2010-03-08[n年前へ]
■実機動作の前にモデル(シミュレーション)検証を必須としたい
委員長総評(内容は不正確です)ROBO-ONE on PCは、プロトタイピング検証と、実機検証の片方づつ、もしくは両方で競う、とても面白そうな大会だ。しかも、これからは、実機動作の前にモデル(シミュレーション)検証を必須としたい、という総評がとても興味深い。
* MatLab、LabViewを使った検証をできるだけやって欲しい。実機部門での受賞要件に含めようかと思っている。(うまく制御できていても賞を渡さない等)
次の紹介文は、ROBO-ONE on PC 4th の「公式サイト」から。
ロボットの姿勢制御技術の向上を目指し"竹馬ロボットの開発" を行います。今大会から"シミュレーション・実機・統合"の3つの部門に分かれました。部門別に採点を行い、それぞれ優勝を決めます。シミュレーション部門のみ、実機部門のみのエントリーも可能です。普段"ロボットを作らない方"や"ロボットしか作らない方"も是非ご参加下さい。統合部門はシミュレーションと実機の結果を比較考察する部門です。必然的にシミュレーションと実機両方を行うことになります。
2010-04-04[n年前へ]
■米国高速道路交通安全局、トヨタ車のブレーキ問題で NASA を呼ぶ
「米国高速道路交通安全局、トヨタ車のブレーキ問題で NASA を呼ぶ」
米国運輸省の高速道路交通安全局 (NHTSA) は 3 月 30 日、トヨタ車の意図しない加速の件で、NASA の電子制御の電気系統、電磁干渉、ソフトウェアの専門家を呼んだと発表した。
2010-07-14[n年前へ]
■「正のフィードバック」と「負のフィードバック」
今日の「n年前へ」から。
電子機器・メカ機器で多く使われるフィードバックシステムは、「負のフィードバック」だ。なぜなら、それにより「システムの安定化」を実現化することができるからである。逆に言えば、そういう風にシステムを作らなければ、安定して機器を動かすことはできない。
その一方、ユーザーインターフェースをつかさどる機器は、「正のフィードバック」として動くものも多い。たとえば、車のハンドルを動かすパワーステアリングなどは、入力の増幅が出力の増幅を生み出す「正のフィードバック」システムだ。少ない力で人の手助けをするシステムを作ろうとするならば、「正のフィードバック」を使うのが自然で人に優しい、というわけである。そういった、ユーザの反応を増幅拡大して見せるポジティブ・フィードバック系が多い。
ユーザの操作・反応がとても重要であり、同時にマスメディアでもあるようなツールを作ろうとするときには、この「フィードバック」特性を意識することは、きっと何かの知見を与える、と思う。「正のフィードバック」と「負のフィードバック」、そして、それらのフィードバック・システムが生み出すシステム、そういったものの挙動をシステムに関わる人々が想像してみることは、きっと何かの役に立つのではないだろうか、と思う。
「メディアの特性」と「制御工学の安定性」
2010-10-02[n年前へ]
■「ポジティブ」と「ネガティブ」を適度に混ぜたフィードバック・ループ
先日テレビ番組で高橋英樹さんが、「自分が出演したドラマは見ないようにしている。見返すと、どうしても―あぁ、もっとこうすれば良かった-とか後悔してしまい、落ち込んでしまうから」と言っていました。高橋英樹さんほどの人でも、そんな風に感じるのかと、その言葉が強く印象に残りました。
制御設計をしようとする時に用いる「フィードバック制御」は基本的にネガティブ・フィードバックです。理想から自分がズレている分を打ち消すように、負のフィードバックをかけることで、目標・理想の通りの動きにしようとするわけです。もしも、逆のポジティブ・フィードバック制御動作にしてしまったとしたら、発振してしまい、とんでもない動きになってしまいます。
高橋英樹さんの「自分が出演(つまりは主演ですね)したドラマは見ない」という言葉を聞いて、意外にネガティブ・フィードバックは人(自分)に対しては良くないのかもしれない、と考えました。理想を追求するのはいいけれども、理想からの大きなズレを眺めてみても、落ち込んでしまうだけかもしれないな、と感じたのです。
そして、そんなことを考えている内に、ふと我に返りました。高橋英樹さんの言葉のうち、もしも、その印象に残った部分だけを自分にフィードバックさせようとしたら、それは自分に都合の良いポジティブ・フィードバックになってしまうのではないだろうか?とも感じたのです。
自分に対してフィードバック・ループを作る時には、「ネガティブ」に偏っても「ポジティブ」が多すぎてもマズイのでしょうか。もしも「ポジティブ」と「ネガティブ」を適度に混ぜたフィードバック・ループを作るとしたら、どんなバランスになるでしょうか。
2010-10-19[n年前へ]
■「大ヒットを生み出すバイラル・ループ」のブロック線図を描いてみよう!?
「バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある 」という本を読みました。ひとことで内容を書くならば、「大ヒットするWEBサービスは、使ったユーザが周りの人を勧誘し、さらにユーザが増えることにより生まれた」ということを実例とともに振り返る、というものです。NCSA MOSAICや、eBayなどのスタートアップ当時の話が書かれていて、なかなかに面白く読みました。ユーザ数を増加させる営業活動と、その一方で増大する負荷に耐えるシステムの構築、という辺りはどの実例でも非常に苦労していて、その顛末を読むと意外なほどにワクワクさせられます。
この本のタイトルにもなっている、バイラル・ループ(VIRAL LOOP)というのは、「使ったユーザが周りの人を勧誘し、さらにユーザが増える」という状態を指しています。タイトルになっているとはいえ、バイラル・ループ自体の話は、さほど興味深くも面白くもないのですが(個人的な感想です)、バイラル・ループを説明する図のひとつが制御工学のブロック線図のような具合で描かれていて、その部分には興味を感じました(解説中に出てくる閾値が0ではなく、1になっている理由は良くわかりません)。その図が下に貼り付けたものです。
せっかく、ブロック線図っぽい解説図が描いてあるのですから、大ヒットを生み出すバイラル・ループの(シミュレーションも可能な)ブロック線図を描いてみることにしました。それが、下に張り付けた図です。たとえば、このブロック線図のモデルをSimulinkのようなソフトウェアでなぞり、そしてシミュレーションでもしてみれば、ネズミ算的にユーザ数が増大していき、限界量増えた後は停滞する、という「大ヒットから熟成期までの」の過程を再現することができるだろうと思います。
「使ったユーザが周りの人を勧誘し、さらにユーザが増える」というだけの現象も、もしかしたら、色んな眺め方をしてみると面白いかもしれません。