2009-03-30[n年前へ]
■岡村孝子 「電車」
混み合う電車に押し込まれ
ガラスに額をつけたまま、
仕事を始めていたずらに
時間が流れていくけれど、
誰もが自分の生き方を
見つけて歩いてゆくけれど、
私は都立大という東横線沿線に住んでいたんですが、いつも電車に乗って仕事に通っていたんですね。その電車の中って、一杯ドラマが毎日生まれていて、その電車の中のドラマや、電車から見る風景を見ながら書いた曲です。
2009-08-04[n年前へ]
■「個性」と「公倍数」
「ぢるぢる旅行記 (総集編) 」から
中では三人の寺男が六つの鐘で宗教音楽を演奏していた。
大理石の壁や天井に反響してものすごい音になっていた。
意図的にズラされた三つのリズムが公倍数の所でカキッとハマるよう巧妙に作られている。
「すごくうまいけどイキんだとこが全然ないね」「あーそ-そ-。いらないんだよ。暑苦しー個性とか自己主張とかね」
2010-05-13[n年前へ]
■ブルースから流れる「歌の三段構成」
「グラフィケーション」 2010 No.168 から、赤木昭夫の「失われた道を求めて」より。
(アメリカの黒人たちの)四回もの大移住は、アメリカに大きな文化遺産をもたらした。第一回目には、ドラムに合わせて足踏みで踊るという、リズムという音楽の基本要素がアフリカから伝わった。
二回目の移住の過程で生まれたのが、ブルースだ。ブルースの歌詞は、という三段構成になっている。
- 苦しみをつぶやき
- 嘆き
- だが耐えるしかない
次に三回目の、セントルイス、シカゴ、デトロイトなどの工業都市への移住の中で、リズム&ブルースが生まれたが、という三段構成になる。
- 怒りや苦しみをぶつける
- ぶつける
- そして解放される
そこからロックが生まれた。ロックン・ロールの元祖には諸説あるが、セントルイスで育ちシカゴでデビューしたチャック・ベリーもその一人だ。
もはやロックとなると、もうつぶやいたり、嘆いたり、諦めたりしていない。しかし、ブルース以来の、音楽の運びの基本の三段構成は継承。
ちなみに、四回目の移住ではレゲエ文化が新たに加わった。
2014-03-10[n年前へ]
■絶好調の時も不調の時も…人生は、意外にも平坦な所らしい。
”絶好調の時も不調の時も同じように…”という言葉を読んで、太宰治「正義と微笑 」の一節を連想する。
夜、ヘレン・ケラー女史のラジオ放送を聞いた。梶に聞かせてやりたかった。…努力によって、口もきけるようになったし、秘書の言う事を聞きとれるようにもなったし、著述もできるようになって、ついには博士号を獲得したのだ。僕たちは、この婦人に無限の尊敬を払うのが本当であろう。
真面目に努力していくだけだ。これからは、単純に、正直に行動しよう。知らないことは、知らないと言おう。できないことは、できないと言おう。思わせ振りを捨てたならば、人生は、意外にも平坦な所らしい。
これから歩む道のりが、
花が咲き香る長閑(のどか)になれ、
とは願わない。
足か弱く、険しい山路は登り難くとも、
楽しき調べを、絶えず麓で歌うなら、
聴き勇気づけられる人も、いるやもしれない。
言葉のリズムや、可能性というか未来に向かう明るさが溢れる太宰治「正義と微笑 」は、万城目学あたりに、現代仮名遣いにして欲しい。
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