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2012-12-09[n年前へ]

気象学的に探る「ゴッホの冒険」 

 "The Meteorological Odyssey of Vincent van Gogh ー気象学的に探る「ゴッホの冒険」(1990)"には、ゴッホの絵画に絵画に描かれた空が「どのくらい雲に覆われているか」を調べ・絵が描かれた地方の(実際の)気象データと比較した数値が示されています。

 その数値をエクセルでグラフにしてみたのが、下の図です。横軸は「雲被覆率(制作地最寄りの気象台データ)」で縦軸は「ゴッホ絵画中の画面から推定された雲被覆値」です。散布点(絵画が制作された場所)は、雲で覆われた比率が高い方から、オランダ、パリ、オーヴェル=シェル=オワーズ、サン=レミ、アルルです。

 このグラフを眺めると、アルルやサン=レミといった地中海沿いの街は、雲が多いオランダと違い、現実の世界もゴッホが描いた世界も、濃い空の色に覆われていたんだ…と感じます。そして、気象学データを使った絵画解説を読みながら「世界地図」を見ると、行ったことがない街へ足を伸ばしてみたくなったりします。

気象学的に探る「ゴッホの冒険」






2013-08-25[n年前へ]

3DスキャンとUVインクジェットによるゴッホ油絵のレプリカ 

  ゴッホ美術館と富士フィルムによる、ゴッホの油絵を形状計測および写真撮影した上で、その結果をUVインクジェットで再現したというゴッホ油絵のレプリカ(Relievo)。レプリカの「細部拡大写真は、リンク先ページ(FUJIFILM)末尾にある。キャンバス側面なども「再現」するというこだわりが、とても面白い。

 この手の技術だと、凹凸形状に特徴があり・メディウム内の散乱が大きい(モデリングとグレージングを別個に描いたりしない)印象派以降の油絵が、ニーズや(それっぽさの)再現しやすさという点で、相性が良いのかも。

 The reliefography process makes use of external technologies (3D scanning) and Fujifilm technology. Fujifilm products and specific knowledge involved are colour management expertise, UV inkjet printing technology and Fujifilm Forge Guard anti-counterfeit seals.

3DスキャンとUVインクジェットによるゴッホ油絵のレプリカ3DスキャンとUVインクジェットによるゴッホ油絵のレプリカ






2014-04-07[n年前へ]

浮世絵の版木を彫るタッチで絵を描けばゴッホの絵画ができあがる!? 

 画家フィンセント・ファン・ゴッホは浮世絵収集家でもありました。そんなゴッホの筆使い、いわゆる”ゴッホ”な絵を描くようになってからの筆使いを眺めると、まるで彫刻刀で木を削り出した跡のような、版画の版木に残る「彫り跡」のように見えることがあります。

 そこで、今日は歌川広重の東海道五十三次「庄野」を刷った版木の彫り跡を重ね合わせて、「一枚の絵画」にしてみました。画の流れに沿って流れるように筆を運ぶゴッホの画のような風景が、広重の版木から浮かび上がってくるかもしれない…と感じたりします。

浮世絵の版木を彫るタッチで絵を描けばゴッホの絵画ができあがる!?






2014-05-17[n年前へ]

ゴッホの「星月夜」を3次元的にグリグリ眺めてみよう!? 

 「見る方向で姿が変わるリアルな浮世絵を3次元的にグリグリ眺めてみよう!?」では、ちょっと真面目に、幕末から明治にかけての浮世絵師「月岡芳年」の作品を3次元的にグリグリ眺めてみました。

 今日は、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜(La nuit étoilée)」を、とてもテキトーに”グリグリ”眺めることができるようにしてみました。RGB画像を元にして、テキトーに凹凸データを作り、表面の粗さ分布もこれまたテキトーにでっちあげ、それらを重ね合わせて眺めてみました。

 いつか、超高解像度撮影画像に対して、”Synthesizing Oil Painting Surface Geometry from a Single Photograph”に書かれているような高品位に3次元レンダリングが可能な方法を試してみたいと思います。そうすれば、自分の手元で、凄くリアルに眺めることができる名画を作り出すこともできるかもしれません。

ゴッホの「星月夜」を3次元的にグリグリ眺めてみよう!?






2014-07-29[n年前へ]

グレア錯視が生み出す「明るさや輝き」を感じさせる写真や絵画の秘密 

 グレア錯視が生み出す「明るさや輝き」を感じさせる写真や絵画の秘密を書きました。

 だから、右のような夕日の周りに明るさや色のグラデーションがある写真を見ると、夕日部分の輝度は(撮影時に飽和してしまい)「ただの白色」に過ぎないはずなのに、明るく眩しく輝いているように感じられるのです。逆に言えば、明るい部分が飽和してしまいそうな状況でも、明るい部分の周りにグラデーションを写し込んでおけば、後で眺めるときにも「ちゃんと明るく感じる」ことができる、というわけです。

錯視








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