2009-11-05[n年前へ]
■経済成長率下のゼロサムゲーム
小島寛之「数学で考える 」から。
どんなに個人が有望そうな投資戦略を取ったとしても、経済成長率がゼロなら、国民全員の投資収益を集計するとゼロになる。つまり、国民全員で見た場合、投資とは単なるギャンブルによって現資産の再分配をしているにすぎないことになる。
以下は、「数学で考える 」の中で引用されている村上春樹の「パン屋再襲撃」から。
つまり世の中には正しい結果をもたらす正しくない選択もあるし、正しくない結果をもたらす正しい選択もあるということだ。
2009-11-21[n年前へ]
■消費者物価指数とポジティブ・フィードバック
景気の変化をわかりやすく眺めてみたくなったので、 日本の消費者物価指数(CPI)のグラフを張り付けてみた。このグラフは、右下部にある小さなボタンを押すことで、表示する内容を切り換えることができるものである。
このグラフには、1ページ目に「主な消費者物価指数(前年同期比)の推移」が、2ページ目に「主な消費者物価指数の推移」が、3ページ目に「消費者物価指数と前年比の推移」が収録されています。
2ページ目や、3ページ目を眺めると、ここ2,3年は、実に単調に消費者物価指数が低下し続けていることがわかる。この消費者物価指数低下が続くことの要因は、一体どんなものがあるのだろうか。新聞記事をしっかり読んでいれば、その要因分析結果などが解析・解説されているのだろうか。
・・・それにしても、と思う。経済社会はどう考えても、制御工学的にはポジティブ・フィードバックの不安定極まりない世界に思えてならない。少しの外乱が、大きな変動を生み、その変動がさらに激しい波を生むようにみえる。もしかしたら、そこには結構長いムダ時間があったりして、意外にセンシティブではないのかもしれないが、やはりポジティブ・フィードバックの不安定な状態に見える。かといって、安定を実現するネガティブ・フィードバックでは、永遠に一定で変わらない世界になってしまう。おそらく、それでは何の発展もなく進化さえしない世界になってしまうかもしれない。
ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるかで、結局は「発散」してしまうことになる。
次に平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックである。「ポジティブ」という名前が付けられた、しかし、それは同時に不況への案内図なのかもしれない。
以前は途中で挫折したが、もう一度、経済学の教科書に書いてあることをMatlab/Simulinkで実装しつつ、学んでみよう。
2009-12-16[n年前へ]
■人間は論理・合理だけではうまくやっていけない
「阿川佐和子の会えばなるほど―この人に会いたい〈6〉 (文春文庫) 」中の、数学者というか、エッセイストの藤原正彦の言葉から。
藤原:人間は論理・合理だけではうまくやっていけないんだと。マルクスのような大天才が作った共産主義も論理的には非常に美しい。しかし、七十四年間、ソ連が実験して大失敗に帰した。それは人間と言う種には不適切だったからなんです。「理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! 」の小島先生の2回分と合わせて読むと、とても面白く感じる。また、小川洋子の「博士の愛した数式 (新潮文庫) 」もさらに読んでみるのも面白いかもしれない。
2009-12-20[n年前へ]
■我が国は、高校生に重要な経済問題を理解する基本的スキルを教えなければならない。
やはり、「アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ 」は良い。というわけで、またもや「アメリカの高校生が学ぶ経済学」で学ぶの時と同じように、またもや復習を繰り返している。専門書を読み進めようとすると、途端に全体が見えなくなってしまうので、何回もこの本に戻ることになる。
我が国は、高校生に重要な経済問題を理解する基本的スキルを教えなければならない。…高校卒業までに経済学の充実した教育を受けなければ、ほとんどの成人は、経済の機能や富の創造過程における自らの役割を学ぶ機会がまったく与えられなかったことになる。
本書冒頭に掲げられている W.B.ウォルスタッドの言葉
すべての人が突然、想像以上に裕福になったとしよう。大金持になっても、欲しいものの多くは手に入らない事態に陥る。
2009-12-29[n年前へ]
■自ら「定義」し、「考察」をする
「アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ 」のミクロ経済学の復習実践課題から。
■ 以下の用語を定義しなさい。 「外部性」
■ 軍事基地の閉鎖から起こり得る正の外部性と負の外部性を1つずつあげなさい。