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2014-08-11[n年前へ]

月岡芳年の浮世絵をタブレットでリアルに手にしてみよう!? 

 幕末から明治にかけての浮世絵師「月岡芳年」の作品を3次元的に眺めてみよう!? で月岡芳年の浮世絵の見え方を復元し、見る方向で姿が変わるリアルな浮世絵を3次元的にグリグリ眺めてみよう!?では、Three.jsでそれを3次元的に眺めてみました。そこで今日は、月岡芳年の浮世絵をタブレットでリアルに手にしてみることにしました。

 …というわけで、早速「作ってみた」のが下の画像です。月岡芳年の浮世絵に当たる光や眺め方(持ち方)を反映して、本物と同じように(誇張も混じった”多分”ですけど)眺めることができます。タブレット内の月岡芳年の浮世絵にスポットライト光があたれば、版画の上の艶がある部分は刷り模様を反映した(スポットライトに対する)反射光を返しますし、眺める向きを変えればギラギラとした反射光から逃げることもできます。もちろん、照明光の色が変化すれば、その色で照らされた時に見えるはずの反射光を返します。



 といっても、やった作業はとても簡単で、実質10分ほどの作業に過ぎません*。(結構前ですが)前回の記事作ったデータを、iOS上で動くGLSL Studioに読み込んで、前面カメラ(フェイスカメラ)で周囲の環境光をリアルタイムに認識することで周りから浮世絵に照射される光線を推定し(適当にね!)、(浮世絵を眺める人の視線方向に対して)浮世絵から反射されるはずの光・色を液晶画面に映し出すことで**、「周りからの光と自分自身の反射率特性に応じて、周りに光を返す」という反射物体が持つ特性と同じ挙動をさせる、という具合です。…こう書くと複雑そうですが、実際のところはほんの10行足らずのコードを書いてみたに過ぎません。

 最近のスマホなら、前面カメラを使うことで環境光分布の推定も容易にできますし、浮世絵のような反射物が持つh反射率分布関数(BRDF)の再現・表示もスマホ搭載のGPU・LCDならある程度行うことができます。…となると、もはや反射物体としての浮世絵とかアートの再現なんてスマホで十分可能だぜ!という時代が訪れているようにも思われます。


*以前iOS上でネイティブアプリで作成したことがあるのですが、それと同じようなことはGLSL Studioを使うと(できないこともあるのであくまで簡易的にとはなりますが)ものの5分ほどで、ほんの10行弱ほどのコードを叩くことで実現することができるのです。

**ちなみに、iPadのフェイスカメラ部分にティッシュペーパーを貼りつけてあるのは、環境光分布を畳み込む計算を行うのがGLSL Studioでは重かった(不要な重複計算が生じてしまう)から、ティッシュペーパーで超アナログな畳み込み計算をしてみた…という具合です。

2014-12-21[n年前へ]

Microsoft Surface Pro3でOSXを動かしてみよう!? 

Microsoft のタブレット、Surface Pro 3にOS Xをインストールして使っている人たちがいる。動作画面を眺めてみると、画面へのタッチインターフェースやペンで書き込むインク機能や、あるいは通常のキーボードを使った操作感が楽しそうで、一度使ってみたくなる。

 Surface Pro2や3の中古価格を眺めてみると、まだまだダメ元で買うことができるほどの値段には落ちてきてないみたい。もし、2万円以下くらいに値下がりしていたら、試してみたくなるかも…。

2015-01-18[n年前へ]

ロチェスター工科大学の絵画材料BRDFを使ったレンダリングソフトで遊んでみよう!? 

 ロチェスター工科大学のRoy Berns教授らが公開してる絵画材料のBRDF計測や、計測データを使ったレンダリング表示が面白そう…というわけでいじってみました。このソフトは、絵画の各微小部分の(内部)拡散色成分や(右画像のような)法線方向や…その各微小部分内部のさらに微小な構造に関する情報もとに、「どう光を当てたら、どんな風に見えるか?」を表示してくれるソフトウェアとデータベースです。

 このソフトウェアはとても面白いのですが、Matlabでアプリケーション作成してるせいか、かなり動作が重く感じます。…このデータを使って、WebGLでの表示やタブレットなどでのインタラクティブ表示をしてみたくなります。

ロチェスター工科大学の絵画材料のBRDFを使ったレンダリング ロチェスター工科大学の絵画材料のBRDFを使ったレンダリング 






2019-01-19[n年前へ]

『誰かが江戸で手にした浮世絵を「自分の手の中」で甦らせる!』 

 「ソフトウェアデザイン 2019年2月号」が発売されました。その号中に、4ページの製作解説記事として『誰かが江戸で手にした浮世絵を「自分の手の中」で甦らせる!』を書きました。先週、まさかのまさかの偶然で、図書印刷沼津工場の小森UVインク機で出力工程を眺めてしまった「あのページ」です。

 今回の話は、印刷機と少し似た、浮世絵を題材にしたレンダリングで遊ぶ話。昨年11月に、フランスから訪日した色彩研究者に付き添いつつ東京藝大に行って、「北斎の波描画(のある部分)で使われた顔料を知りたい」という会話に立ち会ったことがキッカケで書いてみた、そんな「見た目」を再現するIT技術に関する記事です。



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