2007-07-16[n年前へ]
■前へ「逃げる」
from n年前へ.
チャンス"だけ"は誰にも必ず来る
小島寛之
逃げる
近藤淳也
小島寛之さんの言葉の近くに、はてな近藤社長の「逃げる」という言葉が書いてあります。その言葉を最初に眺めたとき、力強い文字とその言葉がどうも似合わないように思えて、ふと首をかしげたのでした。ずいぶん消極的な言葉にみえて、意外に感じたのです。
その違和感が消えたのは、しばらくしてスポーツ解説のテレビを眺めてた時でした。「自転車競技では、先頭を走り空気抵抗を一手に引き受ける"逃げ"はとても苦しく、アタックとも呼ばれる」というような解説者の説明を聞き、自転車競技を愛するはてな近藤社長の言葉がようやく理解できたのです。
つまり、「逃げる」という言葉は、私が思ったような消極的な言葉ではなく、「苦しくても、力一杯アタックし続ける」という覚悟の言葉だったんだなぁ、と思い至ったのです。
ふりむくな ふりむくな、うしろには夢がない
寺山修司 さらばハイセイコー
実際のところ、その「心の痛み」と「科学的な薬」は本来補完し合うものだと思うのです。それが、何故か相反するもののようになりがちなのは、両方の側にその原因があるのではないか、と思っていたりします。
2007-12-05[n年前へ]
■「ヒューマンな星飛雄馬」と「プロ野球と草野球の球場の向き」
巨人の星の主人公、星飛雄馬の「飛雄馬」という名前は、「ヒューマン(human)」にかけたものだと、聞いた。 夕日を背にしたピッチャーが、バッターに力一杯球を投げる。 そして、そのスコアボードの向こうに輝く夕日を背景に滝のような涙を流しながら泣く。 感情豊かに泣き笑いする、星飛雄馬はまさにヒューマン、人間そのものに見える。 野球場という舞台で繰り広げられる「巨人の星」は、まさにヒューマン(人間)ドラマだ。
ところで、そんなヒューマンドラマで目にした、「夕日を背負ったピッチャー・スコアボードの上に輝く夕日」といった風景は、実際にはほとんどないという。 そんな配置の球場であれば、バッターボックスに立つバッターの視界に西日が入ってしまい、プレーに差し支えるから、だ。 だから、午後~夜に競技が行われることが多いプロ野球の球場では、西南方向にスコアボードが位置することは(ほとんど)ないらしい。 ということは、バッターからピッチャー方向へ線を引いたとき、西南西方向以外を向くように作ってあるということになる。
そんな話を読んだとき、ふと思ったのが「草野球用の球場」はどういう作り・配置になっているんだろう?ということだった。 プロ野球と違って、草野球は早朝~午前に行われることが多い、と聞いている。 だとしたら、草野球用の球場は、バッターからピッチャーへ向かうベクトルが東南東方向以外を指すように作ってあるのだろうか。 それとも、単にその場所の固有の条件に応じた向きで作ってあるのだろうか。
野球用スペースがある河原近くを通るたび、そんな疑問が頭の中をクルクル回り、時計の時針と球場と太陽の向きを考える。誰もいない野球場を眺め、太陽を見上げ、腕時計の針の向きに目がいく。
2010-02-08[n年前へ]
■「プロ棋士と将棋ソフトの対局許可」と「競技(スポーツ)の本質」 (初出:2005年10月16日)
「日本将棋連盟が女流プロを含むすべてのプロ棋士に対し、コンピュータ将棋ソフトと公の場で許可なく対局しないよう通知した」というニュースが、新聞各紙で報じられていました。対局を規制した理由としては、「プロ棋士とコンピュータとの対局の商品価値を高めるため」「強くなってきたコンピュータ将棋ソフトに人間が負け、プロ棋士がコンピュータより弱い、というイメージを持たれないようにするため」というふたつの理由が書かれていました。
将棋とよく似たゲームであるチェスの世界で、コンピュータが人間に勝ったのは1997年のことです。IBMが作り上げたDeep Blueがチェスの世界チャンピオンだったゲリー・カスパロフに勝ち、それ以降はコンピュータの方が人間よりもチェスが強い時代になったのです。しかし、チェスと違い将棋の場合は「取った相手の駒を使うことができる」というルールなどにより計算量が膨大であるため、コンピュータ将棋ソフトが人間に勝つことは難しいと言われ続けてきました。
たとえば、少し前であれば、「将棋ソフトとの対戦は(ソフトが弱くて)つまらない」と言われていたものです。しかし、すでに現在ではプロ棋士が負けるようなことも起き始めているといいます。
こういったゲームの世界で、(人間が作り出したはずの)コンピュータに人間が太刀打ちできないということが増えていくのかもしれません。
しかし、「相手に勝てないから(そんな勝負が)つまらない」かというと、それは違うように思います。今年、コンピュータと戦ったチェスチャンピオンのカジムダノフが「人間とコンピュータの対決」に関して、かつてこう語っています。
Sports are not about reaching a result. Sport is about developing your inner qualities.自分の中の才能を成長させようとするなら、「相手が弱くてつまらない」よりは、もしかしたら相手が強い方が楽しいのかもしれません。
競技(スポーツ)は記録や勝ちを手に入れるためのものではない。それは、私たちが自分の中ある価値を成長させるためのものだ。
もちろん、…その勝負に負け続けるだけであれば、それはつまらく面白くない気持ちにもなるの確かでしょう。けれど、(強いコンピュータに鍛えられて)自分の将棋の腕が強くなることも、またひとつの事実であるのかもしれません。
コンピュータの街でもあるサンノゼで知った、このカジムダノフの言葉はとても噛みごたえのある・力強い言葉です。
「たいていのスポーツは、勝った試合より負けた試合から多くを学ぶもんだろ」
あだち充 「H2 」
2017-03-27[n年前へ]
■自由の女神・奈良大仏・鎌倉大仏で「銅メダル何枚作れるか」競技をすると?意外な順位の秘密とは!?
今日書いた記事は『自由の女神・奈良大仏・鎌倉大仏で「銅メダル何枚作れるか」競技をすると?意外な順位の秘密とは!?』
銅製・青銅製の彼らを溶かしてメダルを作って獲得メダル数はどうなるかを調べてみた。すると、その歴史的経緯や構造的経緯が見えてきたり…技術者「エッフェル」が自由の女神の構造設計をして、それが「エッフェル塔」に繋がっていることが見えてきたりする。