2009-12-06[n年前へ]
■NEWS今昔物語「禁断の未来・作り出す未来」編 (2004年07月00日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
少し前、(5年前に記事を書いた)「青いバラ」が、ついに販売された、というニュースを知りました。そこで、今回は、この記事を書いてみました。
この記事を書いたとき、青いバラ開発のニュースになぜ最相葉月の「青いバラ (新潮文庫) 」へのリンクを張ったかを書いた覚えがあります。
それは、「未来」というものを、「良いと思う面」「悪いと思う面」という両面から書きたかったから、というような内容だったと思います。できる限り、相反することの両方を並べ書きたい、というようなことを感じていたから、だったような気がします。
この時書いた、「青いバラ」という未来は実現され、「現在」になり、そして「過去」になろうとしています。
(記事を書いた時の)ひとこと
今回は、「未来」について書きました。自然を変え、新しいものを作り、色々な人たちが日々、色々な未来を作り出していきます。
「叶わぬ望み」の青の薔薇を作り出す
「叶わぬ望み」「不可能なこと」を意味する青いバラ"the blue rose"をサントリーが遺伝子組み換え技術を用いて開発した。もちろん、これまでにもさまざまな青いバラが作り出されてきたが、今回の「青いバラ」はバイオテクノロジーの力により本来バラが全く持たない青の色素デルフィニジンを多量に含んでいるのが特徴だ。
「叶わぬ望み」「青いバラ (新潮文庫) 」が遺伝子組み換え技術で実現される。良いか悪いかはさておき、それが二十一世紀なのだろう。チタン製の埋め込むブラジャー
二十世紀の偉大な発明の一つがブラジャーである。米国人の女性マリー・ジャコブが発明し、1913年に特許をとった。ブラジャーは、コルセットから女性を解放し、社会進出の手助けをしたともいう。そして、最近ではブラジャーの高機能化がますます進んでいる(らしい)。
しかし、そんな偉大なブラジャーを不要にしてしまうチタン製埋め込みブラジャーをデュッセルドルフ在住のZiya SAYLAN医師が生み出した。このチタンのメッシュ状のカップを胸に埋め込むというこのブラジャーを装着すれば、未来永劫ブラジャーは必要ない。…しかし、いいのかそれで本当に?携帯電話を腰に付けると精子の数が30%減る?
先日、ハンガリーの科学者が「携帯電話をズボンのポケットや腰のホルスターに着けて持ち歩くと男性の精子の数が30%減少する」という研究結果を発表した。どうやって数えたのか、その方法は…あまり知りたくはないが、とにかく30%オフというのは驚くべき数字である。
今回の結果はまだ確実なものではない、という意見もあるようなので、これから行われるだろう正確な追試等を待ちたいところだ。それにしても、女性に比べて携帯電話を(鞄に入れずに)身につけることが多い男性にとって、これは実に気がかりなニュースかも。
初の民間宇宙船をM&Msチョコレートで祝う
100kmというと、ちょうど東京駅から静岡県の熱海くらいまでの距離だ。JRの切符を買えば1,890円ほどでたどり着くことができる。しかし、それが地表から高度100kmだとそう簡単にはいかない。なにしろ、そこは地球を飛び出した宇宙空間である 。
6月21日、そんな地表100kmの宇宙の世界へ民間企業Scaled Compositesが有人飛行に初めて成功した。その宇宙船SpaceShipOneから撮影されたビデオを見るとそこは確かに地球を見渡せる宇宙の世界だ。そして、無重力の世界でお祝いに色とりどりのM&Msチョコレートをパイロットがばらまき、それらがコクピットの中を舞う様子は、…ただ素晴らしく美しいとしか言いようがない。
未踏の世界をスーパークリエイター達が作り出す
次世代のIT市場創出を担う優れた研究者(スーパークリエイター)を支援しようという未踏ソフトウェア創造事業の2004年度 第1回の公募結果が発表された。IT市場や次世代ソフトウェアなんてよくわからない…と思う人でもきっと眺めてみると興味を惹かれるものがあるハズだ。
動き出す実物大グラビアアイドル・どこからともなくブートするOS・異文化コミュニケーションのための知識共有システム・世界規模ソースコード検索エンジン…、なんだか面白そうなものがたくさんある。自分好みのプロジェクトを応援してみると面白いかもしれない。
2009-12-07[n年前へ]
■NEWS今昔物語「男と女」と「車」編 (初出2004年07月00日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
数年前の古いニュースも、意外に現在のニュースと同じように新鮮に感じたりすることもあるだろう、ということで、この過去の記事連載を、(昨日から)今現在の新しいNEWSと同じ枠のTech-logsに移動しました。
(記事を書いた時の)ひとこと
先日、高速道路での車の運転に疲れてSAに入って休んでいると、おっぱいプリンなんていうのが目に付いた。「大量に余ってしまったプリンの在庫・・・・。何とかして売れないか?そんな試行錯誤から登場した」という。(売れなかったはずの)この製品は、何と「市場に出ると同時に大ヒットを遂げた」という。「男と女」のどちらがこのプリンを買い支えているのかはわからないが、在庫整理の方法を何だかとても面白く感じた。
今回は、その高速道路での新鮮な驚きをキッカケにして、「男と女」と「車」にまつわる(5年前の)ニュースを選んでみました。
理想のカップはCカップ?
大人のオモチャの販売会社Adam & Eve sex toysによる、「 男性では42%、女性では45%が理想のバストは「Cカップ」だと思っている」という調査報告が7/2に発表された。
面白いのが、「大きいバストを好む人の比率は男性の方が女性よりも高く(男性18%, 女性9%)」、その割には「小胸さん = Aカップを好む人の割合も(この差はほとんど誤差だろうが)男性の方が女性よりも高い(男性3%, 女性2%)」というところだろうか。つまり、男性の好みは「巨乳」から「微乳」まで実に幅広い、ということである。
男と女では世界の眺め方が「文字通り」違う
『男と女では世界の眺め方が「文字通り」違う証拠』と 題した発表が7/8のNewswiseに掲載された。この中で、女性は色認識に関係する遺伝子を2種類持つことができるが、「異なる遺伝子を二種持つことにより、赤やオレンジの辺りの色を詳しく知覚することができ、果実を集めたりする(ことが多かった)女性たちにとっては便利だったのかもしれない」という推測と共に、「男女は-文字通り-異なった風に世界を見ているかもしれない」という。
男と女が見ている世界の違いは…知りたいような知りたくないような…。
「美人プログラミングスタイル」と「行き当たりばったり指向プログラミング」
沖ソフトウェア株式会社のWEBページ内で、プログラムのソースを調べて「いちゃもん」をつけるという汎用メトリクスツール「いちゃもん」の作り方という記事が7/16から連載され始めた。このサイトには他にも、美人プログラミングスタイルや行き当たりばったり指向プログラミングなんていう、面白いのにとても勉強になる一粒で二度美味しい記事がある。プログラミング作業に疲れた時には、こんな楽しげなプログラミング手法で枯れそうな心を癒してみるのも良いかもしれない。
ちなみに、他の楽しげなプログラミング手法としては初等ロリータ指向(×嗜好)プログラミング(中級編)もお勧めだ。
スチュワーデスと女子アナの平均顔
ネイチャーインタフェイスの最新号に東京大学の原島博教授による スチュワーデスと女子アナウンサーの平均顔 」の写真が掲載されている。その二枚の写真を眺めると、確かにいかにも「スチュワーデス」と「女子アナウンサー」に見えるから面白い。
アウディの車がエッシャーの世界を走る
最近、アウディのCMが評判になった。その動画をぼんやり眺めていると、一見自然に見えるかもしれない。しかし、よくよく眺めてみるとこの世界はヘンだ!そう、エッシャー(M.C. Escher)が描く不思議な空間をAudiの車が縦横無尽(縦も横も上下左右もよくわからないのだが)に走り回っているのだ。
その撮影のトリックの一端は 6/8にCGNetworksに掲載されたレポートで知ることができる。それは、まさにイリュージョンだ。
2009-12-09[n年前へ]
■NEWS今昔物語 「世界」と「可視化」編 (初出2004年05月00日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
この2,3年後に、自分でカメラ付き携帯とグリッドコンピューティングを組み合わせたシステムを作ってみました。その時感じたのは、画像処理と(サーバ側が保持するPCを用いる)グリッドコンピューティングはどうも、サーバ側にとってあまりメリットがないな、ということでした。クライアントPCの方が性能が良かったり、台数は遥かに多かったり…と、どうもまだもう一皮むく必要があるのではないだろうか、と考えた覚えがあります。
(記事を書いた時の)ひとこと
かつて「世界」はどんな具合だったのでしょうか。現在、あるいは、未来の世界はどうなっているのでしょうか?そんなことを考えながら、いくつかのニュースを選んでみました。
紛争分布の可視化
ノーベル財団のサイトの中にConflict Mapというページがある。ここでは、どの時代に世界の何処で紛争が起こっているかを自由に眺めることができ、一目で世界の紛争の歴史を理解することができる。
まさに、「百聞は一見にしかず」"Seeing is believing"である。情報を上手くまとめどのように他人に見せるか、ということはとても重要だ。この例の場合は、実に深刻な内容をとてもわかりやすく私たちに見せてくれる。そして、そこで伝えられる内容は、とても考えさせられるむずかしいものである。
動画観察が可能な「高速原子間力顕微鏡」
オリンパスが、製品として世界初の動画観察が可能な「高速原子間力顕微鏡」を開発したと、先月14日に発表した。これまでは、静止画の撮影さえ分オーダーの時間がかかっていたのだから、とても大きな進歩だ。ナノメーター(100万分の1ミリ)サイズのDNA分子が動く様子を眺めたり、モータータンパク質が動くようすを眺めてみるとまるで見慣れたオタマジャクシのようにも見えてくる。しかし、その世界はその10万分の一ほどのナノワールドであることを考えると、本当に驚かされてしまう。
ところで、そんな「高速原子間力顕微鏡」が威力を発揮するナノワールドの技術と言えば、先月末には生体分子による計算機製作の報告がNatureに掲載された。生体分子により作られたナノマシンやコンピュータが身近になる日も近いのかもしれない。
カメラ付き携帯とグリッドコンピューティングで「お肌診断」
化粧品メーカーのエイボン・プロダクツが、顧客の肌を自社員のカメラ付き携帯電話で撮影し、サーバーに送信した肌画像をグリッド・コンピューティング利用で解析するサービスを三月に開始した。端末はカメラ付き携帯電話を使い、データ転送は携帯電話から写真添付メールで、そして、解析処理は自宅で稼働する16台のグリッドPCという格安システムだという。
Googleの種々のサービスの場合も、それらのサービスを支えているものは、つまるところ 独自のクラスタリングPCシステムにより他社には真似できない格安なコストパフォーマンスを実現していることだという意見もある。これからの時代、いかに少人数でローコストのハードウェアを使って何かを作り上げていくかということが、どんな業種であれ、重要になっていくに違いない。
2009-12-10[n年前へ]
■NEWS今昔物語 「色んな勘違い・間違い」編 (初出2004年07月00日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
この後、「新書マップ」は「実際の書籍」になりました。まるで本の巣窟、はたまた、迷宮のような実に分厚い本になりました。私も買ったのですが、あまりに収録されている書籍の数が膨大で、全ては未だに読むことができていないような気がします。
ハチは実は怠け者?
「忙しい蜂は悲しむ余裕をもたない」「蜜蜂が他の動物より尊敬されるのは、勤勉であるからではない。他の者のために働くからである」というような言葉に表されるように、ミツバチは「働き者」の代名詞となっている。しかし、実際のミツバチは働き者どころか怠惰をむさぼる怠け者だったらしい。
先月、ドイツ動物学学会から蜂の研究に対する表彰を受けたベルリン自由大学教授のRandolf Menzel博士が言うには、「蜂は夜の80%は寝ているし、昼もすぐ飛ぶのを止めて羽を休めている」らしい。とかく残業が多くなりがちで休むヒマもないひとたちは、ミツバチに(自分自身を重ねて)仲間意識を持っていたりするかもしれない。しかし、哀しいことにそれは勝手な思いこみによる誤解だったようだ。
ホーキング博士が認めた「誤り」と「寺田寅彦の学位論文の誤り」
物理学者スティーヴン・ホーキング博士が、「ブラックホールに落ちた物質が持っていた情報は失われてしまう」という-量子力学に反してしまう「ブラックホールの情報喪失問題」における誤りを認めた 、とnature.comで7/15に発表(日本語訳)された。
ホーキング博士でも誰でも「誤り」はある。そういえば、随筆でも有名な物理学者である 「寺田寅彦の尺八の音響学に関する学位論文にも誤りがあった」という。優れた物理学者達でもミスをする、と聞くと少しホッとする。しかし、自らがおかしているハズのミスの数々を顧みると背筋に冷や汗がタラタラと流れてきてしまう。
新書マップで本棚散策
本屋で探していた本の近くの本棚に何故か目を惹かれ、その本棚につい手を伸ばしてしまうことは多い。また、間違えて本棚から引き出した本が意外に面白く、読みふけってしまうこともある。そして、さらにその隣りの本棚にもまた心を惹かれて…と、いつの間にか本屋の中を長いこと散策してしまったりする人も多いに違いない。
そんな感覚を味わうことができるサイト「新書マップ」が国立情報学研究所により開発され、6月30日から一般公開された。
新書マップは汎用連想計算エンジン(GETA)を使い、さまざまな本を「幻想的なマップ」上にジャンル分けし表示している。しかも、まるで本当に心赴くままに色んなジャンルの本棚を眺めることもできる。これからは、ネット書店の本棚でも長時間散策してしまうかもしれない。
2009-12-11[n年前へ]
■NEWS今昔物語 「浮かぶ・伝える・蘇る」編 (初出2004年09月30日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
先日、Mashup Awards 5の授賞式で、電子レンジとYoutubeを合体させた「ハードウェア改造作品」を見たせいか、(趣味の)電子工作をしたいなという気持ちが増している。時間を作り・資金を作り、色々やってみたいことはあるのだが、なかなかできないままに毎日が過ぎていく…。
そんな風に思っていたら、5年前にもそんなことを書いていた。これは、良くない状態だ。まるで、全く進歩していないではないか。
(記事を書いた時の)ひとこと
最近ハードウェアをいじることが少なくなってしまったせいか、ピカピカ光ったり、グルグル回ったりする電子オモチャを作ってみたい今日この頃。そこで、電子工作関連のニュースを今回は集めてみた。
空に浮かぶ「イメージ」や「ゲーム」
今年の夏休みの課題としてレーザープロジェクタを自作した人がいるしていて、何だかとても楽しそうだ。
光で走査してイメージを描くと言えば「LEDなどを空中で走査し、視覚の残像現象を利用して空中に画像や文字を描く装置」を「バーサライタ)」を作った人だ。空中にメッセージを浮かべてみたり、ゲームを浮かべてみたり、あなたの心にも何か面白い「イメージ」が浮かんでくるかもしれない。
FPGAで蘇る懐かしの「マイコン」
先月の28日、NEC PC-8001が発売された1979年9月28日、 アーケード・ゲーム)などもFPGA上で動いていて、古くからのコンピュータ・ファンならば思わず涙を流してしまうはずだ。
ちなみに、10月29日(東京)と11月5日(大阪)に開催されるAltera PLD WORLD 2004ではアスキーらにより報告 FPGAを使ってMSX1レベルの機能を再現する試作機も報告される。FPGAユーザーはもちろん、懐かしの「マイコン」を振り返りたい人ならば要チェックだとろう。
触れて伝える「メッセージ」
先月、USB接続のRFID開発キットが市販されるようになり、一般の人でも無線ICタグの開発を楽しむことができるようになった。そんな無線通信で遊ぶのも楽しそうだが、さらに楽しそうな「究極」の有線通信技術が実用化された。
なんと、先月13日に松下電工が「人体を通信ケーブルの代わりに利用し、データ通信をおこなう」という「人体通信」技術を製品搭載したと発表から3700bpsに高速化しており、人体経由の割には高速であることもビックリだ。触れて伝える「メッセージ」なんて、ちょっとドキドキしてきませんか?
「歌うハードディスク」や「歌う花」
先月22日、活けた花をスピーカーにしてしまう「花スピーカーが参考になる)を奏で始めたら、冷汗ダラダラだろうか?
そんなクラッシュしてしまったハードディスクに音楽を奏でさせてしまった人がいる)、これがそれほど悪くない音質であることにもビックリするハズだ。