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2004-03-23[n年前へ]

文体でトリビュート 

 なんだか気づくと、どこぞの文体にはまってしまっていたらしい。これではまるでブランド商品のバッタもん。他人の文体で「自分と他人はどう違う?」じゃぁ、本末転倒七転八倒でしかないだろう。が、そんな文体模倣でトリビュートをした人は他にもたくさんいるようで、眺めてみるといろんなバッタカネゴンが闊歩していて、これはなかなか面白い。あっちで、こっちで、あっあの人も。

2004-11-07[n年前へ]

「コーラの科学」と「ナニワのオカン」 

「沈むコーラ」と「浮かぶコーラ」

「水槽に沈むコーラ」と「水に浮かぶダイエット・コーラ」

 今年の夏はずいぶんと暑く、真夏日が一月以上続いた。そのため、ソフト・ドリンク類の売り上げが昨年の二倍近く売れたコンビニなども多かったようだ。家の近くのコンビニで、汗をかいた後に、スポーツ飲料や冷たいビールを買って、そしてゴクゴクと飲み干していた人たちも多かったかもしれない。あるいは、夏のキャンプ先で、川の畔の水中にドリンクの缶を沈め、いつの間にかキリリと冷えたビールやジュースを味い楽しんだ人たちもいることだろう。それとも、夏祭りの夜店の水槽の中に沈んでいるジュースを買ってもらって飲んだ子供たちも多いだろうか。

 ところで、「川の水や夜店の水槽の中にドリンクの缶を沈めて、ドリンク缶を冷やした」と何気なしに書いた。しか、し「水槽の中にドリンクの缶を沈めて」というからには、当然ドリンク缶は水よりも重いということになる。ドリンクの缶が水の中でブクブクと沈んでいるからには、それらの缶というものは水に浮かぶことができない「カナヅチ」でなければならないはずである。とはいえ、「カナヅチ」でなければならないはずとは思うのだが、それを確認したことはない。そこで、試しにダイエーで買ったダイエー・コーラの350ml缶(写真中の赤い缶)を洗面台で水中に入れてみると、ブクブクと確かに水底に沈んでいる。…なるほど、コーラ缶はどうやら水より重い「カナヅチ」のようだ。水に浮かぶコーラと沈むダイエットコーラ

 ところが、よくよくこの写真を眺めてみると、その横でプカプカと水面に顔を出して浮かんでいる別のコーラ缶がいることがわかるハズだ。そう、コーラ缶は水の中に沈んでいるのに、なぜかダイエット・コーラの缶(手前の白い缶)は水に浮かんでいるのである。つまり、ダイエット・コーラの350ml缶はナント水よりも軽いようだ…?実験に使った缶は(私がビンボーなので…)ダイエー・ブランドの一本40円ナリのコーラだったが、由緒正しい米国コカ・コーラで実験したようすや、その解説などもあって、やはり一般的にコーラ350ml缶は水に沈むのに対して、ダイエット・コーラ缶350mlは水に浮くようである。何故に普通のコーラ缶は沈み、ダイエット・コーラ缶はプカプカと浮くのだろうか?

350mlコーラ缶の「浮き沈み」を計算してみよう!

 その謎を探るため、とりあえず「コーラ缶350mlの水中における重さ」を計算してみることにしよう。そこで、まずはコーラの350ml缶を定規で測ってみると、ドリンクが入っている部分の高さは大雑把に114mmだった。そして、直径は大体64mmである。ということは、350mlコーラ缶の体積は

π×半径 (65mm / 2) ×半径 (65mm / 2)× 高さ (115mm) ≒ 375 cm3
となり、およそ 375 cm3 程度であることがわかる。350ml缶というくらいだから、おそらく缶の中に入っているコーラは350~355ml(12 オンス)だろう(ちなみに、米国からの輸入品であるダイエーのコーラ缶には、内容量は355mlと書いてあった)。そして、缶の中の差し引き375- 350~355 ml ≒ 20~25mlの空間には炭酸ガスや窒素などが入っているのだろう。ということは、つまりコーラが入った350ml缶は全体として20~25gの浮力を受けることになる。

 また、アルミ缶自体の重さはおよそ16gほどだという。アルミの比重は2.7g/cmだから、体積は5.9cm3である。同体積の水の重さが5.9gだから、16gのアルミは当然5.9gの浮力を受ける。ということは、水中でのアルミ部分は差し引き、アルミの重さ(16g)? アルミの体積が受ける浮力(5.9g) = 10.1gほどの重さになっていることになる。つまり、アルミ缶は10gほどの「重し」を外殻としてまとっているわけである。

 さて、すると残りの肝心のコーラの液体自体の重さはどの程度になるのだろうか? それは簡単、なぜならコーラは結局のところ、「砂糖水」である*1。原材料の表示は「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン」となっているが、つまりはほとんどが糖類である。何しろ、350mlのコカ・コーラには35gもの量の糖分が溶け込んでいるのである(コカ・コーラのライバル「ペプシ・コーラ」の場合には、40gほどにもなる)。砂糖(糖分)が水に溶け込んでも水溶液の体積はほとんど変わらないから、実質この砂糖(糖分)の重さ35gだけ「350ml缶の中にあるコーラの液体自体の重さ」は水よりも重いことになる。

 つまり、コカ・コーラの350ml缶は、水と比べると

  • 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
  • アルミ部分:10g
  • コーラの液体(に溶け込んでいる糖分):35g
の35g + 10g - (20~25g) ≒ 25~20gだけ、同体積の水より重いことになる。なるほど、水の中にコーラの350ml缶を入れれば、これならば確かにブクブクと沈んでいくに違いない。「川の水や夜店の水槽の中にドリンクの缶を沈めて、ドリンク缶を冷やした」という真夏の経験は見事に科学によって裏付けられたわけである。つまり、コーラの甘さを作り出している糖分が「重し」となって、コーラの350ml缶は水に沈むのである。

*1
 余談になるが、かつて「砂糖水を売って一生を終える気か」という口説き文句により、ペプシ・コーラ社長だったジョン・スカリーがアップル・コンピュータの社長に引き抜かれたのは有名な話である。

ダイエット・コーラの秘密

 おやおや? それならば何故ダイエット・コーラがプカプカと水に浮いていたのだろうか?まさか、「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」なんて自分本位で超感覚的、つまりは「ナニワのおかん」的な意見を言う人はいないだろう。「何でコーラがダイエットすんねん!?」なんである。「何でコーラがダイエットしたら浮かなアカンねん!?」なのである。というわけで、ナニワのおかんはとりあえず無視して、私たちは科学的に考え・調べてみることにしよう。

 とりあえず、ダイエット・コーラの原材料を眺めてみる。すると、「カラメル色素、酸味料、甘味料(アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)、香料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン」というように書いてあることがわかる。つまり、通常のコーラでは「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)」であったものが、ダイエット・コーラの場合には人工甘味料の「アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース」に変わっているわけだ。

人工甘味料の分子構造
アスパルテーム
アセスルファムK

 アスパルテームは1966年に甘味料として注目され始め、そして1982年に「味の素」が製造特許*2をとった人工甘味料である。アスパルテームは砂糖の150倍もの甘味を持っている。そして、アセスルファムKは1967年に生み出された人工甘味料で、なんと砂糖の200倍もの甘味度がある。甘味度というのは「砂糖と同じ甘さ」を感じさせるためには、水溶液中に「(砂糖と比べて)どの程度の重さ」の甘味料を溶かさなければならないか、ということを示している。だから、甘味度が150~200ということは、「同じ甘さを感じさせるためには、(砂糖に比べて)甘味料の重さが150~200分の1ですむ」というわけである。つまり、通常のコーラで必要だった35gの砂糖が、アスパルテームやアセスルファムKといった人工甘味料を使えば、

35g / 150~200 ≒ 0.18~0.23
というわけで、たったの0.18~0.23gですむのである。ということは、結局のところ通常のコーラに溶け込んでいる糖分の重さと、ダイエット・コーラに溶け込んでいる人工甘味料の重さはずいぶんと違うことがわかる。

*2
この特許は発明対価の22億円を巡って、「味の素」と元社員の間で係争中である。今年2月の東京地裁での判断は1億9千万円を元社員に支払うようにというものだったが、さらに控訴されているため、決着にはまだ時間がかかりそうだ。

実は正しかった「ナニワのおかん」 恐るべき野生の感覚!?

 ということは、ダイエット・コーラの350ml缶は、水と比べてみると

  • 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
  • アルミ部分:10g
  • ダイエット・コーラ(に溶け込んでいる糖分):0.2g
0.2 g + 10g - (20~25g) ≒ - 10~-15g
となる。つまり、なんと同体積の水より10~15gも軽いことになるのである。だから、ダイエット・コーラの350ml缶を水の中に入れると、当然のごとくプカプカと浮いてきてしまうわけである。一言で言えば、通常のコーラが「溶け込んでいる砂糖(糖分)」の重みでブクブク…と水の中に沈んでいってしまったのに対して、ダイエット・コーラの場合はダイエットのために砂糖をカットして人工甘味料を使ったため、砂糖(糖分)の重さ分軽くなって、プカプカと水に浮いたのである。

 …ん?砂糖を「ダイエットのため」にカットしたら、「その分軽くなって」浮いた…? そう、ナニワのおかんの「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」ニいう(一言で言えば)ワケのわからない超ヘリクツは実は見事なまでに正しかったのである。恐るべきは「ナニワのおかん」の野生の本能だ。私たちが、「コーラの糖分をアスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロースに置き換えた分…」なんて長々しく考えて計算するところを、何にも考えずに知性でなく直感だけで「ダイエットしたから、そら軽くなるやろ」と言い放つのだから…。恐るべき、(年を召された)女性の本能だ…。 _|‾|○
 とはいえ、えてしてナニワのおかんは、ダイエット・コーラではなくて35gもの砂糖(糖分)が入っている通常のコーラをガブ飲みし、まるで「水にブクブクと沈むコーラ缶」のようにブクブクと肥えていたりする。「コーラよりアンタがダイエットせなあかんちゃうんか!」とも思ったりはするのだが…。

実は日本のコカ・コーラの350ml缶はプカプカ浮かぶ…!?

日本産のコーラはプカプカ浮かぶ

 ところで、経済事情(一言で言えば私がビンボーだから)により、今回はコカ・コーラでなく、ダイエーで売っていた一本40円の米国産コーラとダイエット・コーラを使って実験をしてみた。しかし、それだけではどうかと思ったので、(大枚払って)一本だけ日本コカ・コーラの350ml缶を買って洗面台で水中に沈めてみた。…いや、沈めてみようとしたのである。ところが、日本コカ・コーラの350ml缶(右手前の赤い缶)は全然沈まずにプカプカ浮かんでばかりなのだ(右の写真)。ダイエー・コーラ(奥の赤い缶)と日本コカ・コーラ(手前右)の違いと言えば、ダイエー・コーラが355mlの内容量で、(米国コカ・コーラと違って)日本コカ・コーラが350mlであるということ、つまり(容器の容量が同じであるとするならば)浮力が日本コカ・コーラの方が5g大きく浮きやすいということと、(表示カロリーから予想すると)ダイエー・コーラの方が3g程度砂糖(糖分)の使用量が多くその分沈みやすいということである。もちろん、少し容器の体積も違う。それらは微妙な違いに過ぎないが、その微妙な違いにより日本産コカ・コーラは米国産コーラと違って水に沈まずに浮かぶのかもしれない…。

 ところで、この「水に浮かぶダイエット・コーラと沈むコーラ」ではないが、コーラ一つとってみても色々な科学を知ることができる。キャンプ先の川辺や夜店の水槽の中に沈んでいるジュース缶の中には、「沈むコーラの350ml缶」から「人工甘味料の化学」や「浮力という物理」や「ナニワのおかんのスゴさ」が詰まっている。日常で目にする景色の中には、色んな科学の入り口が潜んでいる。街中には数限りない面白い謎が満ちあふれている。

2006-02-12[n年前へ]

「消費の価値」と「人の価値」 

消費の正解 ブランド好きの人がなぜ100円ショップでも買うのか 経済学者の松原 隆一郎 と「捨てる技術」の辰巳渚が書いた「消費の正解 ブランド好きの人がなぜ100円ショップでも買うのか」を読んだ。「経済学というのは「人の価値感」というものが、どういうものなのかを考える哲学なんだなぁ」としみじみ感じながら読んだ。私は本を読むとき、気になったページを折る。読み終わったこの本を眺めてみると、とてもたくさんのページが折られていた。
 一見関係なさそうに思えるかもしれないが、「ネット」というものに興味がある人は一読してみると面白いはずだ。この本のタイトルには興味を感じなくても、本屋で手にとって読んでみると面白いと思う。私がこの本から読み取った内容を短く書いてしまうと、こんな感じになる。

消費とは何なのか?そこからは、どんな価値が生まれるのか。人が消費をするとき、そこにどんな価値が生み出されのか。つまりは、人の存在にはどんな可能性と価値があるのか。

2008-03-04[n年前へ]

「ルイ・ヴィトンのモノグラム」を見てみよう 

 アクセサリーサイズの計測器を持ち歩いている。10円玉くらいの圧力分布計測器や、非接触温度測定器や…つまりは、小さなサイズのオモチャをいつも持ち歩いている。といっても、それは持ち歩いているだけで、実際に使う機会に恵まれることはあまりない。けれど、そんなものをいつも持ち歩いている。

 メモ書きをしていると、ルイ・ヴィトン(モノグラムの6穴リング手帳を使っている人がいた。ルイ・ヴィトンがそんな文房具まで作っていることに驚き、その手帖の"LOUIS VUITTON"というブランド名"LV"の部分を15倍の小さな顕微鏡で眺めてみた。すると、少し奇妙に感じた。よくある普通の”ビニールへのハーフトーン印刷”にしか見えなかったからだ。こんな風に革に印刷することがあるものだろうか…何か変だ。

 右上の画像は、15倍の小さな顕微鏡をさらにケータイ電話のカメラ機能で写したものである。安紙に印刷した雑誌と同じような印刷がされていることが見て取れる。これでは、まるで子供ようのビニール財布だ…と思ったら、ルイ・ヴィトンのモノグラムの素材は「革」ではないという実は、キャンバス地にビニール加工した素材だということであるらしい。だから、"LOUIS VUITTON"というブランド・ロゴの部分が普通の”ビニールへのハーフトーン印刷に見えるのも当たり前の話だった…というわけである。

 革や木と見分けをしづらいプラスチックが溢れていることはわかっていても、よく聞く有名ブランドのルイ・ヴィトンなどもビニール・コーティングされたものを作り・売っていたのだとは知らなかった。ブランド品に興味ある人であれば常識であることに違いないが、特に興味もなく眺めることも少なかったものなので、「ルイ・ヴィトンのモノグラム」を拡大して眺めた結果は、何だか面白く・意外だった。

2008-09-03[n年前へ]

あなたが思い浮かべる「マイコン」は「何」ですか? 

 「コモドールブランドのミニノートPCが登場?」という記事を読んだ。記事の中で紹介されているミニノートPCには興味を惹かれなかったが、初めての自分の「マイコン」がVIC-1001だったので、思わず読んでしまった。

 あなたが思い浮かべる「マイコン」は「何」だろう?小さなチップのような姿をした「マイクロ」なコンピュータだろうか、それとも「マイ(私の)」コンピュータだろうか?それとも、その二つを兼ね備えた自作コンピュータだろうか……?

コモドールブランドのミニノートPCが登場?CommodoreブランドのNetbookが登場








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