2009-03-07[n年前へ]
■自分が持たない・憧れを書く
私の広告術(広告批評) より。
…結局自分が書くもの・作るものというのは、平たく言えば、憧れて書くんじゃないかと思うんです。自分にない者自分にできないこと、こうあったらいいけどなかなかできないね、と思っていることを書く。
岩崎俊一 p.137
2009-03-13[n年前へ]
2009-06-24[n年前へ]
2009-11-13[n年前へ]
■「特急つばめ」と「見えないもの」
「広告批評 最終号(2009/04)」を読んでいると、写真家の藤井保とアートディレクターの副田高行がしていた話が面白かった。話題に上がったのは、コピーライターの仲畑貴志が綴った「愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている」という言葉(1992年)と、薄暗闇の空間を突き進む列車の写真とともに有名になったJR九州のシリーズ公告の作成秘話である。
(藤井)僕らが最初に考えたのは、夜汽車って窓の灯りがロマンティックなので、その窓灯りから、乗客のことを想像できる写真が撮れたらいいなと思ってたんですけど、計算値違いだったのは(JR九州から)「特急つばめを撮ってください」と言われたんですよね?その列車は真っ黒の車体でガラスにスモークが貼ってあって、全然光が見えない。だから、「窓の灯り」は広告写真には(わかりやすい姿では)写っていない。そして、列車が乗せているはずの「たくさんの愛とか、勇気とか、見えないもの」も、薄暗い写真から直接見ることはできない、・・・ように見える。
けれど、広告のコピーとして、「愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている」という言葉が添えられたなら、目では見えないけれどきっとあるはずのたくさんの乗客の姿を想像することができる。窓の灯りからは見えなくとも、そんな「見えないもの」を、薄暗闇の中を走る列車をなぞる写真の中に想像することができるようになる。たくさん列車が乗せている「目に見えないもの」を、私たちはようやく写真の中に見ることができるようになる。
2011-02-04[n年前へ]
■今の非常識が未来の常識
今からちょうど31年前、西武百貨店は、糸井重里が書くコピー「不思議、大好き。」を1981年のテーマにしました。
「どんなにコンピュータが発達したって、人の心はわからない。誰かのことを好きだとか、誰かといると楽しいとか、自分でも理由なんてわからないもの。どうしてから、不思議だな。いつの間にやら、「発達したコンピュータを介して、人の心がわかる」なんてことも、珍しいことではなくなったようにも思われます。カメラに内蔵された計算装置が「笑顔」を検出したり、コンピュータが「人の心」のつぶやきを伝える時代になりつつあります。
時に、今の非常識が未来の常識、になったりもします。凝り固まらない「やわらかあたま」で眺める未来は、一体どんな世界なんでしょうか。
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