2014-12-20[n年前へ]
■フェルメール「絵画芸術」をX線CTボリューム像で眺めてみよう!?
巨匠絵画の埋蔵文化財発掘をしてみたい!なんて3週間前に書きました。すると、フェルメール「絵画芸術」のX線CT画像があったので、ボリュームイメージにして眺めてみました。…フェルメールの絵は、粒径が粗いゴロゴロした顔料層の上に、粒径サブミクロン以下のきめ細やかなな層が塗り重ねられていて、それらの層の特性が違うために剥離・壊れやすい…というわけで、そんな層恒星を 次元的に眺めたくて、X線CTのボリュームイメージを眺めてみました。
下の動画がフェルメール「絵画芸術」の派遣のX線CTボリューム像です。また、WebGLに対応したブラウザがあれば、ブラウザ上でもグリグリと動かし・眺めることができるようにもしておきました。
ボリュームレンダリングしつつグリグリ眺めてみると、複数の油絵層が剥離つつあるさまや(内部で密かに広がっている絵具層間の空隙)を発見することができます。
…次は、こうした層構成が「どんな風に見えるか」がわかるようなレンダリングでもしてみようと思います。
2014-12-29[n年前へ]
■世界3大ガッカリ展示のダヴィンチ「モナリザ」をブラウザ上で眺めてみよう!?
ルーブル美術館で眺めたレオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」が世界三大ガッカリでした。薄暗い間接照明の下で遠巻きに眺めるだけならTVで眺める方がよっぽどリアルだ!と感じました。…そこで、今日は自分用に「モナリザ」リアル展示を作ってみました。
形状情報をX線撮影画像から生成します。なぜなら、X線画像はある種の”積分"画像なので、積分=高さとして解釈するわけです。そして、さらに微細な形状(凹凸)は色撮影画像の高周波情報から周波数フィルタ的に作り出し、光沢情報は…とりあえず、(巨視的に変化が大きい箇所は微視的な変化構造も大きいと仮定して)形状の微分に依存するものとして作り出してみます。…という具合で作ってみたのが、このWebGL表示です。
データ処理が上手くなかったり、ネット転送用にデータを圧縮していたり、WebGLでのレンダリングがとても疎だったりするせいか、あんまりリアルじゃない気もしますが…それでも、ルーブル美術館の本物モナリザよりは、まだしもリアルに眺めることができるかもしれない…というわけで、今日は世界3大ガッカリ展示のダヴィンチ「モナリザ」をブラウザ上で眺めてみました。
2015-01-03[n年前へ]
■ルーブル美術館所蔵の16世紀油絵をリアルに色々眺めてみよう!?
ルーブル美術館に所蔵されている16世紀の油絵"Lady Praying"の特殊撮影データ群が公開されていました。可視光で撮影した高解像度写真・X線で撮影した写真・赤外線で撮影した写真・紫外線で撮影した写真・側面から光を当てた測光線写真(Raking photograpgh)…という具合で、さまざまな眺め方ができる情報が公開されていました。
そこで、それらのデータを使って3D復元してみました。たとえば、紫外線データから復元部と元画像部の表面微細構造情報を生成してみたり、測光線データから3D形状を作り…という具合にして、WebGL対応ブラウザで眺めることができるルーブル美術館所蔵"Lady Praying"を作ってみました。
ちなみに、試しにタブレット(iPad mini)で3D表示をしてみるとこんな感じです。たとえば、側光線写真(Raking Light Photograph)っぽく横から光をあてつつ眺めてみたりすると(その照明状態に応じた表示になっています)、美術館ではなかなか感じることが難しい立体形状を感じとることができたりするかもしれません。
2019-01-19[n年前へ]
■『誰かが江戸で手にした浮世絵を「自分の手の中」で甦らせる!』
「ソフトウェアデザイン 2019年2月号」が発売されました。その号中に、4ページの製作解説記事として『誰かが江戸で手にした浮世絵を「自分の手の中」で甦らせる!』を書きました。先週、まさかのまさかの偶然で、図書印刷沼津工場の小森UVインク機で出力工程を眺めてしまった「あのページ」です。
今回の話は、印刷機と少し似た、浮世絵を題材にしたレンダリングで遊ぶ話。昨年11月に、フランスから訪日した色彩研究者に付き添いつつ東京藝大に行って、「北斎の波描画(のある部分)で使われた顔料を知りたい」という会話に立ち会ったことがキッカケで書いてみた、そんな「見た目」を再現するIT技術に関する記事です。