2008-01-12[n年前へ]
■プルフリッヒ効果で飛び出すラトルバック立体動画
ラトルバックが逆転する瞬間のスローモーション映は、立体動画として眺めることができます。片目だけサングラスをかけて、ラトルバック動画を眺めるとプルフリッヒ効果(錯視)"The Pulfrich Illusion"により、チューインガムが逆回転し始める瞬間から、ガムが立体的に見えてきます。平面的なディスプレイからガムが奥へ前へ飛び出して回る姿が見えてきます。
片目だけサングラスやフィルターをかけて動画を眺めても良いですし、100円ショップでサングラスを買って、上のような片目サングラスを作って眺めてみても面白いと思います。そして、他の動画も眺めてみれば、立体的に見えるものがたくさんあるかもしれません。
2008-06-16[n年前へ]
■ブレーキングとコーナリングの荷重問題
車の運転をする時、「各タイヤへの荷重状態」が重要だ、とよく聞くような気がする。あるいは、スキーやスケートをする時も、前後左右への荷重状態、つまりは足裏感覚が重要だと言われる。そして、そういった荷重状態を決める大きな要因は、加速度吸収(サスペンション)と重心移動だとよく聞かされた(ような気がする)。
車を走らせるときの荷重状態が前後左右に変化するというのは、直感的には理解できるようでいて、それをちゃんと説明しようとすると、結構難しいことに気づく。たとえば、台車を早く押していて、廊下の角を急いで曲がろうとすると、台車が外に倒れそうになることがよくある。それは、感覚的にはとても自然であるし、現実にも台車は外に倒れてしまう。けれど、その動きを論理立てて説明しようとすると、きちんと説明できない自分に気づくのである。
そこで、車を(これい以上ないくらい)単純なモデルに変えて、ブレーキング時とコーナリング時に働く力、さらにはその力がサスペンションに働き、荷重状態を変える過程を図にしようと試行錯誤してみたのが、下の図である。簡単のために、前後(もしくは、左右のタイヤを90度直行した状態に固定するように繋ぐサスペンションがある、というモデルで絵を描いてみた。
つまりは、ブレーキをかけた時に働く慣性力や、コーナリング時に働く遠心力が、90度直行する2本のサスペンションにそれぞれ分配される、というモデルである。こんな単純なモデルであると、図の右の方に書いたように、ブレーキ制動時には前輪が沈み・後輪が浮き、左コーナリング時には「右輪が沈み・左輪が浮く、ということになる。
…が、実際にはこんな風な単純な構造の車はないので、慣性力や遠心力がどの部分にどう働き、どのような荷重状態になっているのかは、やはり今一つよくわからない。また、こういった単純なモデルでは、ロールやピッチやヨーといった、3軸回転を(全体として)表現することができない。誰か、自動車や台車スキーやスケートや…つまりは、ありとあらゆる「乗り物」の荷重状態と動きを簡単にわかりやすく単純明快に説明してはくれないものだろうか。
「オーディオ」機器に関する説明が単純なようでいて、その説明を追いかけ・納得しようとすると難しさ極まりないように、「(趣味の車やスキーといった)スポーツ」に関する解説も、「なるほど」と納得するのは結構難しくて、落ちこぼれてしまうことが多いような気がする。
2008-06-22[n年前へ]
■ホッケー・パックの飛び方のナゾ
(チューインガムで作った)ラトルバックではないけれど、実際に再現させることは簡単にできるのだけれども、その動きの仕組みを説明しようとすると結構難しいことということが多い。いや、多いどころか、上手く説明できないことばかりが世の中には満ちているように思う。単純に言ってしまえば、「実際に起こる現象を理解・説明する力」というのが不足気味なわけだ。
そんな、「実際に再現させることはできても、その動きの仕組みを説明しようとすると結構難しい」ことの一つが、「ホッケー・パック」の飛び方だと思う。平面の上に置かれた扁平円板を叩くと、それが上に飛んでいく仕組みをきちんと説明しようとすると、これが結構難しい。ゴルフボールのように、ピンや芝生の上に浮いている状態の物体を打つのではなくて、あくまで摩擦抵抗の低い平面の上にある扁平円板を叩くのに、パックが浮かんで飛んでいく減少を定量的に話すのは、なかなかに難しいように思う。
パックがホッケー・スティックのブレードの先で回転することで(決して小さくない)回転モーメントを持ち、その回転モーメントがあることが前提で、スティック・ブレードの下部がホッケー・パック下部を押し、ブレード面を転がり浮かぶようにして、クルクル横に回転しつつ、パックが斜め上に飛んでいく…というような説明はできても、それを数式を書きながら、単純な形で説明してみろと言われたら、言葉に詰まってしまうに違いない。(参考動画)
ヘロヘロと縦回転をしながら情けなくパックが飛んでいってしまうことが多いように、頭の中で計算をしようとしてみても、どうしても「ヘロヘロと縦回転をしながら情けなくパックが飛んでいってしまったりする」のである。現実にも、あるいは、頭の中のシミュレーションでも、鋭くゴール上方隅に決まるようなシュートが打てたら良いのだけれども。
2008-06-24[n年前へ]
■BOSEの「スピーカー」実験用ビックリハウス
スピーカで有名なBOSEの技術紹介資料を眺めていて一番おもしろかったのが、 マサチューセッツ州フレミングハムの本社内にあるという「90度グルリと回転させた」リビングルームである。 写真を見るとわかるように、その部屋に人が入った人は、通常であれば壁の部分を歩き回ることになる。 まるで、遊園地にあるビックリハウスのような試験室なのだ。
この不思議なリビングルームは音響効果を試験するための部屋である。 たとえば、カーペットで敷き詰められた床が鉛直方向にそそり立っているため、埃やゴミがちり積もることがない。 だから、掃除機をかけたりする必要もないし、そのために部屋の音響特性が変わることもない。 また、カーペットの上を歩き回ることで、カーペットが踏み固められてしまうこともない。 あるいは、すべての家具は「床=壁」に完全に固定されているため、家具配置が変化し音響特性が変わることもやはりない、というわけである。
こういった「既成概念に囚われないとても柔軟な発想」で作られたものを見ると、とても新鮮な驚きと楽しさを感じて、とても楽しくなる。そんな楽しさが未来を作っていくのかもしれない、と思う。
2008-07-16[n年前へ]
■「ミンティア」の秘密
ミンティア (MINTIA) という清涼菓子がある。似たようなタブレット菓子のフリスク(FRISK)に比べて半分ほどの値段であることと、甘くフルーティな味であることなどから、私の周りでも愛好者がとても多い。
このミンティアのケースには、実は、結構面白い秘密が隠されている。タブレットを出す部分・蓋内部の経常を眺めてみれば、少し不思議な形状であることに気づくはずだ。特に説明文などがケースに書かれているわけではないけれど、この蓋形状は、タブレットを「一回に一粒だけ取り出す」ためのものである。タブレット菓子をケースから出そうとすると、一度に何粒も出てしまい困ることがある。しかし、ミンティアの場合、そういったことは起きない。
その仕組みはこうだ。ミンティアのケースを軽く振ると、出口の蓋内側にタブレットが一個はまる。そして、蓋を開けると、蓋の回転に合わせてミンティアのタブレットが一個「ケース内部から差し出される」というわけだ。清涼菓子ひとつひとつに、こういった細かい気遣いがされた容器設計がされているのだろう。そんな差別化の積み重ねが商品棚に並んでいると想像すると、色んな清涼菓子を買いたくなる。