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2008-01-13[n年前へ]

「誰にでもできる情報の見分け方」 

 仲畑貴志の「コピーの全部」を読んだ。本の後半に収められているエッセイ集が、新鮮だった。思わず記憶が蘇えるヒットしたコピー文も懐かしかったけれど、初めて読む氏のエッセイが、心に残った。

 情報社会などと言われだして、もうずいぶんの時が過ぎた。けれど、ホントに必要な情報、役立つ情報、心に届く情報はそう多くはない。
 近頃、僕は、情報との接し方について面白いことを発見した。一、二年、古い情報を、今読む。経済動向も、トレンド情報も、景気予測も、どれもこれも「オミゴト」と言えるものは、ほとんどないに等しい。
 …従来なら捨て去っていた新聞や雑誌を取り置いて、あなたも評論家の予測を採点してみてください。言いっぱなしの書きっぱなしで、一切結果に触れず、ただ僕たちの心を騒がくして行くだけのセンモンカが、すぐに発見できる。

仲畑貴志「誰にでもできる情報の見分け方」(P.244)

2009-06-24[n年前へ]

夢とか、希望とか、見えないものも乗せている。 

夢とか、希望とか、見えないものも乗せている。

仲畑貴志

2009-11-13[n年前へ]

「特急つばめ」と「見えないもの」 

 「広告批評 最終号(2009/04)」を読んでいると、写真家の藤井保とアートディレクターの副田高行がしていた話が面白かった。話題に上がったのは、コピーライターの仲畑貴志が綴った「愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている」という言葉(1992年)と、薄暗闇の空間を突き進む列車の写真とともに有名になったJR九州のシリーズ公告の作成秘話である。

(藤井)僕らが最初に考えたのは、夜汽車って窓の灯りがロマンティックなので、その窓灯りから、乗客のことを想像できる写真が撮れたらいいなと思ってたんですけど、計算値違いだったのは(JR九州から)「特急つばめを撮ってください」と言われたんですよね?その列車は真っ黒の車体でガラスにスモークが貼ってあって、全然光が見えない。
 だから、「窓の灯り」は広告写真には(わかりやすい姿では)写っていない。そして、列車が乗せているはずの「たくさんの愛とか、勇気とか、見えないもの」も、薄暗い写真から直接見ることはできない、・・・ように見える。



 けれど、広告のコピーとして、「愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている」という言葉が添えられたなら、目では見えないけれどきっとあるはずのたくさんの乗客の姿を想像することができる。窓の灯りからは見えなくとも、そんな「見えないもの」を、薄暗闇の中を走る列車をなぞる写真の中に想像することができるようになる。たくさん列車が乗せている「目に見えないもの」を、私たちはようやく写真の中に見ることができるようになる。

2012-11-29[n年前へ]

「見えないもの」とか「前へ進め」 

 「コピーのぜんぶ―仲畑貴志全コピー集 」から。

夢とか、決意とか、見えないものも乗せている。

JR北九州
進むのだ、もっと前へ。いや本音を言うと、自分は今、前へ進んでいるのか、それとも後退しているのか、わからなくなることがある。

BIG JOHN
希望とか、失意とか、見えないものも乗せている。

JR北九州
赤い情熱の赤って、
どんな赤をしてるんだろう。
黄色い歓声の黄色って、 どんな黄色をしてるんだろう。


ソニー
愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。

JR北九州



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