hirax.net::Keywords::「目から鱗」のブログ



2003-01-23[n年前へ]

両手は聴衆の視線の地平線 

 ご存じの方はご存じのアレとは少し違うかもしれないが、今日もいつものようにグリグリ〜としたプレゼンをしてみた。朝通勤途中の車の中でポリスのシンクロニシティコンサートのLIVE CDをガンガンにかけていたので気分はスティングで、相手が誰でもとりあえず関係ないのである。いつものように、頭の中で「ステージの上では私は女優(あっ、男優か)よ」と誰かが囁くのである。というより、性格的にそうでも思わないと大勢の人に喋るなんてやってられないのである。
 で、まるでシンクロニシティのようにhardでloxseな日々経由で作品をよく見せるためのお手軽なテクニック集なんかを眺めてみた。これは、なかなか面白い。「個性的な人の顔写真を使うと安易に笑いが取れる」なんていう、一件クダラナそうに見えることこそ、特に参考になるような気がするのである。
 そうえいば、これまでに受けたプレゼンの研修の中で一番心に残っているのがこんな言葉だ。「オマエの両手は聴衆の視線の地平線だ」「つまり、聴衆はオマエの両手より下は決して見ないものだ」「ということは、両手を肩の高さ辺りでキープしておけば、聴衆はオマエの顔から目をそらせなくなるし、聴衆の視線の位置だって自由自在にコントロールできる」「だから、腕は胸の高さより下げるな」「聴衆の視線をコントロールするる努力を惜しんではいけない、絶対に」
 というわけで、私はこれ以降プレゼンの姿勢はスキーと同じだと思うことにしたのである。スキーで滑っているときに、腕が下がっているスキーヤーはスキーが下手なのと同じように、プレゼンテーションをしている時に腕を下げている発表者はプレゼンが下手なのだ。この「両手は聴衆の視線の地平線」という言葉には本当に目から鱗が落ちたのだった。

2003-03-22[n年前へ]

ファミコンの謎の一つが今明らかに 

 色々なシミュレーターを見かけることもあるし、自分で作ることもある。が、このシミュレーションというかエミュレーションには「目から鱗」だったのである。というわけで、その「目から鱗」のエミュレーションがこの「ファミコン"カセットずらし"をエミュレートしてみる
 「電源が入ったままのファミコン本体からカセットを少しだけ引き抜いて、マリオを地中奥深くに落としたり、見えていないはずの金塊の場所が判ったり、ドラクエでまだ行ったことのない場所に移動できたり…」といったナゾの発生過程を実証したモノなのである。素晴らしいのだ。

2003-07-04[n年前へ]

門で区切るか土で区切るか 

 閾値を「しきいち」と読むか、「いきち」と読むか、というF&F掲示板の話題。その中で、「閾」と「域」の違いを「漢字のつくり」から、「或(ある)」もの門で区切るか土で区切るか、という受け取り方に目から鱗の新鮮さを感じたのである。

2003-11-26[n年前へ]

今日の感動トリビア「宇宙までの距離は東京・熱海間と同じ」 

 垂直距離を水平距離に変換するという新鮮な発想。しかも、東京からタクシーに乗ってそれぞれの位置で「ここはどの高さに相当するかを説明する」というとても「目から鱗」の仕方。
 「水平思考から垂直指向への変換」なんて昔良く聞いたフレーズだけれど、この「垂直距離を水平距離に例える」というのはとても面白い。そして、私たちがいかに重力に支配されて、地面に押さえつけられているかを感じることができる。10km走るのは簡単だけど、10km空に登ることは私たちにはできない。

2004-07-22[n年前へ]

GRAPHICATION 働き方を考える 

 GRAPHICATION(グラフィケーション)は富士ゼロックスの広報誌である。といっても、ありがちなつまらない企業広報誌ではなく、とても読み応えある雑誌だ。無料で購読することができるので、購読していないという人にはぜひ購読申し込みをすることをお勧めする。

 今月のグラフィケーションの特集は「働き方を考える」というものである。二十代後半過ぎ〜五十代くらいまでの人はきっととても興味深く読むことができると思う。また、少し面白いのが、稲葉振一郎/玄田有史・中村達也・太田肇・中沢孝夫・杉村和美らによる特集記事だけでなく、天文学者 池内了のような連載陣も「働き方を見直す」というような特集テーマに対応した内容を書いていることだ。その機動力は少し驚きだ(池内了の対応力がすごいのかもしれないが)。

 特集記事の冒頭、経済学者の稲葉振一郎と玄田有史の対談は、現在の社会背景(IT、若年層の失業 等)を踏まえながら、内容の濃い、けれど読んでいてとても面白く目から鱗の話を語っている。

世の中には二つのタイプの研究者がいる。理路整然と嘘を言う研究者と支離滅裂だけど真実を言う研究者がいる。 川喜多喬
 こんな、興味を惹く言葉がこの対談にはたくさん詰まっている。また、さまざまな「IT化に伴う虚言」に対する対話内容も面白いのだけれども、「経済学とはどういう学問ですか?」と問われて、経済学者の石川経夫が答えた内容が実に心惹かれる。
この世は不公平なものだが、それぞれが努力すればそれに見合ったものをみんなが得られるようになる社会をどうすれば実現できるだろう、ということを愚直なまでに考えるのが経済学だ。 石川経夫
 また、石川経夫の「人格」という言葉に異を唱えて「人間に格はない」と言ったという一節も実に興味深い。「格付け」をしたがる自分たちを顧みると、目から鱗の言葉だ。

 ちなみに、天文学者 池内了が連載「現代科学の見方・読み方」の中で語る「忙しさが増す中での時間を作り出す四つの方法」は
 1. (便利そうに見える)テクノロジーは敬遠する
 2. 出張の際はマイペースに過ごす
 3. 何かに専念する日と専念しない日に曜日を分ける
 4. (信頼は得た上で)異端者になる
である。「(信頼は得た上で)異端者になる」という項目は面倒な仕事を増やしすぎないためには、とても効果的かも。実際にやろうと思うと、なかなか難しそうだけれども。



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