hirax.net::Keywords::「新幹線」のブログ



2002-06-21[n年前へ]

貧血オン・ザ・コダマ 

 で、帰りの新幹線の中で貧血になった。顔が冷たい。ビックリだ。

2002-07-03[n年前へ]

あなたの声を聞きたい。 

「たった五文字」の読唇術

 東京駅から、いつも22:46時発三島行きの最終の新幹線に乗る。最終の新幹線だけが停まっているホームは、何だかいつも少し寂しい。ホームを歩いている人の数も少ないし、列車の中で席に座っている人達もほとんどが眠っているが、ぼんやりとしていてとても静かだ。

 そんな静かな新幹線のホームを、酔い覚ましの缶ジュースを飲みながら歩いていると、たまに「つかの間の別れ」をしのんでいる恋人達を見かける。ホームの柱の影で静かに話をしている二人もいれば、ほとんど何も喋っていないような二人もいる。どちらにしても、二人で見つめ合っていて、それをはたから眺めている私がいることなんか気づくはずもない。
 

最終のこだまの中から。

 そして、列車の発車を知らせるベルが鳴り響くと、多くの場合恋人達はドアのところで佇んで辛そうに言葉を交わしている。とはいえ、夜も遅いのにも関わらずベルの音はやはりとてもうるさい。だから、きっと相手の声がよく聞こえないのだろう。まるで耳の聞こえないもの同士が読唇術を試みるかのように、相手の唇の動きを見つめ続けている。あるいはもしかしたら、近くを歩く私などを意識して、とても小さい声で話をしているのかもしれない。

 どちらにしても、ベルが鳴りやんでドアが閉まった後は、相手の声が聞こえるはずもないから、相手の唇の動きだけを手がかりにして、相手を見つめながら言葉を交わしている。近くにいる私からはよく判らないけれど、二人の間では、相手の唇の動きだけで相手が何を言っているのかが判るのだろう。その二人にしか判らないことだろうけれど、きっとそうに違いない。そんな景色を眺めながら、ふとこんなことを思いついた。
 

 何かを喋る人達の唇の動きをPCに繋がったビデオカメラで撮影して、その画面を解析して「相手が何を伝えようとしているか」を調べるソフトがあれば、読心術とは言わないまでも私達は読唇術を身につけることになる。相手の唇の動きさえ判れば、相手の言葉が聞こえるようになる。新幹線のホームで読唇術で心を伝え合う恋人達のように、私達も相手の声が聞こえるようになる。

 そこで、ビデオカメラの画面の中から唇の形を検出して、何を喋っているのか、何を喋ろうとしているのかをリアルタイムに検出する読唇術ソフトウェアを作ってみた。とはいえ、一晩で作ったソフトだから、たった五文字の母音を検出できるだけだ。SPEAKINGMOUTHで眺めた「唇の動き」と自分の唇の動きを参考にして、相手の唇の動きから「五文字の母音」つまりア・イ・ウ・エ・オを読みとるだけだ。子音の判定は難しいけれど、日本語のように必ず母音を伴う言葉であれば、どの母音かが判るだけでも、相手の言葉を想像するためのとても大きな手がかりになるだろう。
 

SPEAKINGMOUTHで眺める「唇の動き」





 作ったソフトの名前はLip-reading、いつものように数回動かしただけの大雑把なソフトだけれど、これを使えば新幹線のドアのガラス越しに言葉を交わす恋人達のように読唇術を身につけることがきっとできるかもしれない。

動作画面は下のようになる。まずは、PCにビデオカメラを繋げて、そして相手の唇が画面の中央にくるようにビデオカメラを向ける。そうしたら、Startボタンでキャプチャーを開始して、右下の三つのスライダーを調節して、唇が白く浮かぶようにする。そうすれば、左下の画面で「相手が何を伝えようとしているか」が判る。相手の声が聞こえなくても、相手が何を伝えようとしているのかが判るのだ。これは、そんな風に相手の唇を見つめながら読唇術をするソフトウェアだ。
 
lipreadingの動作画面
(ウの形に唇を動かしてみたところ)

 そういえば、いつも私が眺める景色は東京発三島行きの最終こだまが停まっている東京駅のプラットホームだけれど、この間はそれとは逆の風景を眺めた。私は三島駅のホームにいて、ちょうど最終の東京駅行き22:34発のこだまが三島を出るところだった。

 そこにはやはり、こだまのドア越しに唇で言葉を交わす二人がいた。この二人も相手の唇だけを見つめているように見えた。私には二人の声は聞こえなかったけれど、きっと何かの言葉を交わしていたのだろうと思う。ゆっくり新幹線が動き出している時にも、ホームに立っていた方が何歩かこだまに向かって歩きながら、やっぱりそれでも言葉を交わしていたようにに見えた。

 そんな景色を頭に浮かべながら、次のようなことを考えた。今晩作ったこのlipreadingは、「たった五文字」の

「アイウエオ」
しか相手の唇の動きから読みとることができない。だけど、きっとあの恋人達が交わしてる唇の動きだって、きっとそんな「ほんの五文字」なのかもしれないと、ふと思ったりする。きっと、そうなのかもしれない、と思ったりする。
 
「アイシテル?」

「アイシテル。」

2002-08-17[n年前へ]

A Finite Element Model of the Breast for Predicting Mechanical Deformations during Biospy Procedures 

 F.S.Azarら。これを新幹線の中で読んでるときに、隣にいたくごうさんから「その論文は何?」と言われたときにはドキドキものだったのだ。もちろん、「乳がんの早期発見」のための研究なわけだけれど、図を見るからに「巨乳をはさんで変形させている」ようにしか見えないのだもの。

2002-10-14[n年前へ]

金正日(キムジョンイル) ナゾの9% 

ベールの内側を垣間見るのだ


  新幹線の中で週刊文春のページをパラパラとめくっていると、数々のスクープ写真で知られる不肖・宮嶋茂樹らの「面白い金正日のグラビア特集」が載っていた。新聞によく載っているような「一見真面目だけど、当たり障りのない記事」ではなく、一風変わった視点から(も)金正日を眺めたグラビア写真集だった。それは、例えば金正日の「頭頂部の増毛の日々」を追いかけてみたり、例えば金正日ご自慢の「シークレットブーツ」も俎上に上げてみたり、というような記事だったのである。つまりは、金正日の頭のてっぺんから足先までその秘密をある意味深~く覗いた記事だったのである。

 その頃、日本にも同じように「シークレットブーツ疑惑」に襲われていた似たような「家元」世襲二代目のお坊ちゃまがいたが、金正日のそれはそれとは比べものにならないほどにワタシの興味を惹いたのだった。そして、ついにはその興味に惹かれるままにこの「シークレットブーツ疑惑」をワタシも研究してみることにしたのである。

 そもそも、不肖・宮嶋茂樹らの記事は「金正日のズボンの謎の折り目、ありゃ一体なんなんだ?」という指摘だった。確かに、その指摘通りに金正日のズボンの裾にはいつも謎の折り目がついているのである。いつも同じような服とズボンであるのだけれど、それに加えて金正日のズボンの裾には確かにいつも同じ「不可解な」折り目がついているのであった。ズボンの裾の10cmくらい上に見るからにヘ~ンな折り目がついているのである。
 

何ですか?その変な折り目は?

 先入観なしにその写真を眺めてみても、その折り目はどーにも「この高さまで妙にハイカットのブーツがありますよー、つまりはここまでがシークレットブーツの高さなんざんすよー」と主張しているようにしか見えないのである。そして、先の記事中ではその折り目の高さ辺りにホントの踵が隠されていて、その位置をズボンの裾の角度を頼りに計算してみると金正日のウソッコ身長、つまりはシークレットブーツの高さはおよそ15cmナリと算出しているのであった。

 しかし、もしかしたら、もしかしたら、その折り目は単なるズボンの作りがためについてしまっているだけかもしれない。あるいは、金正日の脚があまりに短くて、そのズボンが15cmほどズボンの内側に裾上げされているのかもしれない。その裾上げの縫い目かなにかで、いつも謎の折り目がついてしまっているのかもしれない。はたまた、金正日の王国では「裾上15cmの折り目」がカコイイとされているのかもしれないし、普通のブーツではなくてハイカットのブーツを履くべし、とされているのかもしれない。だから、ズボンのベールの外側に見える「ナゾの折り目」だけを頼りに、金正日はシークレットブーツ着用マニアだー、と騒ぎ立ててみても、万が一に間違っている可能性だって無いとはいえないのである。
 

 そこで、あえて「ズボンに残るナゾの折り目」は無視して、素直に「金正日の足の長さ」を計ってみることにした。とりあえずは、Googleのイメージ検索で集めた金正日の写真から、身長に対する股下長を計ってみることにしたのである。また、歩いているときの画像など明らかに膝の位置が分かるものについては、股下長を「膝上・膝下」に分けて画像計測してみた。
 

金正日の脚の長さを測ってみるのだ
股下長 : 43 %

膝下長 / 股下長 = 70%
股下長 : 41 %

膝下長 / 股下長 = 68%
股下長 : 40%

 上の三枚の画像で計測してみた結果では、金正日の股下長はおおよそ身長の42%弱という結果が得られる。三枚の画像から得られた結果がとても良く一致するところから、この値はまぁ信頼できると考えて良いと思う。ところで、実は短足胴長で世間にその名を知られる日本人の平均股下長でさえ44%強なのである(「日本人の人体計測データ」)。すると、金正日の股下42%弱という値よりよっぽど日本人の平均値の方が高いということになるのである。つまりは、胴長短足の日本人よりも金正日はさらに胴長短足なのである。もちろん、とてつもなく短足というわけではないが、とても金正日がシークレットブーツを履いているとはとても思えない脚の短さなのである。

 ということは、裾下15cm上でその存在を主張する「ズボンの奇妙キテレツなシワ」は金正日の脚の短さ故にズボン内部に大幅に折りたたまれている裾上げのせいなのだろうか?「シークレットブーツ疑惑」は冤罪であって、それは単に哀しき短足の証拠なのだろうか?どんなズボンも全てが全て長すぎて必ず裾上げが必要で、その裾上げの証拠が必ずズボンに現れてしまっているのだろうか?金正日の「シークレットブーツ疑惑」は事実無根であったのだろうか?

 いいや、違うのである。上の左二枚の写真をじっくり眺めるまでもなく、股下長の割に膝下長がやたらめったら長いのである。異常と言っても良いほどに膝下が長いのだ。日本人の場合、(膝下長/ 股下長)の平均は約60%である。金正日は別に日本人ではないが、この金正日の約69%という値はあまりに異常なのである。もし、日本人の場合と同じように(膝下長/ 股下長)が60%であるとしたら、ホントの膝下長を x ( % ) とすれば

x / ( x+ 13) == 0.6
x = 19.5
であるから、金正日の膝下長は約29%ではなく約20%でなければならないのである。じゃぁ、その29%から20%に減った9%は一体何だろうか?あまりに不可解な「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない、それは何かと問われてしまう」ナゾの9%の高さが一体何かというと、それはもちろんシークレットブーツの高さに決まっているのである。金正日の身長を仮に165cm位とすれば、人間形状の平均値をもとに言えば、そのおおよそ9%= 15cmがシークレットブーツの高さである、ということになるのだ。

 そう、何と不肖・宮嶋茂樹らが「ズボンの裾の角度を頼りに計算されたシークレットブーツの高さ= 15cm」という結果とピッタリ一致するのである。方や、ズボンの裾に浮かび上がる「ズボンの奇妙キテレツなシワ」から推定したシークレットブーツの高さと、胴長短足の日本人の平均値から推定された「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない」ナゾの9%の高さが見事なまでに一致するのである。金正日のシークレットブーツの高さは15cm程度であると、複数の別の手法から確認されてしまったわけなのである。

 というわけで、今回の研究から「金正日はムチャクチャ短足で、15cmもの高さのシークレットブーツを履いてみても、なおまだ胴長短足の平均的日本人よりもまだまだ股下長が短いのだ…」という哀しい真実が、金正日のズボンの裾のベールの内側から浮かび上がってくるのである。
 
 

あまりにアブナイ、15cm高のシークレットブーツを履いた状態での階段降り。
まるで膝と踵の間にもう一つ関節があるような…。
そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような…?

 ところで、上の写真は「あまりにアブナイ15cm高のシークレットブーツを履いた状態での金正日の階段降りのシーン」である。まるで、金正日には膝と踵の間にもう一つ関節があるような不自然で奇妙な脚の形に見えてしまうのだ。そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような気がしてしまうのである。
 こんな奇妙な歩き方を眺めていると、ベールの内側の不自然でウソッコな足下に気をつけて欲しいな、と強く強く思うのである。

2002-11-20[n年前へ]

大林宣彦の眺める亀井静香 

 大林宣彦に取材したとき、彼はこんなことを言っていたそうだ。「亀井静香を新幹線のホームで見かけた。亀井静香は新幹線のホームの一番先に一人で立っていたそうだ。しかも、寂しそうにぼんやりと景色を眺めていた亀井静香が少年のように大林宣彦には見えた」というのである。面白い話だなぁ。亀井静香が少年だもんなぁ。私なら「なるほど、亀井静香は鉄分が濃いのだな」と思ってしまうところだが。
 そういえば、死刑廃止議員連盟の会長は彼なんだよなぁ。ちょっと面白い。



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