2008-09-08[n年前へ]
■大きな大きな「ミニチュア鉄道」
ミニチュア写真風な景色を見て連想したのが、大きな大きな「ミニチュア鉄道」です。たとえば、下に貼り付けた動画のような、ミニチュア模型なのだけれども、その小さなミニチュア世界が驚くぐらいの大きさに広がっていて、その広い世界の中を小さな人や馬や牛や列車が動きまわっている・・・というようなものです。
動き続けているこの広いミニチュアの世界をメンテナンスし続けている人がいます。小さな模型を清掃したり・修理したりする専用の道具がたくさん置いてある部屋があって、そこでは魔法使いのように人や木々を作り直し続けている人がいます。魅力あるミニチュア世界を眺めるとき、人知れずそんなメンテナンスをしている「小人さん」を眺めているのがとても楽しい、と思います。
2008-10-09[n年前へ]
■「かぶりつき」から見る鉄ちゃん専用「テツ」リート・ビュー
鉄道好きな人たちは鉄っちゃんと呼ばれる。そんな、鉄な人たちは、「先頭列車の運転席の後ろ」を「かぶりつき」と呼び 、まさにかぶりついて前の景色を眺めている。「かぶりつき」に妙に人いるのは、彼らが「鉄」だからである。
Googleがストリートビューを始めたとき、おそらく男であれば鉄郎(てつろう)、女であれば鉄子(てつこ)の人たちはみな、ストリートビューより「テツ」リート・ビューが欲しい!と叫んだに違いない。世界各国・南北東西色んな場所の列車に乗って、もちろん、先頭列車の「かぶりつき」から、景色を眺めてみたい、と思ったに違いない。
下の動画は、「鎌倉」から「極楽寺」まで江ノ島電鉄に乗ったときの、「テツリート・ビュー」だ。もしも、少しでも心がワクワクしたら、あなたの体の中にはフェライトがかなりの割合で詰まってるはずだ。磁石にもくっつくし、列車のかぶりつきにもくっつくに違いない。
テツリート・ビューのデータ収集&サイト構築をしてみたい。色んな地域ごとの違いを自分の目で眺めたり、そんな違いをプログラミングで浮かび上がらせてみたい。
2008-10-27[n年前へ]
■「電車の吊り手」のヒミツ
いつ頃からだったか覚えていませんが、「電車の吊り手」の構造が昔とは変わったように思います。「電車の吊り手」が以前とは、90度違う方向にぶらさがっているような気がします。以前は、吊り手をぶらさがる金属棒と吊り手が同じ向きを向いていたような気がするのですが、いつの頃からか吊り手をぶらさがる金属棒と吊り手が直行するようになりました。
鉄道が大好きのテツちゃん、血液中には鉄分が流れまくり・・・というわけではないのですが、この列車の「吊り手」の方向変化にはとても興味を惹かれます。吊り手のベルト部分を剛体に変え、吊り手の(乗客が)掴む部分の方向を90度変えるという変更は、一見すると小さい変更のようでいて、実はとても大きな変更・効果が生じているように思えます。
というわけで、まずは吊り手の写真を撮りました(怪しい人ですね)。話の先は、吊り手と乗客の振動解析をし、さらには乗客がどのように意識すれば一番揺れないで済むのかを考えてみようと思います。
2008-10-28[n年前へ]
■続 「電車の吊り手」のヒミツ
「電車の吊り手」のヒミツ の続きです。
「電車の吊り手」の構造が以前とは、、90度違う方向にぶらさがるように変わっていることに気づきました。そんな吊り手を見ながら、その効果をラクガキをしつつ考えてみたのが、下図になります。
イラストにして見ると、以前の吊り手が「列車の横揺れ方向に対して、2重振り子状態」になっていることがわかります。また、吊り手の支持部と、吊り手の持ち手部が、いずれも列車進行方向に向いているために、横揺れをなかなか抑えることができないように(自分の経験から)思われます。乗客が腕を動かして揺れを抑えようとしても、吊り手に2カ所関節があるので、揺れを抑えるのは難しいように思えます。
しかし、最近の吊り手は(図のように)以前のものとは違うことがわかります。吊り手の持ち手部分が列車の横振動方向とは直行し、(さらに、吊り手のベルト部分がパイプに包まれていることもあり)列車の横揺れに対し、その揺れを抑えることが容易になったように思えます。
ここで、興味深いことは、吊り手のベルトをパイプで囲ったことの効果は別として、吊り手の持ち手部分の方向を90度変えたことで、「列車進行方向揺れ」には弱くなった・揺れやすくなったということです。つまり、列車が走るとき「ほとんどの時間は横揺れを感じる時間で、進行方向の揺れを感じるのは駅に発車・到着する時くらいなので、横揺れ抑制効果を重要視しよう」という判断をしたのでしょう。そういうメリット・デメリットを秤に乗せて行われる選択・技術改良・コスト変更にとても興味を惹かれます。
列車には、吊り手がたくさんぶら下がっています。そんな、吊り手と同じように、たくさんの吊り手が変化したように、そんな技術改良・コスト変更などは、きっとたくさんあると思います。そんなものを町中で見かけると、なぜか楽しく感じたりします。
2009-03-12[n年前へ]
■新幹線のアクティブ制御の設計解析手法
以前「鉄道車両の設計と制御におけるシミュレーション技術」という川崎重工の技術紹介を聞いたことがある。これが、実に様々な点で面白かった。
新幹線の振動/揺れが気になることが多かったので、たとえばこういった記事をはじめとして、新幹線の振動抑制制御について、とても気になっていた。特に血液中の鉄分が多い方、いいかえれば、鉄っちゃん(鉄道おたく)ではないと思うのだが、新幹線の制御をどのような考え方で、どのようなやり方で設計/開発を行っているのか に興味があった。
新幹線の振動抑制に関しては、
- 台車の左右加速度を計測する
- 加速度をフーリエ変換しパワースペクトル密度にする
- 人間の振動に対する各周波数に対する感度をかけ、さらに積分することで「乗り心地」指数(レベル)を算出する
ちなみに、このような「乗り心地」評価値を用いながら、客車を支える空気バネの電磁弁を開閉することでセミアクティブ制御したり、客車下中央に位置する動揺防止制御用アクチュエータでアクティブ制御を行っている、という。
ちなみに、加速度センサからのFB制御だけでなく、ATCの地点情報を用いてFF制御を行っている、というあたりも面白い。…鉄道もなかなか面白い。鉄っちゃんの気持ちが、少しわかるような気がしてきた。
この講演の面白さ/興味深さは「(シミュレーション)ソフトウェア開発/管理における課題」「異種技術分野のソルバ/ツール連携」に関する現状の問題を、講演者が整理した上で、聴衆になげかけた部分にもあった。実に勉強になった。