2012-12-09[n年前へ]
■気象学的に探る「ゴッホの冒険」
"The Meteorological Odyssey of Vincent van Gogh ー気象学的に探る「ゴッホの冒険」(1990)"には、ゴッホの絵画に絵画に描かれた空が「どのくらい雲に覆われているか」を調べ・絵が描かれた地方の(実際の)気象データと比較した数値が示されています。
その数値をエクセルでグラフにしてみたのが、下の図です。横軸は「雲被覆率(制作地最寄りの気象台データ)」で縦軸は「ゴッホ絵画中の画面から推定された雲被覆値」です。散布点(絵画が制作された場所)は、雲で覆われた比率が高い方から、オランダ、パリ、オーヴェル=シェル=オワーズ、サン=レミ、アルルです。
このグラフを眺めると、アルルやサン=レミといった地中海沿いの街は、雲が多いオランダと違い、現実の世界もゴッホが描いた世界も、濃い空の色に覆われていたんだ…と感じます。そして、気象学データを使った絵画解説を読みながら「世界地図」を見ると、行ったことがない街へ足を伸ばしてみたくなったりします。