hirax.net::Keywords::「アンプ」のブログ



1999-11-09[n年前へ]

埋蔵金を探せ 

電子ブロックで金属探知機を作りたい その1

 Yahoo!のオークションでこんなものを買った。オークションで落札したのは一つ(EX-60)なのであるが、あとから別口でもう一個(EX-100)手に入った。

電子ブロック (EX-60 & EX-100)

 手に入ったのはいいのだが、お金が飛んでいってしまった。困ったものである。さて、EX-60の拡大したところも示してみる。

EX-60でとある回路を作成中の図

 これを見て懐かしく感じる人も多いはずだ。少なくとも、私の職場ではかなりの比率(80%位か)の人がこれで遊んでいたようで、

「オレはマイキットだった。」とか、
「もっとずっと前のスケルトンになる前のを持ってた。」
「おもちゃ屋の店頭で欲しくて眺めてた。」
などと、声があがった。しかし、新入社員位になると、
「何ですか、これ?」
「欲しかったのに、買えなかったのですか?」
などと言う。ジェネレーションギャップである。いや、もちろん私と年がそんなに離れているわけではないのだが...

 さて、

などを見ると、色々と電子ブロックの情報が載っている。こういうWEB情報がすぐに眺められるなんて、素晴らしくて涙が出そうだ。

 私自身が持っていたものはSTシリーズというものだった。これは、EXシリーズよりも一世代前のもので、デザインなどはずいぶん違う。スケルトンと白・青を基調としたデザインで、今売り出しても人気が出るのではないかと思える。シンプルながらレトロ調なところがいい。しかも、「組み立ててその上面をそのままコピーすれば、回路図も出来あがる」という素晴らしいものである。素晴らしい開発環境である。

 自分で遊んでいた機種でないせいもあって、今回手に入れたEX-60,100を眺めていても、それほど懐かしいわけではない。私自身が遊んでいた機種は、手に入れたいとは実は思わない。昔見た夢は、リアルに蘇らない方がいい、と思うのである。昔埋めた玩具はそのままにしておく方が幸せなのである。

 ところで、「昔埋めたもの」と言えば埋蔵物である。ならば、「昔埋めた夢」は埋蔵金だろう。別に、「夢= 金」という切なくなるような等式を持ち出すつもりはない。別に、お金が飛んでいってしまったせいで、お金に目が眩んでいるわけでもない、と思う。しかし、埋蔵金は男のロマンである。埋蔵金のために人生を棒に振る人がいるというのも、当然である。何しろ、男のロマンなのだ。どこぞのTV局が発掘をしまくるのも、当たり前である。

 ちなみに私は埋蔵物発掘のアルバイトもしたことがあるが、それは正に「男の仕事」であった。知らない人が見たならば、それは土方にしか思えなかったろう。そのバイトの名前を知っている私にも、土方にしか思えなかった。埋蔵物探しとはそういうものなのである。

 埋蔵金が実際に発掘されることはほとんどない。それにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほど存在する。金は腐ることはないにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほどあるのだ。
 大体、どこの地方にも「朝日さす夕日輝く...」という言い伝えがあるはずだ。母と言えば垂乳根であるが、埋蔵金と言えば「朝日...」なのである。ただ、これにも多少のバリエーションがある。もしかしたら、そのバリエーションを探れば、蝸牛考ばりの考察ができるかもしれない。いや、本当にしてみようかな... それは、いつかやてみることにしよう。

 さて、埋蔵金情報を探してみる。すると、

  • TREASUREJAPAN ( http://www.bekkoame.ne.jp/~m1911a1/treasure/treasure.htm)
によれば、私の近所にも埋蔵金伝説は腐るほどあるようだ。自宅の窓から見えるあたりに、二つもある。具体的に挙げてみると、こんな感じだ。
  • 香貫の埋蔵金 N市上香貫、下香貫 -> かつて香貫一帯には九十九塚の古墳群があり、埋蔵金の伝承も残されている。「朝日さす夕日かがやく柿木の下に黄金千盃二千盃」。
  • 釈迦堂の埋蔵金 N市西野字霞釈迦堂 -> 愛鷹山の中腹にある釈迦堂に残る長者の黄金伝説。「朝日さす夕日かがやくこの所、黄金千盃朱千盃」。こちらも古墳群が存在した。
 写真も示してみる。なんて、埋蔵金が身近にあるのだろう。
香貫の埋蔵金(左の山近辺)と釈迦堂(右の山近辺)の埋蔵金の埋まる場所

 そう、めちゃくちゃ近い所に埋蔵金は埋まっているのである。そこで、散歩がてら埋蔵金を探してみることにした。しかし、そうそう簡単に埋蔵金が手に入るわけはない。どこに金塊が埋まっているのか、調べる道具が必要である。
 そこで、埋蔵金探しには必需品の「金属探知器」を作るにした。しかも、せっかく「電子ブロック」が手に入ったのだから、これを使って作ってみたい。

 そこで、まずは金属探知器の仕組みを調べてみた。すると、いろいろやり方はあるがLC発振回路を用いたものが一番簡単そうである。今回の道具はなにしろ電子ブロックである。単純第一でなければやってられない。
 
 このLC発振回路を用いたものはコイルをセンサーとして用いるものである。コイルに金属が近づくことによるインピーダンスの変化を検出するものだ。二つの発振回路を用いて、ヘテロダイン方式で発振周波数の変化を検知するのが一般的なようだ。

 最初の計画では、EX-60,100それぞれでLC発振回路を組んで、その差をアンプに通してスピーカーから鳴らそうと考えた。やってやれないことはないだろう、と考えた。そして、電子ブロックと格闘し始める。そして、2時間後...

「あ"〜〜〜〜。やってられるかぁ! こんな作業〜〜〜〜」

 電子ブロックEX-60&EX-100は、部品数が少ない。トランジスターは1つしかないし、抵抗・コンデンサーの数も3個位しかない。しかも、回路構成がまるでパズルである。平面構造と言えば聞こえは良いが、回路を自分で考え出すのがこんなに大変だとは思わなかった。
 始める前は「ブレッドボードの祖先だから、作業は結構楽かもね」、なんて思った。しかし、それは大きな間違いであった。

 電子ブロックを作った人達は天才である。

実はこれは作業を投げ出した後

 電子ブロックも埋蔵金も共にロマンである。そして、共にかつて埋めた夢だ。昔埋めたおもちゃは蘇らない方が良い。しかし、埋蔵金は私の手元に出現してくれるとうれしい。そのために私は、何としても電子ブロックで「金属探知器」を作り上げなければならない。そして、それを片手に、埋蔵金を探し出すつもりだ。

 こうして、金に目がくらんだインスタント埋蔵金ハンターは、電子ブロックを相手に格闘を続けるのである。というわけで、今回は「背景説明編」である。近いうちに、必ずやこの続編と共に、ゲイツくんもビックリの金塊を手中にする所存である。

そして、私が見つけた素晴らしい埋蔵物の話も書きたいところであるが、それはまた次回ということにしておこう。

2000-03-12[n年前へ]

元気な私とカゼひく私 

ガラガラ声の秘密


 のどが痛いし、微熱がある。どうやら、扁桃腺が腫れているらしい。「あー」と言おうとすると、「あ”ー」という声になってしまう。まさにガラガラ声である。

 ところで、ガラガラ声というのは一体どういう声なのだろう。もちろん、私の今の「あ”ー」という声はガラガラ声なのはわかる。しかし、このガラガラ声の特性をちゃんと定量化すべきだろう、と思うのである。まずは可能な限り、考えたり定量化したりしなければならないだろう。「感覚的なもの」というのは、そういうことをした後に持ち出すべきである。(考えること無しに)感覚的に判ったつもりになっているのは、何も感じていないのと同じである。それは、「想像力の欠如」に至ってしまうと思う。そして、想像力の欠如は「その人の地平線」を狭く(狭いという表現はおかしいようにも思うが)してしまう。何かワケの分からない文章だと感じるようであれば、それは私の頭が熱でふらふらになっているせいである。

 さて、

で私の「アイウエオ」の声についての解析を行った。今回も、同じように私の「アイウエオ」の声について調べてみたいと思う。そうすれば、過去の「元気な私」と現在の「カゼひく私」の声の違いがわかるかもしれない。そして、ガラガラ声とは一体何なのか?ということの手がかりが掴めるかもしれない。

 まずは、前回と同じように - F1-F2空間における私の「アイウエオ」 - を調べてみる。カゼをひいてガラガラ声になることで、私の「アイウエオ」のフォルマントはどう変化しただろうか?次の図がF1-F2空間における「元気な私のアイウエオ()と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ()」を示したものである。
 

F1-F2空間における私の「アイウエオ」
元気な私のアイウエオ()と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ()
横軸 = F1(Hz)、縦軸 = F2(Hz)

 面白いことに、前回標準的な分布から外れていた私の「ア、オ」が今回は標準分布の中に収まっている。ガラガラ声になることで、私はやっと標準的な「アイウエオ」になるようである。何故だか、よくわからないが、面白い。まぁ、きっとフォルマント判断の際のピーク検出精度の問題だとは思うのであるが、不思議な結果である。

 それでは、この「アイウエオ」の変化は一体どのようなものだろうか?音声波形を見てみることにする。それが次に示す図である。

 まずは、「あ」の波形である。
 

元気な私のアイウエオ(上)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(下)
「あ」の波形編

元気な私

扁桃腺が腫れている私

 元気な私の「あ」が割に単純な正弦波に近い。ただし、完全に上下対称な正弦波ではなくて、上に凸な部分の方が若干立ち上がりが速い波形のように見える。そして、割に綺麗に同じ波形が繰り返されている。
 それに対して、扁桃腺が腫れている私の「あ」はスパイクノイズの入っている波形になってしまっている。こちらもスパイクノイズの入り方は割に同じ繰り返しである。

 また、元気な頃の私の「あ」がF1-F2空間における標準的な「あ」分布と離れていたのは、F2が弱いせいではないかという予想ができるのではないだろうか?本来、上下の立ち上がりが異なるのが普通であるが、私の「あ」は上下が比較的同じであり、それでフォルマント判断の際のピーク検出精度が低下していたのではないか、という考えである。
 それに対して、扁桃腺が腫れている私の「あ」は上下の立ち上がりがかなり異なり、周波数ピーク検出が容易であったのではないか、と私は考えるのである。

 さて、次は「い」である。
 

元気な私のアイウエオ(上)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(下)
「い」の波形編

元気な私

扁桃腺が腫れている私

 これもやはり、基本的には同じ波形であることはわかる。しかし、元気な時には上に尖っている部分が、扁桃腺が腫れている私の「い」ではまるで部分的に上下逆転しているかのようになってしまっている。まるで、周波数毎の位相特性が異なっているアンプやスピーカーのようである。

 次が「う」である。ここまでくると、同じ「う」に聞こえるのが不思議なくらいである。
 

元気な私のアイウエオ(上)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(下)
「う」の波形編

元気な私

扁桃腺が腫れている私

 見た目には、完全に別物の波形に見えてしまう。しかし、フォルマント上は「元気な私」と「扁桃腺が腫れている私」でほぼ同じ(F1-F2空間における私の「アイウエオ」を参照)であることを考えると、

  • 各周波数の位相がずれている
  • 高周波が重畳されている
という二つの効果により、見た目が違ってしまったのだろう。

 次の「え」も「う」と同じ傾向である。フォルマント上は同じというのが、目で見る限りはよくわからない。いや、もしかしたら見慣れたらわかるようになるのかもしれないが、今の私の心の目ではよくわからないのである。
 

元気な私のアイウエオ(上)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(下)
「え」の波形編

元気な私

扁桃腺が腫れている私
元気な私

 最後の、「お」はもう何が何だかわからない。しいて言うならば、元気な私の「お」は高周波が極めて多いが、扁桃腺が腫れている私の「お」は高周波はあまりない。きっと、扁桃腺が腫れている私のノドの応答特性が低下しているせいだろう。しかし、これまでのスパイクノイズが増えている事実とどう繋がるかは、難しいところである。うーん、違うかもしれない…
 

元気な私のアイウエオ(上)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(下)
「お」の波形編

元気な私

扁桃腺が腫れている私

 ここまでは音声波形を見てきたが、最後に周波数空間での違いを示してみる。元気な私のアイウエオに比べて、扁桃腺が腫れている私のアイウエオは割に高周波が増えていることがわかる。やはり、先の「お」の考察は違っているのかもしれない。
 

元気な私のアイウエオ(右)と扁桃腺が腫れている私のアイウエオ(右)
スペクトログラム編
元気な私のアイウエオ
扁桃腺が腫れている私のアイウエオ

 扁桃腺が腫れている私の声の周波数が高い辺りにいくつも見えるピークは私の「のどの痛みの証し」である。あ”ー、しんどい。いや、ホントにしんどいのである。

 さて、私は鈴が鳴るような綺麗な声がとても好きなのである。いつか、そういう声の秘密について調べてみたい、と思うのであった。また、色々な歌手の声のスペクトログラムについても調べてみたい、と思う。
 

2003-06-13[n年前へ]

手をたたくだけで自動的に最適な音場を設定 

 「接続したスピーカーがマイク代わりに音を感知」というビクターのAVコントロールアンプ。このアイデアは素晴らしく面白い。そして、それを製品にまで持って行った辺りも素晴らしい。

2004-09-26[n年前へ]

長岡先生もビックリの「ハードディスクでスピーカー」 

 アンプの出力をハードディスクのヘッドを駆動するコイルに直結し、ハードディスクのプラッターを振動させて、長岡先生もビックリの「ハードディスクでスピーカー」で音楽を聴いてしまうHard-disk Sound System. ついでに、ゲームボーイでオーケストラ日本版。from hpsc

2004-12-26[n年前へ]

世界で最小のギターアンプ 

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