2006-10-11[n年前へ]
■そもそも経済学の「目的」って何なんですか?
「そもそも経済学の「目的」って何なんですか?」を書きました。今回は『分数ができない大学生』などの著書を持ち、元日本経済学会会長でもある西村和雄京都大学経済研究所教授に「経済学の目的」「みんなの意見」「ソフトウェアの値段」ということについて聞いてみました。
「事実上“標準ソフト”により阻害されるようなものは、所詮"小さな技術進歩"に過ぎない」というフレーズが、ふと新鮮で面白かった瞬間です。
すべてについて優秀な人がいたとしても、その人のやれる仕事はひとつだけです。1番目の人ができないことを2番目の人が…と巡っていけば、1番“できない”人だってやることがあるわけです。広く勉強をしていればね。
「ひとつ」を選ぶことが選択というものであるなら、選択肢が増えるということは、「選べない選択肢」が増えていくということでもあるんだな、とふと感じました。
2006-10-20[n年前へ]
■色彩快適度の計測器
「色彩に対する人間の心理特性に基づき、色彩環境の色彩快適度を計測する」というカーラーコンフォートメータ。産業技術総合研究所とアドバンストシステムズ株式会社によるもの。産業技術総合研究所のプレスリリースを見る限り、アルゴリズムは「同系色が多いほど、快適。彩度が低いほど、快適」という具合。
2006-11-08[n年前へ]
■「給料格差は経済学で説明できますか?」
「給料格差は経済学で説明できますか?」が公開されました。今回は、『仕事のなかの曖昧な不安』『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』などの著書をもち、最近では「希望学プロジェクト」を行っている東京大学社会科学研究所の玄田有史助教授に、「経済学の成果」「格差」「明日」ということなどを聞いてみました。
今日と同じ明日を保障するのは、もしかしたら経済政策なのかもしれないと思います。けれど、今日より明日をプラスアルファだけいい日にするのは、それは本人だと思います。
2008-01-29[n年前へ]
■"We have learned to live with this stupidity"
1925年に生まれた 菊池誠が1990年に書いたのが「若きエンジニアへの手紙」(ダイヤモンド社)だ。65才になった半導体研究者の著者が、若きエンジニアに対し、真摯に優しく語りかけるように言葉を重ねた本だ。時が過ぎて、企業の中央研究所や大学の姿が変わっていったことを考えれば、この「エンジニア」という言葉は、今では、もう少し「研究者」寄りととらえた方が良いかもしれない。
この本はとても良かった。「若きエンジニア」という部分で、手に取ることをためらう中年エンジニアや研究者もいるかもしれないけれど、65才になった優れた著者が言う「若き」なのだから、どんな年齢でも、恥らわずに手にとって読んでみるといいような気がする。
たくさんの文章をメモしたけれど、20ページ目にある「トランジスタの父」ショックレーの論文の一部をここに書き写そう。
“What I say about myself-and I am sure most creative people would say the same thing is that, when we look at how long it took us to get certain ideas, we are impressed with how dumb we were- on how long it took us, and how stupid we were. But We have learned to live with this stupidity, and to find from it what relationships we should have seen in the first place. This recongnition that we aren't perfect but that persistence pays is a very important factor, I think, in giving one the "will to think"-you don't need to worry so much about the mistakes you make.