2000-03-02[n年前へ]
■掌サイズのゲームセンター
20年前をポケットに入れて
前に
で - CASIOのE-55に「英語技術文献の日本語要約 」を入れて持ち歩こう - という話題を書いた。そして、そのラストはこのボディーの中に1995-1999のScienceのアブストラクトが詰まっているのである。であった。
あと、ゲームも…
今回は、同じくPalmsize-PCで「ゲーム」をして遊んでみたい。しかし、そんなことを言うと「ゲームをするだけなのに、何故そんなにエラそうな口調なんだ」、と突っ込む人もいるだろう。そう言われたら、言い返す言葉もない。「ハイ、その通りです」としか言いようがない。
しかし、私はゲームをほとんどしない。いや、最近は全くしない、と言っても良い位だ。だから、ゲームをするのにも、覚悟がいるのである。
そしてもう一つ、自分ではしないゲームをしようと思ったのには、ちゃんとした理由がある。簡単に言えば、Palmを見返したかったのである。つねづね、世の中でもてはやされるPalmを見るたびに口惜しかったわけだ。
私の周りにはPalmを使う人が多い。その人達は、「Palmは沢山ソフトがあって良いよ。」とか、「Palmsize-PCってPalmのバッタもんちゃうの?」とか言うのである。もちろん私も、世の中の流れがPalmsize-PCでなくて、Palmに向かっていることも感じてはいる。しかし、私はアマノジャクなので、「みんなが持っているPalmを買うのは面白くない」と思い、Palmsize-PCを買っているわけだ。
しかし、そんな私にPalmユーザーは「やっぱ、世の中多数派に限るよ。」とか言うわけだ。しかも、根っからのMacユーザー(&Palmユーザ)であるにも関わらずそんなことを言う人さえいるのである。いつもは、「WindowsユーザーってMacユーザーに冷たいよなぁ。」とか、「良いものは所詮、少数派なのさ。」と言い合っているのにも関わらず、そんなことを言うのである。「少数派の誇りはどうしたぁ」と言いたくなる。しかし、これまではじっと我慢の子であったのである。
そして、そんな私にPalmユーザーは楽しそうなゲームソフトなどを見せつけるのである。いや、もちろんPalmsize-PCにもそういうソフトはちゃんとあるわけであるが、どうも数から言うと負け気味だったのである(数えたことないけど)。
そんなわけで、Palmsize-PCで沢山のゲームソフトが動く、というのが私の夢だったのである。そして、それをPalmユーザーに見せつけるのが、私の夢だったのだ(なんとも、小さい人間ではあるが…)。しかし、これまではそれは単なる夢だったのだ。
しかし、最近
- MameCE ( http://www.mamece.com/ )
- MAME ( http://www.mame.net/ )
というわけで今回の話は、私の周りのPalmユーザーに捧げたい。「Palmsize-PCで数え切れないゲームを動かしてみる」という話なのである。「こんなにゲームが動いてしまって良いのかしら?」という話なのである。
それでは、その画面を見せつけてみたい。私の好きだったゲームを動かしてみるのだ。掌サイズのゲームセンターを実現するのである。
それが、以下の写真である。これはCASIO E-500でMameCEを動かしている画面である。まずは、シューティングゲームの両雄、「スペースインベーダーとギャラクシアン」である。
そして、次がパックマンと後の有名人マリオのデビュー作でもあるドンキーコングだ。パックマンの画面の面白さは実に素晴らしい。
しかし、こうしてみると私が気に入っているゲームは実に古いゲームばかりだ。ROMに書かれている制作年を示すと、
- スペースインベーダー 1978年
- パックマン 1980年
- ドンキーコング 1981年
- ギャラクシアン 1981年
こうしてみると、時の流れはなんて速いのだろう。ビックリしてしまう。いつの間にか、年をとってしまったのである。
しかし、そうそう驚いているだけではマズイ。そんな「早い流れゆく時の中を、軽やかに駆けめぐりたい」と私は強く思うのである。「Palmユーザーと張り合っている場合ではない」のである。少し、後悔である。どうも、私は「後悔先に立たず」というのが多すぎなのである。
というわけで、「流れゆく時の中を軽やかに駆けめぐりたい」という気持ちを示すために、1982年の作品である「タイムパイロット」を最後に示して終わりにしよう。時間の流れの中を飛行機で飛び回るのだ。BGMは10年経っても古さを感じさせない、そう「浪漫飛行」なんか良い感じだ。
トランク一つだけで 浪漫飛行へIn The Sky 飛びまわれこのMy Heart 時が流れて… |
この画面の真ん中にいる飛行機 - 時を駆けめぐる飛行機 - を操縦する「タイムパイロット」がぼくらだ。そして、「タイムパイロット」は自由自在に時の中を駆けめぐるのである(もし、上手ければね。あぁ、また撃墜されたぁ…)。
2000-11-19[n年前へ]
■間違いだらけのカラープリンター選び
もういくつ寝るとお正月
今年はずいぶんと夏が長かった。もう11月になっているにも関わらず、ほんの数日前まで少し暑いくらいでは夏の終わりといっても良いような天気が続いていた。ところが、数日前に急に寒くなった。もう正真正銘の冬が訪れたようである。
冬が始まり今年もあとわずかとなれば、安いインクジェットのカラープリンターが飛ぶように売れる季節だ。もちろん、家で年賀状をせっせと印刷し始める人達が多いからである。安いカラープリンターを買って、家が小さな小さな印刷工場に変わるのである。それはまさに家庭内手工業だ。
家庭内手工業という響きを聞くだけで、誰しも「安い賃金で汗水流す家族」が頭の中に浮かぶことだろう。もちろん、この正月を控えた「小さな小さな印刷工場」もその例外ではないのである。子供が家にいる家庭であれば、子供達に宛名書き(最近なら宛名入力か?)やプリントアウト作業をほとんどタダのような賃金でやらせている親は多いのである。例えば、一枚プリントアウトするごとに10円というくらいの賃金で子供に作業をやらせていたり、それどころか一枚数円位の賃金体系の家庭だってあるハズである。それは、企業が安い賃金で雇える労働力を求めてアジア・アフリカ諸国へ工場を移していくのと瓜二つである。
実際のところは、子供の方も「そんなタダのような賃金」でも何も考えずに喜んでやるとは思うのだが、親からすればそれは実に便利なパシリなのである。もちろん、そのタダのような賃金の値上げを求めてスト決行する子供がいても面白いと思われるかもしれないが、そんな向上心溢れる子供達には親から教育的指導がすかさず入ってしまい、賃金値上げはそうそう行われるわけはないのだ。現に私も幼い頃にはそんな内職をしていたわけだが、少しは知恵がついて向上心に突き動かされ(もう少しおゼぜが欲しくなって)
「アンタ以外にも働きたい人はいるの。」
話が脱線した。とにかくこの時期には、年賀状印刷のためにカラープリンタの購入を考える人達は多く、プリンター関連の情報が集まる場所、例えば
などのような場所では、「プリンターは何が良いですか?」とか「エプソンとキヤノンとhpのどのプリンターが良いのでしょう?」というような質問を数多く見かけるようになる。そして、その質問の中でもよく登場するカラープリンターがこの二機種である。エプソンPM900CとキヤノンF870だ。もちろん、もうひとつメジャーどころとしてhpもあるわけだが、写真画質を重視していないのと、日本ではまだそれほど強くないこともあって、年賀状プリントなどの用途ではあまり選択肢には入らないようである。http://www.i-love-epson.co.jp/products/ printer/inkjet/pm900c/img/pm900c.jpg | http://www.canon-sales.co.jp/ Product/BJ/img/f870.jpg |
この二機種はパンフレットも何か対照的で、少なくとも私はキヤノンF870のパンフレットは好きではない。夏までのラルクを表紙にあしらったパンフレットの方がずっと華やかで良かったと思う。寸前までGlayを使う予定だったのに、わざわざラルクに変更したというくらい(名前を考えれば実に賢明な選択である)だったのに何故「黒ずくめ」の中田に変えたのだ…
まぁ、そんな気持ちはさておきパンフレットを眺めていると、あることを確かめたくなった。それは、エプソンPM900Cの売り文句の一つである"EpsonNatural Color"である。エプソンのWEBの情報によれば、
エプソンのカラー技術が目指すべきもの。それは、ナチュラルな色の再現でした。新カラリオは、モニタ上の色域制限(sRGB)にとらわれずに、自然界の色により近いカラープリントを実現する新画像処理技術「EPSONNATURAL PHOTO COLOR(エプソン・ナチュラルフォトカラー)」を搭載。モニタに映る色ではなく、あくまで人の目に映る自然の色をプリントすることにこだわりました。写真に収めた美しい思い出を、あの時の感動を、カラリオなら記憶のままに忠実に再現。と書いてある。つまりは、「CRTモニタや液晶モニタでは出ない色(の一部)をPM900Cでは出力するようにしましたよ」ということである。「これまではモニタで見た色と同じような色を出力するようにしていたから、モニタで出ない色はプリンターでも出力していなかったのだけれど、モニタと同じでなくても自然の生の色に近い方を出力するようにしましたよ」ということだ。ビールも色も「生」に限る(byわきめも)わけで、結構カッコ良い割り切りかたである。あくまで「人の目に映る色」がホントの色で、「モニタ上で表されるRGBの色」なんかニセモノなのだぁ(少し大げさ)、という主張が込められているようで面白いと思う。「モニタで確認した色が出ない」とか言われることはもう覚悟の上なのだろう。
といっても、エプソンPM900Cがホント〜にそんな出力をしているのかどうか、実際に確かめてみなければよく判らないだろう。といっても、私の家には実はプリンターは一つもない(家でプリンターを触るのはちょっとイヤだから)ので「実際に」確かめるわけにはいかない。そこで、
の時と同じくプリンタードライバーが使う、「カラープロファイルファイル」の中を覗いてみることで、それぞれのプリンターが出力する色の範囲を調べてみることにした。出力できる色空間が広いことを謳うPM900Cがホント〜に多くの色を出力できるかどうかを確かめてみるわけだ。「実際に機械を使わずしてどうするのか」と言われるような気もするが、ネットで手に入るモノだけを使ってプリンターの性能を推理してみるのもたまには良いのではないだろうか。 というわけで、エプソン・キヤノン各社のドライバーをダウンロードしてきて、それぞれのICCファイルの中に書かれている出力可能な色空間をab平面で表したのが次の結果である。
この結果を見ると、確かに若干ではあるがPM900Cの方がF870よりも出力できるab色平面が広いように見える。といっても、この図では見づらいと思うので、この二つを重ねて、
- PM900Cの方だけが出力できる範囲を白
- F870の方だけが出力できる範囲を黒
ナルホド、確かにエメラルドグリーンというような色の辺りでPM900Cには出力できるけど(少なくともICCファイル上は)、sRGB・F870にはその色は出せないという領域もあるようである。そして、さっきのパンフレットをもう一度眺めてみると、確かにその色をパンフレットのメインの色としてあしらっていることがよくわかるだろう(ホントかいな?)。このエメラルドグリーンの服は伊達ではないのである。黒ずくめの男を表紙に使ってるのとは大違いの素晴らしさである。
さて、もちろん言うまでもないと思うが、今回の色空間の広さ競争はまさに「間違いだらけのカラープリンター選び」である。何しろ、実際のプリントアウトをしていないのである。いや、もちろんこれらのプリンターを使ったこともちゃんとあるのではあるが、事情によりその出力結果はここでは言うわけにはいかないのである。きっと、それを書いたらX○△×(以下省略)
ところで参考までに、、写真画質がある程度固まった機種のエプソンのPM750Cと最新機種であるPM900Cの比較を比較してみた。PM750Cに比べて、着実にPM900Cの出力できる色空間が広くなっている。プリンターの技術の進化具合がちょっと実感できたりするのではないだろうか?(ホントかウソか知らないけれど)
ここまでテキト〜に書いてみたが、これを読んでいる人の中でホントにちゃんと選びたいというような人がいるのなら、何より自分で実際に使ってみるのが一番だと思う。そうすれば、自分の必要と経験に応じた機種が必ずや手に入るハズだ。あと、広告が入りまくりのPC雑誌の評価はあまり参考にならないと思うなぁ。
2004-10-07[n年前へ]
■「プチ整形」@中村うさぎ
週刊文春の「さすらいの女王」で中村うさぎが「三ヶ月で薬の効果が切れてしまう」プチ整形について書いている。「(若さに執着し続けるか否かの)選択の自由」と「(選択に伴う)自己責任」を、三ヶ月おきに突きつけられるのがプチ整形だと言う。
「若さと引き替えに、自らの欲望の重荷を、これからも背負っていく覚悟はあって?」「もちろんよ。それが私の選んだ生き方だから」
2006-01-17[n年前へ]
■ヒューザー小嶋社長の教典は梶原一騎の「巨人の星」
小嶋進 ヒューザー社長がテレビで「ぶッ倒れるにしても、前に倒れる覚悟です!」と言うシーンをテレビで放映していた。あぁ、梶原一騎は偉大なんだな、とつくづく思う。梶原一騎の世界にはまっている人がここにもいるんだな、と思う。
「ぶッ倒れるにしても、前に倒れる覚悟です!」という言葉は、「…死ぬときは、たとえどぶの中でも、前のめりに死んでいたい」という「巨人の星」の中のセリフに違いない。「巨人の星」の中で星一徹が飛馬に言う。「坂本竜馬はこういった。いつ死ぬかわからないが、いつも目的のため、坂道を登っていく。死ぬときは。たとえどぶの中でも前のめりに死んでいきたい…と」「つまり、かぎりなき目的への前進だ!たとえ、どぶの中で死んでも、なお、前向きで死んでいたいっ。…それが男だ!」…そして、星飛馬が大リーグボール3号を投げて左腕を壊すとき、やはりこのセリフを言う。「おれの青春を支配したこの坂本竜馬のことばにかけて、後退しての死よりも、前進しての死を選んだのだ」 しかし、この「坂本竜馬はこういった」というこの言葉の出典は、梶原一騎の「巨人の星」以前には遡れなかったという(堀井憲一郎『「巨人の星」に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。』)。「汗血千里駒」にも「竜馬がゆく」にも、…坂本竜馬を描いたどの本でもこの言葉は載っていないという。
ということは、梶原一騎がこの言葉をどこから引用した(作った)かはさておき、ヒューザー小嶋社長にとっての、「ぶッ倒れるにしても、前に倒れる覚悟です!」の原典は梶原一騎が描いた「巨人の星」なのだろう。もしかしたら、本人は「坂本竜馬」に影響を受けたと思っているかもしれないが、それは実は梶原一騎が描く「巨人の星」の中の星親子が語る「坂本竜馬」なのである。「巨人の星」の中で描かれた「坂本竜馬の言葉」がヒューザー小嶋社長の教典であるわけだ…。梶原一騎に影響を受けた「日本の男」はとても多いに違いない。
2006-07-16[n年前へ]
■「逃げる」という覚悟
Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女に「逃げる」という覚悟を書いてみました。…それにしても、すごい行動力です。いえ、「覚悟」でしょうか。
「逃げる」という言葉を最初に眺めたとき、ずいぶん消極的な言葉にみえ、意外でした。その違和感が消えたのは、しばらくしてスポーツ解説のテレビを眺めてた時でした。