1999-11-01[n年前へ]
■踊る人形
郵便カスタマバーコードFontを作る
久しぶりの新宿の東急ハンズでこんなものを買った。
紫外線を発光する蛍光灯である。ブラックライトという名称の方が通りが良いかもしれない。ブラックライトを車につけている人も多いらしい(私の趣味には実に合わないのだが)。スケルトンという所が今風である。
さて、このブラックライトを使って「何か手元にあるものでテストをしよう」というわけで、はがきを照らしてみた。すると、「踊る人形」のような模様が浮かび上がる。
自宅に届いたはがきをブラックライトで照らしてみる。 | |
照らす前 | 照らしているところ バーコードが見える |
もちろん、これはバーコードである。これは、郵便局の新型区分機により印刷される不可視の「局内バーコード」と「IDバーコード」だ。真っ直ぐな線が続いているのが、「局内バーコード」で、「踊る人形」みたいのが「IDバーコード」である。
一番、目に触れているであろう「カスタマバーコード」(料金割引を受けようとする際に、差出者が郵便物に印字するバーコード)の写真を出したかったが、手元にないのだ。私の自宅にバーコード付きで手紙を出してくる人なんかいないのである。じゃぁ、勤務先はどうかというと、こちらは実に田舎で「字(あざ)」まであるのだ。困ったものだ。というわけで、こちらにも「カスタマバーコード」を印字したものは届いていない。
最初は、「局内バーコード」と「IDバーコード」を解読しようかと思ったのだが、探してみると詳細な情報がすでにある。
- 郵便バーコード (http://www2.biglobe.ne.jp/~t-iwata/barcode/bar_code.htm )
当初は、「局内バーコード」と「IDバーコード」のフォントを作成するつもりだった。不可視のフォントという所にロマンが感じられる。しかも、普通の人は使わなく、作っても無駄なところが本WEBにぴったりである。しかし、あまりに用途が限られてしまうので、まずは「カスタマバーコード」のフォントを作成することにした。もちろん、「局内バーコード」と「IDバーコード」も近いうちに作成する予定である。
それでは、まずは
- TTEditの紹介( http://www.interq.or.jp/www1/anzawa/ttedit.htm )
そして、作成したのフォントが以下である。「バーコード」のような、文字数が少ないものは作成するのは簡単である。 フォントの対応を下に示す。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | - | CC1 | CC2 | CC3 | CC4 | CC5 | CC6 | CC7 | CC8 | Start | Stop |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | - | : | ; | < | = | > | ? | @ | A | B | C |
ところで、カスタマバーコードの規格は結構厳しいらしい。このフォントが規格をみたしているかどうかは、怪しいものだ。自分で言うのもなんだが、テストすらしていない。テストするのは「またいつかの回」ということにしておこう。あるいは、動作確認、不動作確認などして下さった方がいらっしゃれば、ご一報頂けると幸いである。
2000-03-19[n年前へ]
■一家に一台、分光器
ハサミとテープで「できるかな?」
いきなりであるが、分光器を作りたい。光を波長別に分ける機器である「分光器」である。とある実験をするために、分光器が必要なのである。その「とある実験」の影には、大きな野望があるのだが、まだ明らかにする訳にはいかない。とりあえず、色の話題を考えるときに分光器があると便利だから、という理由にしておきたい。
どうやって分光器を作るか考えてみる。普通であれば、グレーティング(回折格子)やプリズムといったものを使うことになるだろう。家の中を探してみれば、プリズムなどもあるはずなのだが、WEBで情報を探してみると面白い情報があった。
- CDを利用した分光器の製作
- ( http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/omosiro/spec.html )
- 遮光フィルムを用いた分光器の製作(その1)
- ( http://www.asahi-net.or.jp/~DJ9K-SMZ/goods/spectre/spectre.html )
次に示すのが、HIRAX一型分光器である。ハンディ・超軽量の優れものだ。テープとハサミと去年のカレンダーを駆使し、フリーハンドで作成した、製作時間20分の大作である。どうも私の仕事はテープとハサミを駆使することが多い。それは、ハードでもソフトでも、どちらでも同じことである。出来の悪いノッポさんである。
左下がスリット部になっている。中央上の折れ曲がっている部分にグレーティングが配置している。次の写真を見るとグレーティングがあるのが判ると思う。HIRAX一型分光器の内部は散乱光を防止するために、黒く塗ってある。しかし、下の写真を見れば判るように、グレーティングの周りの片側は塗り忘れてしまった。まるで、「耳なし保一」である。
こちらの開口部から目で覗くなり、デジカメで撮影するなりするのだ。そうすれば、スペクトルが確認できる、というわけである。
例を示してみたい。グレーティングが曲がっているせいで、スペクトルが歪んでいるし、スリットが結構太いし、サイズのせいもあってスペクトルの分解能はそれほど高くない。しかし、結構きれいな映像を得ることができる。まずは、太陽光のスペクトルを見てみる。
これはデジカメで撮影したものである。スリットが太いので確認しづらいのだが、太陽光のフラウンホーファー線(FraunhoferLine)の一つHβ吸収線が486nm(ここでは水色の中央部)辺りに見えるような気がしないだろうか? いずれ、スリット幅を小さくして、もう少し精度の高い実験をしてみる予定である。
さて、次の例は「自宅の蛍光灯のスペクトル」である。
- 黄色、橙色 579、577nm
- 黄緑色 546 nm
- 水色 436 nm
- 紫色 408、405 nm
目で覗いたり、デジカメで撮影したりするのも面倒なので、可視・赤外領域に感度を持つCCDボードを秋月で買ってきた。次回、このCCDボードを取り付けて見る予定だ。そして、定量化をしてみたいのである。そして、ある野望のためにせっせと実験を続けていく予定である。