hirax.net::Keywords::「楕円」のブログ



2004-02-21[n年前へ]

"M&M's"チョコで箱詰め問題 

 「容器を振動させながら粒子を無作為に詰める際には、容器に詰めた際の密度は、球形のベアリングで約64%、偏球形のM&M’sチョコが約68%だった。コンピューターでシミュレーションを行い、球形を変化させて密度を計算した結果、アーモンドのような楕円球形が最高の74%だったという」という"M&M's"チョコで箱詰め問題。容器を10%小さくできるわけだから、とても現実的に役立つ話だ。

 彼らはこの研究により、125ポンド(約57キロ)のアーモンドM&M'sを製造元から贈呈された。しかし、オッパイ星人の力学をいくら研究してみても何も贈呈されることもないのは、考えるまでもなく当たり前の話。
from B面

2005-07-26[n年前へ]

測地系のズレと地震グラグラ 

ここギコ!: Google Mapsの疑似日本測地系とかいうアレに関する勘違い 「日本測地系と世界測地系のズレ」の話を読み、先日の渋谷で揺れの大きい地震に驚き、学生時代に学んだ内容を思い出した。それは、第二次世界大戦前にあった同じような「二つの測地系のズレ」の話である

長春概要 第二次世界大戦前、東京を原点とする日本の測地座標系と長春を原点とする旧満州の測地座標系が結合された時にも同様の「二つの測地系のズレ」問題が発生した。これは、東京原点付近の地殻構造が複雑でジオイドが「地球全体に適合する楕円体」に対して傾斜しているからである。(各原点の位置計測精度によるズレによるものでなく)各原点のジオイド形状の違いにより、その問題が生じた。

天文経緯度と測地経緯度 測地系で用いられる準拠楕円体は、「原点におけるジオイド」に接する「ベッセル楕円体」として定められる。ジオイドとは「重力の等ポテンシャル面のうち平均海面と一致するもの」である。地形形状や地面内部の物質分布などにより、滑らかではあるが決して単純な形状ではない。特に、東京原点付近のような地殻構造が複雑な地域では複雑に凹凸を持つことになる。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/geod-soc/web-text/part3/kuroishi/kuroishi-4_files/Fig4.jpg そのため、(ジオイドが凹凸形状をした)東京を原点とする日本のベッセル楕円体と「地球全体に適合する楕円体」は中心位置が大きくずれたものとなる。それに対して、(大陸内部に位置しジオイドの傾斜量が小さい)長春を原点とするベッセル楕円体と「地球全体に適合する楕円体」のズレは比較的小さい。その結果、東京を原点とする日本測地座標系と長春原点の旧満州測地座標系の間にズレが生じたわけである。

 最近巷で見かける「日本測地系と世界測地系のズレ」も原因を辿れば、東京原点付近の地殻内部構造に端を発していることになる。つまり、結局のところ、日本で頻発する地震とその原因は同じであるということになる。測地系の位置ズレ問題とプレートの位置ズレ問題(地震)は似たような話、と言うことができるかもしれない。

2006-05-20[n年前へ]

ちょっとお勧め!?Ajx的「平林メソッド」 

プレゼン三重苦に涙した結果…

 私もよく「もんたメソッド」の変種をプレゼンテーションで使います。「もんたメソッド」は、「答え」をポストイットで隠しておき,そのポストイットを剥がすテクニックであるわけですが、私もそれと似たようなテクニックをよく使います。多人数を相手に一人で喋らなければならないとき、話の仕方を決めたり、その場の雰囲気を和ませたりするのに結構便利なテクニックなので、ここで少し紹介してみることにします。

プレゼン三重苦!?

 講習会や講演会などで話をする際、一番困るのが「聴衆がどんな人たちなのかわからない」という状況です。演台に立ったはいいけれど、自分の前に座ってこっちを見ている聴衆の人たちは、どんな知識がある人たちで・どんなことに興味がる人たちで…といった聴衆の背景が全く分からない場合、どのように話をしていったら良いのかとても悩んでしまいます。なにしろ、聴衆の背景がまったくわからないのですから、どんな話題をどんな風に出せば「聴衆の興味にはまる」のかもわかりませんし、どの程度の詳しさの説明をすれば「聴衆が納得・理解する」のかも皆目見当がつかないからです。しかし、こういう状況が実は結構多いのです。

 また、他にも「これは困る」と思うことがあります。それは「会場の固い雰囲気」です。会場がシーンと静まりかえって聴衆に耳を傾けてもらえる…というのはありがたい限りなのですが、あまりにその場の空気が張りつめているのは話し手にとっては結構ツライものです。そんな針山の上に座らされたような雰囲気では、どうしても緊張してしまい、話がスムースではなくなってしまうのが普通です。話し手がガチガチに緊張しながら喋ってしまえば、当然その緊張は聴き手にも伝わってしまいます。そして、その結果、会場全体がガチガチでコチコチの固くて重い雰囲気に包まれてしまうのです。

 かといって、「固い空気」とは正反対にユルユル・ダラダラしすぎた空気というのも困りものです。話し手に対して耳を傾ける気配なんか全然なく、机の上に顔を伏せて眠っている人たちがいたり、隣同士で雑談をしたりしている人たちもいる…なんていう雰囲気だって、発表者にとってはもちろんツライ状況であるわけです。それではまるで、ダレた学校の授業風景です…。やはり、もう少しマジメに真剣に耳を傾けて欲しいものです。

プレゼン三重苦 こんな「聴衆の背景がわからない」「会場がシーンと静まりかえって、その場の空気が固い」「どうも聴き手がマジメに話を聴いてない」というありがちな三重苦状態を解決するために、私が生み出したのが「平林メソッド」です(つまり、そういうツライ場面に何度も涙してきたわけです…)。それは一体どんなテクニックかというと…、「聴衆の背景がわからない」なら「聴衆に聴けばいい」、「会場がシーンと静まりかえっている」なら「聴衆を喋らせればいい」、「ダレた学校の授業のように、(生徒…じゃなかった)聴衆に真剣味がない」なら「学校の授業でよくやるように聴衆に問題を出して、一人づつ誰かを当てればいい」というわけです。つまり、

  聴衆に質問をし話をして(答えて)もらう

のです。ただし、それを「自然に」「聴衆が興味を持つように」「面白く」やるのがテクニックです。そうでないと、なんだか空気がギスギス・トゲトゲしたものになってしまい、とんだ逆効果になってしまうからです。

Ajax的プレゼン・テクニック!?

 それでは、どんな風に「自然に」「聴衆が興味を持つように」やるかというと…ノートPCの「2画別内容出力機能」とMicrosoft PowerPointの「スライドショー中にスライドを書き換えることができる機能」を活用するのです。そんなAjax的テクニックを活用した方法が「平林メソッド」です。そこで、試しに具体例をこれからやってみることにしましょう。

 まずは、例えばこんな「(聴衆に対して)あなたはどんな人ですか?」というスライドを作っておきます。そして、自分の自己紹介の後にでも(講演会などの場合には司会者がまず講演者の紹介をしますから)、このスライドを映し出すわけです(画面キャプチャした画像の左半分がスクリーンに投影されている部分で、右半分がノートPCの液晶画面に映し出されている発表者だけが眺めている部分です)。そして、「話をする上でも、あなた方のことを知りたいので…」とでも言いながら、スライドに書いてある質問を聴衆の一人にでもしてみるわけです。  (注:Paul Grahamは「ポール・グレアム」と表記しようキャンペーンもご覧下さい)

実例 1

ノートPCの液晶画面に映し出されている発表者だけが眺めている部分を見るとわかるのですが、このスライドの重要なポイントは、実は聴衆の答えに応じてスライドに「マークをつけるための図(楕円)」がスライドの外の部分に(こっそり)配置してあることです。指名された聴衆が質問に答えたら、その答えを聞きながら、(すかさず、こっそり)自分だけが眺めているノートPCの液晶画面中で「マークをつけるための図(楕円)」を動かし、その答の部分にマークを移動させてやるわけです。その瞬間を示したのが次の図です。ノートPCの液晶画面内で、表示中のスライドに対して編集作業が行われていることがわかると思います。ただし、この時点ではスクリーンに投影されている、つまり聴衆が眺めているスライドには特に何の変化もなく、最初と全く同じスライドのままです。

実例 2

 そして、次の瞬間マウスで表示中のスライドをクリックしてやると、あらビックリ「(聴衆が眺めている)スライドが書き換わる」のです!つまり、指名された聴衆が答えた内容そのままにスライドが書き換っているわけです。それが次の図です。

実例 3

聴衆からすると、まるで聴衆の答えが予知された上、(その予知にしたがって)すでにスライドが作成されていたような不思議な「面白い」感じを覚えることになります。こうしたテクニックを使ったスライドを何枚か使っていくと、聴衆次第で(細かな部分では)違う結果(内容)のスライドが積み重なっていくわけです。それは、つまりその場の聴衆が作り上げた(その場の聴衆自身を映し出す)自分たちのオリジナル・スライドができあがっていく、ということです。すると、自然に聴衆がスライド(話の内容)に興味を持ち始めるわけです。

役に立つことを祈りつつ…。

 こういうやりとりを通じて、聴衆自身に(自然に面白く)聴衆の背景を聞いていけば、発表者がこれから話をどのようにしていけば良いのかもわかります。しかも、聴衆が質問に答えて喋ってくれたおかげで、シーンと静まりかえっていた会場もいつの間にか和やかな一体感に包まれる…というわけです。

プレゼン三重苦 解決法!? さらに、「この講演者は聴衆を当てるぞ…」ということがわかるわけですから、聴衆はイヤでも真剣に話を聴くようになります。とはいえ、集中力は必ずダレてくるものです。そこで、ダレてくる時間帯あたりに、「それまでに話してきたことを題材にでもしてクイズ大会」をやってみるのもお勧めです。やり方はもちろん、一番最初と同じように「クイズ用のスライド」を使って、聴衆の答えに応じてスライドを編集・書き換えるAjax的テクニックを使うわけです。できれば、こんな時は景品をつけてみるのもお勧めです。そうすれば、学校の授業で指されるイヤな感じと違って、ビンゴ大会のように雰囲気が盛り上がること間違いなし、です。もちろん、聴取の集中力だって盛り上がるはずです。

 このテクニックは色んな応用例ができると思います。その場に応じた、上手いバリエーションを考えてみるのも楽しいかもしれません。

2009-06-02[n年前へ]

「楕円上を動くふたつの円」で考える「ブラのカップサイズ」 

 「楕円の周上」に中心を持つ2つの円が、その「楕円の周上」を動くとき、二つの円の位置を変数として、「楕円の周長」と「楕円および2つの円を囲む曲線の中で長さが最小となるものの曲線長」の「差」を求めなさい、・・・という問題があったとする。これは、もちろん立派な数学(算数)の問題である。二つの円の位置を変数とした、一種の最小化問題である。

 しかし、下の図(人の胸部部分を単純化した断面図)とともに、そしてこのサイトhirax.net上で上記の「問題文」を眺めると、この問題の趣は少し変わる。上記の問題文が意図するところは、こうだ。「胴体のどこにふたつのバスト(=円)が位置するかで決まる、アンダーバストとトップバストの差、すなわちブラジャーのカップサイズを求めよ」という問題に変わるのである。

 つまり、この問題文はブラジャーのカップサイズの「最適化問題」なのだ。この「最適化」は、人によって、「最大化」指向(嗜好)の場合もあるだろうし、あるいは「最小化」指向(嗜好)の場合もあるかもしれない。しかし、いずれの場合にせよ、この問いは「単純化したバストにおけるブラジャーのカップサイズの最適化問題」なのだ。

 さて、図を見れば、そして少し考えればわかるように、このモデルでは(トップバストとアンダーバストの長さの差から決まる)ブラジャーのカップサイズは、二つのバストが反対位置にあるときに最大の値をとる。つまり、ふたつの胸は離れていれば離れているほど、カップサイズは大きくなる。極端な話、たとえば、両脇の下に胸があったりしたら、ブラジャーのカップサイズが大きくなるのである

 こんな風に、つらつらと考えてみると、なるほどごく単純な楕円と円だけを材料に作った算数の問題でさえ、なんと奥が深いのだろう!と感嘆する人も多いのではないだろうか。・・・そんなわけないか。

楕円上を動く「ふたつの円」で考えるブラのカップサイズ






2013-06-02[n年前へ]

「楕円上のブラカップ」「黒棒人間を集めるRubyスクリプト」「自転車の消費カロリーを計算しよう!」 

 今日、06月02日の「n 年前へ」は、「楕円上を動くふたつの円」で考える「ブラのカップサイズ」Microsoft オフィスの「黒い人」画像をかき集めるRubyスクリプト「自転車で使うエネルギー」をパワー(ワット)とエネルギー(カロリー)で眺めてみる!?などです。

 このモデルでは(トップバストとアンダーバストの長さの差から決まる)ブラジャーのカップサイズは、二つのバストが反対位置にあるときに最大の値をとる。つまり、ふたつの胸は離れていれば離れているほど、カップサイズは大きくなる。極端な話、たとえば、両脇の下に胸があったりしたら、ブラジャーのカップサイズが大きくなるのである
 Microsoft オフィスの「黒い人」ベクトル画像をかき集めるRubyスクリプト…そんなニッチで役に立ちそうにないものを欲しかる人はいそうにありません。…けれど、世の中には奇妙奇天烈な趣味嗜好を持つ人がいるかもしれないので、ここに貼り付けておくことにします。
 …「道の斜度」と「自転車の時速」から、必要なパワー(ワット=W)を大雑把に計算してみました。その結果が、下のグラフです。…斜度が付くと途端にスピードを出せなくなるということがわかります。Sin(サイン)と速度の1乗で効いてくる道の斜度や、速度の3乗で効いてくる空気抵抗や、そんな影響がグラフに示されています。



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