2005-06-20[n年前へ]
2005-07-18[n年前へ]
■「加速度センサ」で「人に迷惑な電車男」
東海道新幹線「こだま」の揺れを加速度計測してみよう です。
電車男と言えば、映画は、何とも上映時間を長く辛く感じ、エンディングの音楽も今ひとつ(私の)ツボにはまらず、…でした。だけど、テレビの「電車男」は音楽(TWILIGHTとか)まさにツボなので、音楽だけを繰り返し聞いています。
2005-07-19[n年前へ]
■「加速度センサ」で「人に迷惑な電車男」
東海道新幹線「こだま」の揺れを加速度計測してみよう
最近は出張が多く、東海道新幹線に頻繁に乗っている。東京・品川・新横浜と三島の間を週に三・四回は往復し、往復二時間ほどの道のりを新幹線の座席で過ごしている。
右の地図を眺めると一目瞭然なのだが、東海道新幹線の東京から三島までは、観光地が続く。例えば、小田原駅からは小田原城がよく見える。小田原の手前に始まり熱海までの車窓からは、相模湾も見通すことができる。そして、箱根を過ぎると伊豆半島や駿河湾が見えてくる。
しかも、そんな綺麗な景色を眺めながら、ノートPCのキーボードを叩き、ちょっとした計算や文章書きなんかをすることもできたから、新幹線の中はとても快適で有意義で快適な時間だった。綺麗な景色を眺めながらノートPCのキーをパチパチ叩いていると、何だかいつもより自分自身の頭が冴えわたってくるような気がしたりしていたり(あくまで単に「いつもより」、だ)、自分の手元のノートPCもいつもより速く、まるで超高速の特別仕様であるかのごとく、キビキビと素早く反応するように感じたりもしていたのである。つまりは、以前は新幹線の中というのはとても快適な空間だったわけである。
ところがある時期から、新幹線の中での文章書きがとても辛く感じるようになった。列車の「ガタガタとした揺れ」が妙に気にかかるようになって、新幹線の中のPC作業が苦痛に感じるようになってきた。そして、時を同じくして、それまでキビキビと動き、まるで超高速のシャア専用特別仕様のようなノートPCが何だか反応が鈍いダメダメ「のび太クン」になってしまったのだ。その結果、新幹線の座席に座って過ごす時間が快適どころか、苦痛に感じられるようになってしまったのである。
その「新幹線の揺れを私が気にするようになり、ノートPCも反応も遅くなってしまった」タイミングがいつ頃だったかを考えてみると、それは東海道新幹線に品川駅が新設され、さらに「こだま」に100系電車の代わりに300系電車が使われるようになった頃だった。つまり、駅が新設されて運行テーブルが大きく変わり、列車も揺れる300系列車に変わったために、実際揺れが激しくなったのである。そのせいで、「ガタガタとした揺れ」が気にかかるようになったわけだ。しかも、それだけでなく、その頃ノートPCを買い換えた。加速度センサを搭載し、加速度変化( =揺れ・落下)を検知するとハード・ディスクのヘッドを待避させ読み書きを停止する「アクティブ・プロテクション・システム」を搭載しているThinkpadを使い始めたのである。そのため、新幹線が揺れるとノートPCのハードディスクが停まってしまい、超高速の?PCがとても反応が鈍い「のび太クン」に変身してしまった。その結果、文章書きなどをスムースに行うことが難しい環境になってしまったのである。
しかし、そう文句やグチばかり言っていてもしょうがない。Thinkpadが加速度センサを内蔵し、揺れを検知してPC作業ができなくなってしまうのであれば、その加速度センサを利用して、逆に新幹線の揺れを調べてみることにしてみたい。そして、「快適な新幹線の移動環境はどのようにすれば手に入るか?」を考えてみた。
まずは、Thinkpadの加速度(傾斜)センサ値を読み取るアプリケーションを作ってみた。そして、いつものように三島で新幹線に乗り込んだ。最初は、席が結構空いているように見えたのだが、それはその列車がグリーン車両だったからで、指定席車両さらには自由席車両へ移動していくと実際にはかなりの混雑した状態で、最終的に一番端の1号車まで移動しようやく空席を見つけた。1号車でも結構込んでいて、空席はほとんどなかったため三人掛けの真ん中の席に座わり、座席の前にテーブルを拡げた。そして、その上にThinkpadを置いて、10ms間隔でひたすら加速度データを素早くとり始めた。混雑のせいもあり、「ナニしてんだコイツ? そのテーブルに拡げたPCを使うのか使わないのかハッキリしろよ」という周りの目が妙にキツかく、ついテレビや映画の中の電車男のようにオドオドと「すみません。すみません」とつぶやきながら、それでも勇気?(というよりは単なる迷惑な非常識)を振り絞って何とかデータをとってみた。
その(周りの視線に耐えた)苦労と勇気の結果が次のグラフである。「鉛直に対する傾斜角(の絶対値)の時間変化」を示していて、横軸は「時間」・縦軸は「鉛直に対する傾斜角(の絶対値)」を示している。ちなみに、このグラフでは時間軸は「右から左に50分ほどの時間」を示している。つまり、(一番右端の)三島をスタートし、50分弱後に品川に到着するまでの揺れの記録である。
鉛直に対する傾斜角(の絶対値)の時間変化 |
三島から品川まで |
このグラフを見ればわかるように、「三島→新横浜」の全区域にわたって揺れが激しい。特に、赤丸で囲ったあたりは最悪である。激しくガタガタと揺れていて実験を中止しようか、と思うくらいなのだ(何しろデータのとりこぼしがないように、ハードディスクの保護機能を切ってあるのだから)。それに加えて、新横浜での停車前には席を立つ人なども多く、そのためテーブルを固定している座席もガタガタと揺れスパイク・ノイズが入ったり、さらには私の隣の人も「新幹線の中でPCを拡げてるクセにそれをいじろうともしない迷惑なヤツ(=私である)」を邪魔そうに見ながら降車するため立ち上がったため、「すみません。すみません」とまたしても電車男のようにつぶやきながらThinkpadを抱えて避難したりしていたのである。新横浜前(グラフで言うと、新横浜の右辺り)で細かく強い揺れが生じているのはそんな情けない「電車男」が原因なのである。
そして、揺れが激しいようすは、「時間 v.s. 周波数解析」を短時間フーリエ周波数解析で行ってみると、さらによくわかる。
「時間 -周波数応答」の解析結果 |
紫色が振動が強く、(背景と同じ)青色が振動が弱い |
このグラフは横軸が(先ほどと同じく)時間を示し、縦軸が生じている振動周波数を示し、色が各領域の振動の強さを示している。このグラフを見れば、「三島と熱海の間全域」「熱海を出てから5分間程度の区間」「小田原を出てから5分間程度の区間」の揺れが激しいことを見てとることができる。そして、ちょうどそのエリアで私は列車の「ガタガタとした揺れ」が気にかかるし、Thinkpadも反応が鈍い「のび太クン」になってしまうのである。
ということは、私は加速度センサ付Thinkpadを抱え、新幹線「こだま」の車両の色んな座席に座り、どの座席の揺れが一番少なく快適であるかを調べてみれば良いわけだ。せっせと、色んな席でデータ採りをしてみれば良いハズなのである。そうすれば、「快適な新幹線の移動環境はどのようにすれば手に入るか?」が明らかにできるハズである。
…しかし、正直言って、今回のデータ採りはツライのである。「ナニしてんだコイツ?そのテーブルに拡げたPCを使うのか使わないのかハッキリしろよ」という周りの乗客の視線に耐え、そして「すみません。すみません」とつぶやき続ける電車男のような一時間を何度も何度も繰り返すのはイヤなのである。私が新幹線に乗る時間帯は、いつだって車両は結構込んでいて、真ん中の辺りの車両には空席はないことも多い。、そんな中で使いもしないノートPCを拡げて、周りの乗客の迷惑そうな視線に突き刺されながら実験を繰り返すのはツライのである。
…そこで、格安のこだま号専用グリーン回数券を買い、いつでもガラガラに空いているグリーン席でデータをとってみたのである。その結果が次のグラフである。ちなみに、このグラフは横軸の時間軸が「左から右」という向きであるということ以外は先ほどまでのグラフと同じだ。
東京から三島までの「グリーン車」 |
鉛直に対する傾斜角(の絶対値)の時間変化 |
「時間 -周波数応答」の解析結果 |
もちろん、新幹線が走行する方向も違うし、車両位置も違うのだが、揺れのようすが全然異なることがわかると思う。「新横浜と小田原の間の区間」はちょっと揺れるが、それでも先ほどのグラグラガタガタ状態に比べれば、快適そのものだ。
…それにしても、ガタガタ揺れる新幹線をJR東海に直して欲しいような気もする一方で、少し我が身を振り返ってみれば列車の座席でノートPCを広げて、作業をしている私もそもそも間違っているような気もする。なんだか、ちょっとゆとりがないように思えてしまう。反省も込めて、今度は東海道線の各駅停車列車に乗って、往復4時間(4500円)の出張でもしてみることにしよう。グリーン車両での往復9800円との差額で少し贅沢な駅弁と(発泡酒でなくて)ビールでも買って、ガタガタと列車に揺られてみることにしようか。
2005-07-27[n年前へ]
■問題編「死刑か無罪」のクジを引く
昨日、同僚や他社の仕事仲間が「(彼らが)今ひとつ納得できないという確率の話」をし始めました。それは、割に有名な話なのですけれど、ちょっとアレンジしてみるとこんな話になります。
あなたは裁判の被告人で、「死刑」か「無罪」かを決められようとしている。
なんとも恐ろしいことに、その裁判では「死刑」か「無罪」を三本のクジで決めるのである。そして、二本のクジには「死刑」と刻まれていて、残りの一本には「無罪」と書いてある。つまり、1/3の確率であなたは「無罪」になるが、残りの2/3の確率であなたは「死刑」になってしまうのだ。あなたは一本クジを選び、そしてそのクジがあなたが「死刑」になるか、「無罪」になるかを決めてしまうのである。
ついに、あなたは運命を天に任せ、一本のクジを手に持つ。そして、そのクジを引いて何と書かれているかを知ろうとした瞬間、残りの二本のクジの一本を横から他のアセった被告人が引いてしまった。そして、そのクジには「死刑」と書いてあり、そのアセった被告人は死刑台へ連れていかれていった(実は今回の物語では神=ストーリーテラーの私が彼の運命を決めていて、彼は必ず死刑を選ぶのだ) なんと…恐ろしい運命だろう。 さて、この次の瞬間、あなたはどうすべきだろうか。
今、手に持っているクジをそのまま引くべきだろうか?それとも、手に持っているクジから手を離し、残っているもう一本のクジを選ぶべきだろうか?それとも、アセった被告人が存在しようがしまいが、残った二本の文字が書き換わるわけではないのだから、その二本のどちらを選ぼうがあなたの運命が変わるわけもなく、あなたは1/2の確率で「死刑」か「無罪」かが決まるのだろうか?というわけで、とりあえず問題編を新幹線の中で書いてみました。問題の主人公の気持ちになって、あなたなら「どんなクジの選び方」をするかを考えて決めてみましょう。「死刑」か「無罪」かのクジを選んでみましょう。さてさて、
2005-07-28[n年前へ]
■問題編 私はホントにAIDSなの…?という話
台風を迎えようとしていた月曜日、職場で昨日の話が出た後、話題は次の話に移っていきました。こちらも有名な話です。というわけで、今日もグラグラ揺れる新幹線こだまの中で書いてみます。
「最近は日本でも若年層の間にAIDS感染者が増えているって言うじゃない?日本人全体なら、一体どのくらいの感染率なんだろう?」「うーん、1000人に一人くらいじゃない?」
「じゃぁさ、AIDS検査が99%の確率で正しい診断結果を出すとしようか。もしもAIDS感染者100人がその検査を受けたら、99人は正しく-陽性-と診断されるけれど、残念なことに1人だけは間違って-陰性-と診断されるわけ」「逆に、AIDSに感染していない100人がその検査を受けたら、99人は正しく-陰性-と診断されるけれども、不幸なことに1人だけは間違って-陽性-という結果が出るわけだよね」
「そのADIS検査で-陽性-と診断された人たちがもちろんいるわけじゃない?その人たちが本当にAIDS陽性である確率ってどのくらいだと思う?」その場では0%〜99%まで色々な答えが出ました。ちなみに、0%の人は「自分には全然身に覚えがないから」と言った「極めて主観的に考えた」人です(なんか主題と話がかみあってないような?しかも、全然身に覚えがないっていうのも何だか…)。というわけで、その場の話題は「私はホントにAIDSなの…?という話」へ向かっていったわけです。話の発端は「画像圧縮の基礎知識」のハズが、いつの間にかそんな話に流れていったのです。