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2002-10-14[n年前へ]

金正日(キムジョンイル) ナゾの9% 

ベールの内側を垣間見るのだ


  新幹線の中で週刊文春のページをパラパラとめくっていると、数々のスクープ写真で知られる不肖・宮嶋茂樹らの「面白い金正日のグラビア特集」が載っていた。新聞によく載っているような「一見真面目だけど、当たり障りのない記事」ではなく、一風変わった視点から(も)金正日を眺めたグラビア写真集だった。それは、例えば金正日の「頭頂部の増毛の日々」を追いかけてみたり、例えば金正日ご自慢の「シークレットブーツ」も俎上に上げてみたり、というような記事だったのである。つまりは、金正日の頭のてっぺんから足先までその秘密をある意味深~く覗いた記事だったのである。

 その頃、日本にも同じように「シークレットブーツ疑惑」に襲われていた似たような「家元」世襲二代目のお坊ちゃまがいたが、金正日のそれはそれとは比べものにならないほどにワタシの興味を惹いたのだった。そして、ついにはその興味に惹かれるままにこの「シークレットブーツ疑惑」をワタシも研究してみることにしたのである。

 そもそも、不肖・宮嶋茂樹らの記事は「金正日のズボンの謎の折り目、ありゃ一体なんなんだ?」という指摘だった。確かに、その指摘通りに金正日のズボンの裾にはいつも謎の折り目がついているのである。いつも同じような服とズボンであるのだけれど、それに加えて金正日のズボンの裾には確かにいつも同じ「不可解な」折り目がついているのであった。ズボンの裾の10cmくらい上に見るからにヘ~ンな折り目がついているのである。
 

何ですか?その変な折り目は?

 先入観なしにその写真を眺めてみても、その折り目はどーにも「この高さまで妙にハイカットのブーツがありますよー、つまりはここまでがシークレットブーツの高さなんざんすよー」と主張しているようにしか見えないのである。そして、先の記事中ではその折り目の高さ辺りにホントの踵が隠されていて、その位置をズボンの裾の角度を頼りに計算してみると金正日のウソッコ身長、つまりはシークレットブーツの高さはおよそ15cmナリと算出しているのであった。

 しかし、もしかしたら、もしかしたら、その折り目は単なるズボンの作りがためについてしまっているだけかもしれない。あるいは、金正日の脚があまりに短くて、そのズボンが15cmほどズボンの内側に裾上げされているのかもしれない。その裾上げの縫い目かなにかで、いつも謎の折り目がついてしまっているのかもしれない。はたまた、金正日の王国では「裾上15cmの折り目」がカコイイとされているのかもしれないし、普通のブーツではなくてハイカットのブーツを履くべし、とされているのかもしれない。だから、ズボンのベールの外側に見える「ナゾの折り目」だけを頼りに、金正日はシークレットブーツ着用マニアだー、と騒ぎ立ててみても、万が一に間違っている可能性だって無いとはいえないのである。
 

 そこで、あえて「ズボンに残るナゾの折り目」は無視して、素直に「金正日の足の長さ」を計ってみることにした。とりあえずは、Googleのイメージ検索で集めた金正日の写真から、身長に対する股下長を計ってみることにしたのである。また、歩いているときの画像など明らかに膝の位置が分かるものについては、股下長を「膝上・膝下」に分けて画像計測してみた。
 

金正日の脚の長さを測ってみるのだ
股下長 : 43 %

膝下長 / 股下長 = 70%
股下長 : 41 %

膝下長 / 股下長 = 68%
股下長 : 40%

 上の三枚の画像で計測してみた結果では、金正日の股下長はおおよそ身長の42%弱という結果が得られる。三枚の画像から得られた結果がとても良く一致するところから、この値はまぁ信頼できると考えて良いと思う。ところで、実は短足胴長で世間にその名を知られる日本人の平均股下長でさえ44%強なのである(「日本人の人体計測データ」)。すると、金正日の股下42%弱という値よりよっぽど日本人の平均値の方が高いということになるのである。つまりは、胴長短足の日本人よりも金正日はさらに胴長短足なのである。もちろん、とてつもなく短足というわけではないが、とても金正日がシークレットブーツを履いているとはとても思えない脚の短さなのである。

 ということは、裾下15cm上でその存在を主張する「ズボンの奇妙キテレツなシワ」は金正日の脚の短さ故にズボン内部に大幅に折りたたまれている裾上げのせいなのだろうか?「シークレットブーツ疑惑」は冤罪であって、それは単に哀しき短足の証拠なのだろうか?どんなズボンも全てが全て長すぎて必ず裾上げが必要で、その裾上げの証拠が必ずズボンに現れてしまっているのだろうか?金正日の「シークレットブーツ疑惑」は事実無根であったのだろうか?

 いいや、違うのである。上の左二枚の写真をじっくり眺めるまでもなく、股下長の割に膝下長がやたらめったら長いのである。異常と言っても良いほどに膝下が長いのだ。日本人の場合、(膝下長/ 股下長)の平均は約60%である。金正日は別に日本人ではないが、この金正日の約69%という値はあまりに異常なのである。もし、日本人の場合と同じように(膝下長/ 股下長)が60%であるとしたら、ホントの膝下長を x ( % ) とすれば

x / ( x+ 13) == 0.6
x = 19.5
であるから、金正日の膝下長は約29%ではなく約20%でなければならないのである。じゃぁ、その29%から20%に減った9%は一体何だろうか?あまりに不可解な「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない、それは何かと問われてしまう」ナゾの9%の高さが一体何かというと、それはもちろんシークレットブーツの高さに決まっているのである。金正日の身長を仮に165cm位とすれば、人間形状の平均値をもとに言えば、そのおおよそ9%= 15cmがシークレットブーツの高さである、ということになるのだ。

 そう、何と不肖・宮嶋茂樹らが「ズボンの裾の角度を頼りに計算されたシークレットブーツの高さ= 15cm」という結果とピッタリ一致するのである。方や、ズボンの裾に浮かび上がる「ズボンの奇妙キテレツなシワ」から推定したシークレットブーツの高さと、胴長短足の日本人の平均値から推定された「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない」ナゾの9%の高さが見事なまでに一致するのである。金正日のシークレットブーツの高さは15cm程度であると、複数の別の手法から確認されてしまったわけなのである。

 というわけで、今回の研究から「金正日はムチャクチャ短足で、15cmもの高さのシークレットブーツを履いてみても、なおまだ胴長短足の平均的日本人よりもまだまだ股下長が短いのだ…」という哀しい真実が、金正日のズボンの裾のベールの内側から浮かび上がってくるのである。
 
 

あまりにアブナイ、15cm高のシークレットブーツを履いた状態での階段降り。
まるで膝と踵の間にもう一つ関節があるような…。
そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような…?

 ところで、上の写真は「あまりにアブナイ15cm高のシークレットブーツを履いた状態での金正日の階段降りのシーン」である。まるで、金正日には膝と踵の間にもう一つ関節があるような不自然で奇妙な脚の形に見えてしまうのだ。そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような気がしてしまうのである。
 こんな奇妙な歩き方を眺めていると、ベールの内側の不自然でウソッコな足下に気をつけて欲しいな、と強く強く思うのである。

2004-07-02[n年前へ]

心拍で視線で脳波でチェック 

 新入社員なんかに、こんなテストをすることがある。心拍計・視線追跡・脳波計なんかを彼らにとりつけ、そして彼らに目をつぶってもらう。「ハイ、目を開けていいよ」と声をかけられた彼らの目の前には週刊誌のグラビアページが開かれている。

 その瞬間、(意識で制御できない)彼らの視線がどんな風に動くかは他の人には全て見えている。どんな風に動揺したかも逐一判る。「ちょっと君、胸ばかり見るね」とか「君、素早く顔を見比べるね」「今ね、君の脳みそベータ波出しまくりだよ。興奮しすぎかも」なんていう風にツッコミも入る。そして、さらに「君、面食いだよね」「その写真の右から二番目が君の好みだよね。部分で言うとそのバストが」とか「あっ、君さ、今ちょっと興奮してない?」なんていう風にわかる。ちなみに、今年の新人は診断結果も「立派なオッパイ星人だった」 本人も「はい、オッパイ星人です。何か悪いっすか?」とのコメント。このオープンさが素晴らしい。

 とかく色んなことを隠したがる人もいるが、どうせ隠すほどの何かなんて人の中にはそうそうないんじゃなかろうか?そんなに守るほどの何かなんて、人が思うほどにはないんじゃなかろうか。

2007-12-31[n年前へ]

続 読みづらいSPA!のヒミツは「アナログ工程」か「老眼」か? 

 先日の『読みづらいSPA!のヒミツは「アナログ工程」か「老眼」か?』にSPA!の記事が読みにくいのは、製版工程でなくて刷版工程のせいではないか、具体的には、SPA!の表紙と中折以外の部分が、オフセット印刷でなくグラビア印刷になっているせいだろう、と教えて頂きました(印刷屋は「広義の製版」を論理工程と物理工程に分け、論理工程を「製版」として、物理工程を「刷版」と区別するそうです)。グラビア印刷はほとんどの場合ヘリオクリショグラフなどの機械彫刻により刷版されるので、350DPI程度でしかドットを生成できず前回のような文字出力になる、ということでした。

 「オフセット印刷はCTP(レーザでダイレクト刷版)が一般的なので画線が綺麗だけれど、色再現を重視する女性ファッション雑誌や用紙を薄くしたいカタログ誌などではグラビアが多く使われる」ということなので、あまり色が綺麗とは思えないSPA!の場合には薄い用紙を使うためにグラビア印刷が使われているのでしょうか?

2008-05-22[n年前へ]

グラビア写真の「体積」と「面積」の大きさ感覚 

 当たり前のようだが、体積と面積は次元が違う。たとえば、「満腹30倍」ダイエットキャンディのヒミツでは、こんなことを書いた。

 体積で30倍ということは、長さでは3倍程度に過ぎない。つまり、「縦3倍×横3倍×高さ3倍≒体積30倍」というわけである。
 「体積が30倍でも長さは3倍程度に過ぎない」というこの当たり前の「意外さ・齟齬」は、次元にまつわる色々なことに対して当てはまる。

 グラビア写真を撮影するカメラマンいわく、

 実際に見ていると、胸がとても大きく感じるモデルを撮影していても、写真にしてしまうとその大きさがあまり感じられなくなってしまう。なぜか、胸が小さく見えてしまう。
だという。実際に三次元の物体を眺めている時に感じる巨大さを、二次元の画像で眺めてしまうと、あまり巨大には見えなくなってしまうのだ、というのである。

 「体積が30倍でも長さは3倍程度に過ぎない」ということは、体積が30倍の立方体は、面積では3x3=9倍程度に過ぎない。半球で言えば、体積が2倍もある半球であっても、断面部分の面積に換算してみれば、それは1.6倍に過ぎない。

 つまり、バストのような3次元の半球状物体を、2次元平面で把握してしまうと、三次元立体として把握したときに比べて、「大きさ」がかなり小さく感じられてしまうのだ。

 たとえば、グラビアカメラマンの立場からすると、この違いは大問題に違いない。

 「(体積や面積といった)次元」と「グラビア写真」という一見関係なさそうに見えるものも、実は密接に繋がっている。無味乾燥に思える教科書に書かれていることで、グラビア写真集を写している人たちの苦労が想像できる、ということが意外で面白い。

2009-06-03[n年前へ]

「微乳=美乳」の証明 

 毎週、鴻上尚史のエッセイを読むために、そしてまた、「今時の」映画や小説・コミックの紹介文が読みたくて、週刊SPA!を読んでいます。つまり、愛読書(愛読雑誌)なのです。

 自分が読む雑誌を、一体どういう人たちがSPA!を作っていて、どういう読者層を想定して作っているのか、そして、その結果、どういう記事作りをするのかに、とても興味がありました。というわけで、週刊SPA!の記事作成に協力してみました。それが、今週発売されているSPA!の特集記事、「微乳=美乳」の証明です。

 それにしても、記事紹介文からして「実に濃い」ですね。

 ・・・グラビアやAV業界に目を向けると、俄然盛り上がりを見せているのは「主張しないおっぱい」たち。その背景には何があるのか? ブームとなりつつある微乳の魅力とは何なのか? そもそも美しいおっぱいとは何カップなのか? それらを科学的なアプローチによって解明したのが本特集です。

「乳房はわたしの掌のかたちをしてゐる」(詩人・堀口大學)

乳房のためにある手のひら、手のひらのためにある乳房……“手のひらサイズ”のおっぱいの魅力を、あらためて考えてみてください。新たな価値観が生まれるかもしれませんよ。
 だんだん、SPA!は、電車の中で読みにくい色合いのページが増えているような気もしますが、何はともあれ、愛読誌を作っている人たちを見ることができたのは、貴重な体験でした。



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