「粘性体」を足して割ったような性質を持っているように思われます。

 「弾性体」と「粘性体」を足して割ったような性質を持っているということは、「おっぱいは粘弾性を持つものとして扱うべきだろう」という主張が出てくるのももっともです。おっぱいに力を与え・エネルギーを与えると(何かしら)熱に変わる、だとすれば、それはすなわちおっぱいは粘性体であるという証拠なのです。

 さて、おっぱいを粘弾性体として取り扱うと、意外に深く面白いことが見えてくるように思われます。おっぱいの生体分子を反映する、その材料力学に近づこうとするばらば、粘弾性体としてのモデルを構築した方が良いのかもしれないと思う今日この頃です。

2011-06-18[n年前へ]

オッパイ星人の力学 揺れるバストの集団同期 編〜1億数千万の人々を14個のおっぱいに例えてみた〜 

 10年振りに帰ってきた「できるかな?」「オッパイ星人の力学 揺れるバストの集団同期 編〜1億数千万の人々を14個のおっぱいに例えてみた〜」です。

B:すごいじゃないか、この「みな同じ方を向きたがる」集団行動のメカニズムを解き明かしたのか?
A:あぁ、そうだ!題して「揺れるバストは均質である限りにおいて集団同期する、等質な揺れるバストはみな同じ方を向きたがる、の法則」だ!
A:人生の長期間にわたるおっぱい問題を考えるには、「おっぱいは粘弾性体として取り扱うべき」というのが最近の主張なのだが、今回のような問題では年齢項をヤング率として繰り込んで弾性体扱いしてしまえばいい。
B:「都合の悪いところは繰り込んでしまえばいい」の原理だな。
A:そうだ、AカップBカップ…カップサイズがみな違うように、もう少し多様性があれば、結果は変わってくるのさ。「みな同じ方を向きたがる」集団行動のメカニズムはそもそも「動き・応答性」が極めて均質なところから始まっているんだ。
B:卵が先か鶏が先か…って感じもするが、なんか14個の揺れるおっぱいを通して、揺れ動く一億数千万の人々の動きが少し見えてきたような気がするよ。

 おっぱいの科学で初学者にとってわかりにくいのが、「母が父ならぬ乳で、男性ならぬ女性が弾性」というあたりかと思います。その点にさえ気をつければ、いともたやすく種々の現象を解き明かすことができると思います。

2011-10-24[n年前へ]

交差点の「コンクリ柱」をグニャグニャ曲げる男 

 交差点で信号待ちをしていると、交差点沿いの歩道の端っこに、「コンクリ柱」が2本立っていました。この「コンクリ柱」は、交差点を曲がろうとする車が歩道に乗り上げ・歩行者などに危害を加えるのを防止するために設置されているのでしょう。ガードレールより少し低いくらいの高さで、コンクリートもしくは石から削り出したような柱が備え付けられていました。その「コンクリ柱」が右の写真です。

 信号待ちをしていた私は、次の瞬間ビックリしました。…なぜかと言うと、体の大きな男がスタスタと歩いてきたかと思うと、その2本の「コンクリ柱」をグニャグニャと曲げ始めたからです。男は、右に左に・グルグルグルグルと堅く曲がることなどないはずの「石柱」を曲げ続け、そして急に踵(きびす)を返し、去って行きました。

 そこで、おそるおそる私も「コンクリ柱」に触れてみると、そして力を少しかけてみると、驚くべきことに、非力な私でも「コンクリ柱」を曲げることができたのです。この「コンクリ柱」、コンクリートのような見かけ・質感であるにも関わらず、何とグニャグニャと自由自在に曲がる「ゴムのような弾性体」だったのです。

 この柱は、車やバイクなどが歩道に乗り上げることを”心理的に防ぐ”ために、備え付けられているものなのでしょうか?このグニャグニャ棒では、歩道に車が向かって来たような場合、その車を止めることは絶対できそうにありません。この見かけ倒しの「コンクリ柱」たちは、暖簾に腕押し柳に風…と、右から左へと車を受け流してしまうに違いありません。

 それにしても、一見「コンクリート」や「石」に見えるグニャグニャ柱が、交差点の歩道脇にあったりする、というのは不思議なものです。街中で「堅そうに見える壁や柱」を見たら、エイヤッと押してみたりすると、いきなりグニュッと曲がったりすることもある…なんて、とても面白いと思いませんか?

交差点の「コンクリ柱」








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