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2013-06-04[n年前へ]

麻雀マンガの科学ー「バード 雀界天使vs天才魔術師」 ”偏光マーキング”は可能か!? 編 

 麻雀マンガの科学ー「バード 雀界天使vs天才魔術師」 ”偏光マーキング”は可能か!? 編 を書きました。

 麻雀マンガ「バード」第2巻「雀界天使vs天才魔術師編」で、主人公の対戦相手である雀界天使 美人姉妹が、麻雀牌の背面(白い無模様の側)に「反射光が偏光するような塗料」で模様を付けておき・相手の麻雀牌の手を透視してしまう!というワザを使っていました。
 さて、問題は「バード」で雀界天使 美人姉妹が使ったワザ、麻雀牌の背面(白い無模様の側)に「反射光が偏光するような塗料」で描いた模様を識別するというテクニック、…それは一体可能なのか?ということです。
 ハイディンガーのブラシは、網膜黄斑部の繊維組織および色素が配列方向性があり、直線偏光に対して異方性(偏光方向成分に応じた光吸収差)を持つことによって生じます。…生じるのは、 網膜黄斑部の中心窩を中心とした2.5°程度(視角にすると1°程度)の範囲です。…

麻雀マンガの科学 - バード2「雀界天使v.s.天才魔術師」編 麻雀マンガの科学 ー 「バード2」 ”偏光マーキング”編






2013-08-07[n年前へ]

「麻雀のムダ科学」第1回 

 明日、8月8日に発売される「近代麻雀オリジナル 9月号」に「新連載!麻雀のムダ科学 第1回」を書きました。

 書いた内容は…必ずしも何かの役に立つわけではありません。むしろ、何の役にも立たないような気もします…。そんな短文ではありますが、本屋さんの棚の片隅で眺めて頂く機会があれば…その本に手を伸ばし・一読して頂ければ幸いです。

麻雀のムダ科学






2014-04-01[n年前へ]

15歳のときに知っておきたかった科学(拝啓 おっぱいが好きな十五の君へ) 

 4月26日(土)か4月27日(日)に(一体どっちだ?)、開催予定の「ニコニコ学会β 第6回シンポジウム 研究してみたマッドネス」に遊びに行ってみることにしました。…見に行くからには「何か差し出さないといけない」と感じて、「研究してみた」ことを「今ならでは」の視点で振り返り考えつつ、ご披露してみることにしました。

 小さなこどもの頃から「おっぱい」が大好きで、けれどそれと正反対に勉強することは大キライ…だった。勉強をする場所だと思ってた学校を卒業して何年も経ってから、おっぱいの研究にこそ色んな科学が応用できることに気がついた。…もしも、おっぱいが好きだった十五歳のぼくに、こんな科学を届けることができたなら、きっと科学が大好きになってたに違いない! 今だからこそ、あの頃の若い「自分」に伝えたい!

15歳のときに知っておきたかった科学
(拝啓 おっぱいが好きな十五の君へ)

2015-02-01[n年前へ]

パーティで役立つ!?「シャンパンやビールの泡」の科学 Vol.1 

  パーティで役立つ!?「シャンパンやビールの泡」の科学 Vol.1を書きました。

 クリスマス・年末・新年会…シャンパンやビールを片手に立食パーティなどに参加する機会も多い時期です。話をするのが苦手だったりすると、そんな場は「手に持ったグラスを眺め、ただ飲み続ける時間」になったりします。けれど、それはあまりにもったいなさ過ぎる!というわけで、手に持ったグラスを眺める時間を新鮮で楽しい発見・研究タイムに変身させる「役立つ知識」をご紹介します。

パーティで役立つ!?「シャンパンやビールの泡」の科学 Vol.1 






2015-10-16[n年前へ]

頭部を入れ替えた「”ク”ルート」と「”フ”ラリネット」の音色比べが面白い! 

 「フルートの音色は材質に影響されない」を読んだ。元来は木製だったフルートは、現在では金属で作られるのが一般的である。J.W.Coltmanの数多い論文などを代表として、これまで行われている音色の聞き比べ評価でも機構解析でも、フルートの材質が音色に与える影響は、形状や表面性といった他の要因に対して、有意な違いは見いだされていない(しかし、現在とほぼ同じ機構でありつつも1830年以前に作られた木製フルートが良いという意見もある)。

 なぜかというと、フルートの音色が生み出される原理は、フルートの円筒管体自体が振動するわけではなく、唄口(吹き口)に横から吹きつけられた空気流が、円筒管体内部の定常波の影響を受けることにより、振動することにより生じる。この過程でフルートの円筒管体が担う役割は、定常波を生み出す「形状」のみで、その変形特性などは(生じる音波に対し)ほぼ影響しないからである。変形特性が影響しない理由は、空気と(それが木製でも銀でもその他の金属でも)円筒管体の「圧力に対する変形度合い」は1000倍程度は差があるため、円筒管体内部に空気振動があっても、円筒管体は完全な剛体として取り扱って良いオーダーになる。

 もっとも、材質が音色に影響を与えないとは言っても、異なる材質で異なる製造方法で作る限りは、形状設計や内部表面性は異なるのが自然である。そして、各部分の形状や内部表面性は音質に影響を与えるので、上述の話は「同じ形状のフルートがあれば、その材質は音色に影響しない」というものである。

 ところで、さまざまなフルートの音色を調べていた時に、フルートとクラリネットの「頭部」と「胴体」を入れ替えて音色比べをする科学実験を見つけた。これが実に面白い。クラリネットの胴体にフルートの頭部を取り付けた「”ク”ルート」は、見かけはクラリネットなのに、音色も音域もほぼフルートそのものだ。そして、クラリネット頭部を持つフルート胴体の「”フ”ラリネット」は、音域も音色もほぼクラリネットである。このような現象は、「頭部のリード振動で音が発生するクラリネット」と「唄口周りの空気流振動により音が生み出されるフルート」という違いや、クラリネットと違いフルートの唄口が開放端になっていることから生み出される定常波が2倍異なることから生じる。…と頭でわかってはいても、頭部を入れ替えた「”ク”ルート」と「”フ”ラリネット」の映像を眺め・音を聴いていると、何だか不思議で面白い気持ちになってくる。



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