2006-05-05[n年前へ]
■「歴史」や「進歩」や「才能」
今日の「n年前へ」は「何でもやればできる、という言葉」「Thinkpadモーションコントロール動画」「未来予想図の多数決」「頭の中の妄想」と「証拠」「のび太君,百年の歴史を見るには百年かかるんだよ…」などです。「AmetMultiを使ってるところを映した動画」も懐かしく面白いですね。
「(何かを) - やろう - と努力をちゃんとできること」も「才能の一つ」なのかも、と思ったりもする。あるいは、「誰でもみんなやろうと思えばできる」と信じる力こそが、欠かせない才能の一つなのかもしれない、とも思う。
「のび太君、百年の歴史を見るには百年かかるんだよ…」
"Sometimes I wonder how you can stand being just a dog." (人間じゃなくて)犬でいるのって大変じゃない?"You play with the cards you're dealt, whatever that means." 君だって自分に配られたカードで勝負するしかないんだろ?
本当の理科人間は理屈を言い争うディベートを好みません。どんな結論にも理屈はつけられるので、このようなコトバによる議論が、意味ある結論に導くとは思わないからです。
ぼくは、進歩しようとしない人を好きではない。
2006-07-30[n年前へ]
■恐怖!「心霊」を見つけ出すソフトウェア
写真を調べてみれば、あなたの背後に霊がいる!
夏といえば…!?
もう7月も過ぎ、いつの間にか暑い夏真っ盛りです。日本の蒸し暑い夏に負けず、この季節を過ごしやすくすつために、これまで色々なモノが作り出されてきました。例えば、涼しさ抜群のカキ氷を食べたり、水面や河原に張り出した川床の上で涼んでみたり、あるいは、風鈴の音で暑い夜を涼しくしたり、という工夫がされてきたわけです。
そんな工夫の一つ?が「肝試し」や「怪談話」です。夜、薄暗い場所で「恐ろしい心霊現象」「奇妙で恐怖を感じさせる話」などをすれば、例え暑い夏の夜であったとしても、思わず背筋が凍るような感覚に襲われ、暑さがどこか遠くへ消えてしまったような気分に陥ります。そして、その後、暗く何かが出てきそうな場所へ肝試しに行かなければならないと…むしろ夏の暑さに戻ってきて欲しくなったりするほど怖くなったりするのです。
気配は感じるのに、「心霊・お化け」が見えない…!?
しかし、そんな風に心霊やお化けは怖いのに、肝試しの最中は「心霊・お化け」の気配を感じるのに、なぜか「心霊・お化け」が見えない…という人が多いのではないでしょうか?肝試しの最中は、周りを全て怨霊に囲まれたような気分になるのに、幸か不幸か「霊」を実際に見たことがない…という人がきっとほとんどだと思います。もちろん、「霊なんか世の中には存在しないのさ!」と日頃言ってる理系野郎も多数生息しているとは思いますが、それでも夜に洞窟の中の神社に行ったりすると思わずビクビクしたりしてしまう弱虫君だったりすることも多いと思うのです。。
そんな、「肝試しの時はビクビク怖がるクセに霊やお化けを見たことがない」ような弱虫理系の一人として、今回は「心霊を見つけ出すソフトウェア」を作ってみました( 動作環境はWindows )。細木数子にばかり「心霊」を独占させないために、写真の中に潜む「心霊・お化け」を見つけ出すソフトを科学的に?作ってみることにしたわけです。その動作画面を右に示してみました。("Open"ボタンを押して)写真を読み込むと、下のスライダーで示した"レベル"に応じて「人のようなもの」を見つけ出します。例えば、右の動作画面のように、コントロール・ウィンドーのスライダーを右端の「人間」レベルまで持っていくと、写真の中から「人間」のみに青い矩形マークが付きます。右の写真では、中央の女性の顔に青い「人間」マークがついているのがわかると思います。そして、そのスライダーを左端の「心霊」レベルまで持っていくと…、(「心霊」以上の存在である)「人間」だけでなく、「心霊」を見つけ出すことができるのです。そして、「心霊」がいる場所が赤い矩形でマークされるわけです(赤いマークがついても、ちゃんと青い「人間」マークが付いていれば、それはちゃんと「人間」のハズです。安心してください)。あるいは、"Auto Search"ボタンを押せば、「心霊~境界ゾーン~人間」までの全レベルにわたって検索・解析をすることもできます。
あぁ、こんなところに「霊」がいるぅ~!
上の動作画面例では、「人間」レベルで検索をかけたので、中央の女性だけにマークが付いています。もちろん、「一見、女性(人間)に見えるけれど、実は妖怪だった!」ということもあるわけですが、今回の場合、ちゃんと「心霊」診断ソフトウェアが、「この人は人間です!」と判断したわけで、確かにこの写真の女性は「人間」のようです。
しかし、この写真の中にこの女性以外の心霊・お化けが写っているかもしれません。何しろ、この写真は「怨霊うごめく京都の街近くにある山中で撮影されたもの」なのです。ただの薄暗い林の中、ではないのです。しかも、「この写真の現場近くには第二次大戦中の対空射撃台跡などもあるし」その「対空射撃台跡の近くには、(普段は閉ざされている)山中に伸びる洞窟もある」という、いかにも何かがいそうな場所だったりするわけです。そこで、"Auto Search"ボタンを押して調べてみました。その検出結果が、右の写真です。
なんと、…右斜め下の部分と女性の左胸の部分に「心霊」がマークが写し映し出されています…。「女性の左胸の部分」はオッパイ星人の怨霊かなにかが検出されているのだと思うのですが(世の中には意外に多く生息しているようですから)、右斜め下の部分は何だかちょっと気になります。…そこで、ちょっとその部分を拡大してみました。それが、右の写真です。はて?と眺めてみると…うわぁ~「心霊」が地面と林の木々の隙間で右を向いてる~!何だか哀しげな顔をして遠くを見てるぅ~!こ・これは、怖い…。
…こんな「心霊」がいつも見えてたら、おちおち散歩もできそうにありません。「心霊」を見つけ出す能力は今回の「ソフトウェア」に任せ、やっぱり自分自身は、「心霊・お化け」が見えない弱虫理系野郎のままでいたい…と思った今日この頃、なのです。
2007-07-04[n年前へ]
■オカルトと「説明・制御への欲望」
MatLabで制御工学に浸っていると、「物理系の類似性」なんていう言葉が出てくる。電気系・力学系…全く異なる対象なのに、なぜか似通った関係・同じような描写がされるものは多い。それと同じように、全然違う分野の本を読んでいても、なぜか少しづつ重なることが書かれていることが頻繁にある。制御工学に浸かりながら思い浮かべたのは、こんな言葉だ。
科学と現代オカルトに共通するものは何か。それは原理への欲望とコントロール願望であろう。 「科学とオカルト」P.143 現代オカルトは科学の鏡である科学とオカルト(池田清彦 講談社学術文庫)」が書く「原理への欲望」と「制御への欲望」を言い換えるなら、それは「説明が欲しい・納得したい」という欲望と「望むような自分になりたい・世界を変えたい(制御したい)」という欲望だろう。少なくとも、原始の科学やオカルトは、「原理」と「制御」という欲望の下に、完全に同じものだったに違いない。
1入出力系システムで可制御行列が正則でなければ、可制御、すなわち、任意の状態に制御することはできない。
1入出力系システムで可観測行列行列が正則でなければ、可観測、すなわち、状態量を正確に知ることはできない。現在では、むしろ科学の方が原理・説明や制御において、「できないこと」を声高らかに謳うようになった。今では、「原理的にできないこと」が証明されることを面白く感じる人もきっと多いことだろう。
科学は、原理的に説明できない現象は説明できないままに放置せざるを得ない。それは科学の欠点ではなく最大の美点である。 「科学とオカルト」P.145 現代オカルトは科学の鏡であるとはいえ、「科学」という広い言葉より実社会にもう少し近い、工学としての科学という側面においては、やはり「できないこと」「制御できないこと」「説明できないこと」が、表だって語られることは少ないと思う。
オカルトは、科学では説明できない現象を説明すると称して、いとも簡単にこの禁欲を破ってしまう。 …一回性の出来事を説明できない科学に、頼りなさを感じている人々の一部は、こういったオカルトに引きつけられてゆくのであろう。 「科学とオカルト」P.145 現代オカルトは科学の鏡である科学を使って何かを把握・制御しようとする人の行動も、「科学は老化の原理を教えてくれても、人が生きる意味は教えてくれない」と思う人の行動も、それらの行動や言葉の原動力は、いずれも「説明と制御への欲望」であるという一点で、ピタリと重なり合うものなのかもしれない。
2007-09-02[n年前へ]
■タフネスとWEBアプリ
夏の夜の田舎町を、自分の足で走る。歩くようにゆっくり走る。
キャリアとは、轍(わだち)のことだ。轍が繋がり、そこに道が出来る。朝、WEBアプリケーションの管理をcookieに移行して、サーバ側を並列稼働させ始めた。そして、状態管理をRailsのコントローラからJavascript側に移行して、Railsのコントローラ機能を、Javascriptからのアクションに応える形になるように手を入れる。
少し前に、「(相手に)心の中が見える装置」を作ってみました。あるいは、「(相手に)心の中を伝える装置」といえるようなものを作ってみました。ビュー側ならぬクライアント側がコントロールする「単なるイベント駆動」に変えたい部分と、その背後でデータが全て繋がっている部分とを、うまく頭の中で整理できない。
ただ、どんな道にせよ、共通するのは、途中で必ず迷うということだ。どちらに進んで行けば良いのか、わからない時がきっとあるだろう。それでも、高速化のための処理を書く。
そして、ケータイと連携させる部分を書き始めると、Imagenerator用に書いたGmailアクセスWWW::Mechanizeが動かなくなっていることに気づく。最後の最後のsubmitが上手く動かない。しかも、その理由が何だか全然わからない。
けれど、本当に大切なのは、わからないということへのタフネスを身につけることに精力を注ぐことだと私は思う。
それが、最良のキャリア教育であると、私は信じている。
2008-10-02[n年前へ]
■GPSと加速度センサで「北京オリンピック会場の構造物監視」
2008年10月号のトランジスタ技術を読んでいて一番面白かったのが、川村祥子氏の「NI Week 2008レポート」だ。LabVIEW8.6の新機能や、PXI用FPGAモジュールFrexRIOの話もとても興味深く読んだのだけれども、他の何より面白かったのが「北京オリンピックのメインスタジアムの構造物を状態監視するシステム」の話である。
「北京オリンピック会場の構造物監視、 LabVIEW利用で実現」といった記事でも紹介されているが、北京オリンピックの会場となったメインスタジアムには、11箇所のGPS受信機を備えたコントロールパネルと、640個(64個×11箇所のコントロールパネル?)の三軸加速度センサが設置され、振動データの収録・異常検知が行われていたという。
何だか、色々な意味で目を惹かれてしまうシステムである。GPSは鉛直方向の精度は低かったと思うが、その低い鉛直方向精度でも判別できるくらい、高さ変化があるのだろうか。それとも、水平方向に動くのだろうか?加速度センサから得られる信号値の異常・正常基準はどのように作成されていたのだろうか?前もってシミュレーション計算でも行っていたのだろうか、それも観客が一部の興奮したとき・・・といったさまざまな条件で。・・・と考え始めると、とても謎が多く、その謎の多さに比例してとても面白く興味を惹かれた記事だった。