hirax.net::Keywords::「表面張力」のブログ



2012-01-09[n年前へ]

「ボールペン芯中に空気層が生じる」のは「インク付着力と消費量」が決めている!? 

 ボールペンを使っていると、(たとえば、右の写真のように)芯のインク中に空気が入ってしまい「まだインクがあるのに、字が書けなくなっちゃったよ〜」ということが起きたりします。 ボールペンをシャカシャカと紙の上で走らせてみても、ただペン先のボールが空回りするだけで、紙の上には「何も描かれない」のです。

 ところで、よくよく考えてみれば、この「ボールペン芯の中に空気が入る」という状況はちょっと不思議です。 「インク層に挟まれた透明層は、実は正真正銘”真空”だった!」なんていうことは、あるわけはありません(また、インクの中の何らかの物質が気化したものだ、と考えるのも、組成的に少し不自然です)。インク芯中に、なぜいきなり空気層が生じるのでしょうか?

 私が考える「発生過程」は右のようになります。 まず、ボールペンを使い、ペン先でインクが使われると、「(右の②のような)ペン芯では外壁にインクが張り付いたまま・中のインクが少なくなった」状態になります。 それは、外から見れば、まるでインクは足りているように見えるけれど、実は中にはインクで無く空気層が押し寄せている、という具合です。 そして、芯外壁に張り付いたままのインクが(いつしか)くっついてしまうことで(③〜④)、最終的に「インク芯中に(あたかも)いきなり空気層が生じたようになる」のではないか、と考えているのです。

 つまり、「インク芯の外壁とインク間の付着力とインクの粘性と、ボールペンの使用状況」にしたがって、「ボールペン芯の中に空気が入る」という現象は生じるのではないか、と思うのです。

 こういった現象は、ボールペンで(急に)たくさんのインクを消費すると、つまり(いきなり)たくさんの文字を書くと生じやすそうな気がします。 インクが急激に消費されると、インク外壁にインクが張り付いたまま、たくさん残りそうに思えます。

 そこで、ためしに、ボールペンでラクガキをひたすらして、10分あまりでインクを使い果たして見ると、やはり「芯外壁にインクがたくさんへばりついて残ったまま」になりました。 つまり、「ボールペン芯の中に空気が入る」と同じように、「使うことができないインクがたくさん残ってしまった状態」です。 私の経験上は、ボールペンを(いきなり)たくさん使うと、こういった芯外壁にインクが張り付いたままの状態になりやすいように思います。

 ボールペンをよく使う人は、「(自分が)どの程度ボールペンを使うか」という使用頻度と、「インクの粘性・インク・プラスチック間の付着力」を気にしてみると良いかもしれません。そして、「ボールペン芯中に空気層が生じる」過程が果たして(本当のところ)一体どのようなものか調べてみると、面白いかも!?

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2012-06-13[n年前へ]

”シャボンの膜”が「シャボン玉」になる過程をハイスピード撮影した 

 ”シャボンの膜”が「シャボン玉」になっていく過程を、ハイスピード撮影してみました。

 シャボンの膜が、風の圧力に押され・押し出されて筒状になり、そして(他の場所に比べて)ほんの少しだけ円柱の径が狭い部分が、ギュゥッと狭まって、最後には狭まった部分の壁が繋がり、さらに、そこで「シャボン玉」が生まれ千切れていく…そんなようすが映っています。

 曲率で決まる表面張力が、太さがところどころで変わる円柱の各領域で、どのように働くかを計算し、”シャボンの膜”が「シャボン玉」になっていく仕組みを計算してみるのも、とても面白いかもしれませんね(参考:10万分の1秒で眺める「一瞬の水滴」)。

2012-08-02[n年前へ]

数学ソフトウェア Geo Gebra でハロー・オッパイ! 

 数学ソフトウェア GeoGebra説明)がなかなか面白そうなので(参考:Fallen Physicist, Rising Engineer)、夏の自由研究がてら、少し使い始めました。

 どんな言語を使うときも、一番始めに書くべきコードは、Hello World! それはイコール「こんにちは赤ちゃん、私がママよ」という声に導かれ・この世に生まれ来る赤ちゃんが目にする景色、つまりは、(いつものように)ハロー・オッパイ!です。…というわけで、下に貼り付けたのは、「(各微小領域における)バスト重みと肌の張力が形作るオッパイ曲線」です。

 「水風船バストモデル」における内部の水には重力がかかり、バストの下の方にいくほど圧力がかかっている。そして、皮膚に面している内部の水はその圧力を皮膚に伝える。そして、皮膚はその圧力で変形しながら水で満ちたバストを支えるのである。

オッパイ星人の力学 第四回〜バスト曲線方程式 編

 この動画は、オッパイの表面(境界)の各部分にかかる力を元に、張力を計算し、張力を曲率に(テキトーに)換算を行った上で、曲率=2階微分値を2階積分した結果をGeo Gebra でインタラクティブに図示した図を(大雑把に言えば)、パラメータを適当に動かすことでアニメーションにする…という具合で作られています。

 使った数式は、下のようになります。あなたも、自分好みのHello World!ならぬハロー・オッパイを作り出してみるのは、いかがでしょうか?


 左でスライダーを使ってパラメータ設定をしている部分は、きっと望ましくは(スライダーで調整するのではなく)「バストのX=0すなわち根元における傾き」を直線で表現し・その直線を動かし・調整する、という方が自然なのかもしれませんね。

数学ソフトウェア Geo Gebra でハロー・オッパイ!






2012-11-29[n年前へ]

「オシッコが捻れて見える」のは尿道の異方性と表面張力が原因だ!? 

 寒くなってくると、自然とトイレが近くなってきます。 一日になんども、「放水作業」をするようになると、「オシッコが空中で描き出す形状」が気になり始めました。 たとえば、オシッコの放水速度が低いときには、(右上写真のような)捻れた輪ゴムのような形状になっているように見えます。

 そして、ひとたびオシッコの速度が増してくると、捻れた輪ゴムのような形だったはずのオシッコが、グ~ンと長~く伸びた形状に姿を変えます(右図参照)。とはいえ、そんな風にオシッコの捻れの周期は変わると言っても、オシッコの姿は結局のところ、トルネードというかスクリューのように、グルグルと捻れた姿であることには変わりありません。

 …この「おしっこ」の捻れ形状は一体どのようにして生まれているのでしょうか?そんな、ことを考えて、メモ書きしてみたのが下の写真です。

 「おしっこの放水口」の断面は、完全な円ではありません。少なくとも、…いや大幅に扁平・潰れた形状になっているように思います。その扁平形状に、さらに放出時の速度異方性が加わって、おしっこは大きく潰れた楕円状の断面となり、尿道から空中に飛び出ていきます。

 さらに、その楕円状のオシッコが表面張力に導かれるまま、楕円形状の「引き延ばされた部分と縮んだ部分」を交互に入れ替えることで(それに初期の異方性が加わることで)、あたかもオシッコがスクリュー&トルネードのごろとく捻れ進んでいくように見えるのではないだろうか、と考えたのです。

 そんなわけで、トイレに行くたび観察を続けているのですが、まさか「普通の放出口は完全円形なのが普通で、オシッコがトルネード形状に見えるのは異常」という「意外な真実」が隠れていたりしないだろうか…と、そんな恐怖に小便をし終わった後、ひとりブルってみたりするのです。

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2013-05-17[n年前へ]

「空を浮揚する立体物を作り出す3Dプリンタ」を自分でも作ってみよう!ーキックスタート編 

 「空に浮かぶ立体物」を作り出す44万円の3Dプリンタが面白かったので、空を浮揚する立体物を作り出す3Dプリンタを自分でも作ってみることにしました。そこで、100円ショップのダイソーへ行き、シャボン液と(声変え用だから酸素も入っているけれど…)ヘリウムガスと、泡発生のフィルタ玩具を買って、空へ泡を飛ばしてみたのが、下に貼り付けた動画です。ヘリウムが注入された泡が恐竜くんの口からブクブク出て、そして白い泡は空の彼方へと飛んでいきます。

 (生成された泡をを互いにくっつけていようとする)泡の表面張力や(泡を上へ持ち上げようとする)ヘリウムの浮力を計算してやれば、さまざまな形状を作り出すために必要とされる種々の条件を算出することができそうです。

「空を浮揚する立体物を作り出す3Dプリンタ」を自分でも作ってみよう!ーキックスタート編








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