hirax.net::Keywords::「日露戦争」のブログ



2005-10-10[n年前へ]

秋山真之と児玉源太郎 

 旅先で、一年近く前の「歴史街道」を読み直している。日露戦争の前後の秋山真之と児玉源太郎を特集した号だ。何度読み直しても、面白い。

秋山真之と児玉源太郎に共通する特徴として、戦場の戦闘行為だけに目を奪われないということがあります。秋山は、ロジスティックス、つまり戦争の支援業務が重要だといっていますが、児玉はもっと広くて、戦争を総合的にとらえる視点をもっていました。たとえば、戦費調達のための外債公募がうまくいくようにと、日露戦争の緒戦(初めの頃の戦い)で目立つ戦果をあげるべく作戦を考えている…
 「イノベーションのジレンマ」「ピーターの法則」などに興味が惹かれた人であれば、100年以上前にアメリカ留学を経た秋山真之や児玉源太郎のことを読んでみるのも面白いはず。あるいは、「歴史街道」のこの号を騙されたと思って手に入れてみても、損はしないかも…。

2005-12-30[n年前へ]

「個人主義」の前提 

まだまだ続く「破り取ってポケットに入れたページ」の一枚が、「名将ファイル 秋山好古・真之

「個人主義」の前提は、「人間は強く賢明かつ無欲で勇敢」と考えることである。しかし、日本軍は「人間は弱く、はかなく、欲張りで怖がり」との認識のもとに日清・日露戦争の間に戦友システムや将校の原隊制度を定着させた。この考え方は、日本社会に「仲間主義」を植えつけ、国力発展に大きく寄与することになったのだ。

2008-04-16[n年前へ]

「二百三高地/八甲田山」と「ドラクエ3 黄金の爪取っちゃった状態」 

 大変な状況を表現する時、どんな言葉を使うだろう?たとえば、イライラするクライアントのもとに何人かで立ち向かわなければならない状況で、あなたなら、どういった言葉で「そんな状況を」描くだろう?

 ある時、「まるで、二百三高地か冬の八甲田山みたいな状況だよね、これ」と、30歳ほどの人に囁くと、「えっ、何ですか、それ?」と言われショックを受けた。そこで、二十~三十歳くらいの人たちに聞いてみると、誰も二百三高地八甲田山を知らない、という。

 「それなら、どんな言葉がピッタリくる?」と聞いてみると、「うーん、バイオハザードのラクーン・シティでケルベロスが出てきた感じですかねぇ」という。

 今度は、逆に……全然わからない。そこで、さらに「他には何か表現があったりしない?」聞いてみると、「あっ、ドラクエ3で、黄金の爪取っちゃった状態ですね!」ということになった。その言葉が出た途端、若い人たちはみな「そうそうそんな感じ」と納得しあっている。ドラクエ3 黄金の爪取っちゃった状態……って、どんな状態だったっけ……?

 結局、40代~30代~20代のどの世代でも納得できる言葉は「デスマーチ」だということになった。日清~日露戦争とドラクエ3とバイオハザードが、そんな言葉を鍵にして重ね眺め直してみるのも、一興かもしれない。歴史年表を広げながら、「この時は、そうドラクエ3 黄金の爪取っちゃった状態だったんだよ」というような自由な授業があったとしたら、少し聞いてみたいような気がする。

ホワイトボード






2009-09-06[n年前へ]

「酒税制度」の「シミュレーション分析」 

 「バッドなライフスタイル」と「バッド課税」な時代になるかもしれない、だから、・・・というわけでもないが、「酒税制度改革のシミュレーション分析」(リンク先は.DOCファイル)という論文を読んだ。これが、なかなかに面白い。論文の主題は、酒税改革が、(所得階級別の)家計に対しどのような影響を与えるのかをシミュレーション分析した、というものである。その主題自体も、とても興味深いのだが、歴史的背景・現状などに対する解説が面白く、思わず文章に引き込まれてしまうのだ。たとえば、こんな具合だ。

 戦前ではビールは高級酒として認識されていたことが現在でも影響を及ぼして高い税率が課せられている。現在、ビールを高級酒として認識している消費者は少数派であり、アルコール度が低いという特性と飲みやすさから言っても大衆酒として認識されるほうが多数派であろう。

(2-1 酒税制度の変遷 より)
 「ビール」が高級酒だという意識はなかった。ウィスキーが銀座に似合うなら、ビールは新橋に似合う、そんなアルコールだと思っていた。

 あるいは、こんな一節にも、引きこまれてしまうに違いない。
 酒税は改革によっても内税であるということから消費者に関心があまり持たれないという欠点がある。この欠点について、吉田(2000)は、「酒税は、本来日清、日露戦争の戦費調達や官営工場の拡大等の財政需要の拡大のために、酒類消費の背後にある担税力と課税上の容易さに着目して課税されてきた」としている。

(2-1 酒税制度の変遷 より)

 この論文では、「年間収入五分位階級別(第1分位:低所得~第5分位)・1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格」やいくつかの仮定から、「所得階級別購入数量での酒税負担率」を算出していく。お酒好きな人なら、この論文をミステリ小説を読むのと同じように読んでみても、結構楽しめると思う。結論までたどり着いたあとの後味は、人それぞれ違うだろうが・・・。

2011-04-09[n年前へ]

「戦費調達のための外債公募」を上手く行うための作戦 

 国際戦略を考えさせられる時に、ふと、日露戦争の頃の(特に)児玉源太郎のことを思い出す。

 秋山真之と児玉源太郎に共通する特徴として、戦場の戦闘行為だけに目を奪われないということがあります。秋山は、ロジスティックス、つまり戦争の支援業務が重要だと言っていますが、児玉はもっと広くて、戦争を総合的にとらえる視点を持っていました。たとえば、戦費調達のための外債公募が上手く行くようにと、日露戦争の緒戦(初めの頃の戦い)で目立つ戦果を上げるべく作戦を考えている…。

秋山真之と児玉源太郎



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