2009-03-07[n年前へ]
■自分が持たない・憧れを書く
私の広告術(広告批評) より。
…結局自分が書くもの・作るものというのは、平たく言えば、憧れて書くんじゃないかと思うんです。自分にない者自分にできないこと、こうあったらいいけどなかなかできないね、と思っていることを書く。
岩崎俊一 p.137
2009-04-06[n年前へ]
■しっかり、しっかり 春を見ておかないと
JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」から。
しっかり、しっかり
春を見ておかないと、
すぐ次の季節に
なっちゃいますよ。
2009-04-07[n年前へ]
■広告が映し出す「時代」や「世相」
JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」の「はじめに」から。
「そうだ 京都、行こう。」の(1993年秋からの)この10年間は、20世紀から21世紀への移行の時と重なっています。バブルその後、情報化社会、グローバル化、ナショナリズム、環境問題、癒し、構造改革などなど、時代という言葉のまわりがとてつもなく賑やかでした。大きな地震災害も体験した。嘆いたり、憤慨したり、笑いたかったり、力づけてもらいたかったり、といろいろな人の思いがありました。本書を年代にそって読み進んでいくと、そんな時代や世相も見え隠れします。
広告人たちは時代の気分に敏感すぎるのかもしれません。
2009-04-20[n年前へ]
■「あなた」に薦めたい「しりあがり寿のマンガ入門」と「山田ズーニーのおとなの小論文教室。」
心の中に「何かはわからないけれど、何かをしたい」という気持ちををうっすら抱えている人、「何かをしたいけれど、どうしていったらいいのかよくわからない」という悩みを抱えているひと、「今のままで、このままで、本当にいいのだろうか」と考える時があるひと、そんな「あなた」に心から読んで欲しい・薦めてみたいと思うのが、しりあがり寿の「表現したい人のためのマンガ入門 」と山田ズーニーの「おとなの小論文教室。(1)~(3)」です。これらの本の中には、タイトルからはわかりづらい、素晴らしい内容が詰まっています。
しかし自分には決定的な問題点がありました。「やりたいもの」がハッキリしないのです
しりあがり寿 「表現したい人のためのマンガ入門」
しりあがり寿の「マンガ入門」が私たちに教えてくれることは決して「マンガの描き方」ではありません。そして、山田ズーニーの「おとなの小論文教室。」が私たちに伝えようとしていることも、「小論文の書き方」ではないのです。
「表現したい人のためのマンガ入門」と「おとなの小論文教室。」に書かれていることを、それをひとことで言えば、雑な表現であることを覚悟の上で一文で書けば、それは「生きていくためのコツ」「自分の活かし(生かし)方」を教えてくれる本・文章です。「自分」を知り、自分以外の世界を知り、そして、その世界の中での自分を見失わず歩いて行くためのアドバイス、が繰り返し書かれています。
自分がいま、この手で紡ぎだせないものを、自分にはちゃんとイメージする力がある。山田ズーニーは、痛々しいほど真摯にとても力強く、かつひどく繊細な言葉を重ねて。そして、しりあがり寿は、非常に論理的でいて、それでいて限りなく自然なバランスで気楽な書き方で。二人のスタイルは180°ほどに異なっているように見えても、二人が書いたこれらの本は、いずれもが同じ「自分の可能性・潜在力を見つけること」「自分を表現する・活かすこと」「他の人に伝え・繋がること」、それは一体どういうことなのかということを教えてくれます。
それが、未知で・独特で・自分で作り出すしかないから、こんなに駆り立てられるのだろう。自分で作らなければ「無い」ものだから絶望するのだろう。
山田ズーニー
「17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3)」
人間はもともと、何かのために生まれるものではありません。何かの職業につくとか、何かの使命を果たすとか、生まれながらにして決まっていることは何もない。ただし、あえて生まれてきた目的はといえば、生まれたこの世界に受け入れられること、それ自体じゃないでしょうか。
しりあがり寿 「表現したい人のためのマンガ入門」
それにしても、しりあがり寿のバランス感覚には驚かされます。不思議に敏感な感性と、データに裏付けされた論理と予測、そして、それらをまとめる絶妙なバランス感覚は、男性の私から見るとある意味で理想の大人に思えます。
読者に見捨てられると食えないから、でもとりこまれると自分を見失うから、読者とつながる小指一本に力をこめます。
自分のどこが悪いか考えることがあります。直さなきゃいけないところから順に並べたりして、でも面倒くさくなって、ほうってしまいます。
いろいろ書いてきたけれど、…必要なのは、馬が走るように、犬が吠えるように、人が祈るように、ひとコマひとコマ、1ページ1ページ、まるで息をするようにマンガを描き続けること。ただそれだけかもしれません。
しりあがり寿 「表現したい人のためのマンガ入門」
2009-05-09[n年前へ]
■官公庁オークションの掘り出し・面白セレクション
「Yahoo!の官公庁オークション」が興味深い。本当にバリエーションに富んでいて、それまでにどう使われていたのだろうかとか、もしも購入したら一体どんな風に使おうかとか、色々なことを「徒然なるままに」想像してしまう。
三井のリハウスのCMは、かつてのバブルの頃には、確か、「引っ越ししてきた家族の娘」を主人公にしたものが多かった。それが、バブルが崩壊した時、そのコマーシャルは、「住んでいた家から引っ越ししていく家族の娘」を描いていたように思う。ふと、そんな時代を映し出していた広告の変化を思い出す。
歴史は繰り返す。それゆえに過去の記録はまた将来の予言となる。