hirax.net::Keywords::「科学技術」のブログ



2010-03-26[n年前へ]

科学万博が見せてくれた21世紀への夢や希望 

 「テーマ展 科学万博 - つくば’85-記念品と資料で振り返る25年前の祭典-」のチラシ(PDF)裏に書かれた言葉から。

 あの時、科学万博が見せてくれた21世紀への夢や希望を、現実の21世紀を生きる私たちが忘れずに引き継いでいけるよう、この展示会をご覧いただければ幸いです。

 そして、その1985年に発行された、(「グラフィケーション」で連載されていた(坂村健、渡辺茂、村上陽一郎、竹内啓ら19人による)対談11編が収録されている)グラフィケーション編集部編「科学技術を考える 」の冒頭に掲げられた言葉から。

万博会場の自動翻訳機を使って、エスキモーとケニア人が対話している。いまや、世界中が科学の力で結ばれている。ロボットにピアノを弾かせたり、似顔絵を描かせることが流行している。しかし、そんなことができたからといって、世界中に渦巻いている異民族間、異文化間の問題が何か一つでも解決したわけでもない。

1985年6月 グラフィケーション編集部

2010-04-02[n年前へ]

PDFのの「機能」「セキュリティ」について 

 PDFとはプロブレマティック・ドキュメント・フォーマットの略なのか?

 セキュリティが貧弱であるとして、AdobeのPDF Readerが多くの批判を受けている。しかし、問題は特定のPDFリーダー・ブランドだけのものではない。しかしPDFファイルフォーマットにはおかしなものが幾つかあるのだ。
 PDFはフォームを持つことができる。それは良い。しかし、このようなフォームがわれわれの入力したデータを、ネット上のどこかにあるサーバへ直接サブミットできる機能が、どうして必要なのだろうか?
 But why do we need functionality where such forms can submit the data you input directly to a server somewhere on the net?

 PDFというものを作るときのことを想像すれば、つまり、「(かつての)未来の文章」にあると良いだろう機能を考える立場にいたならば、「フォームに入力したデータを、ネット上のサーバへ直接サブミットできる機能」は入れことは当然とも思える。「どうして」"why"と問うのは、少し不思議だと、私は思う。

2011-05-01[n年前へ]

「客観的な事実」と「自らの狭い主観」との違い 

 新多昭二「日本陸軍の殺人光線開発計画」から。

 ビスマルクは、『賢者は歴史から学び、愚者は経験からしか学ばない』、といってるが、客観的な巾広い事実と、自らの狭い体験のみから得た主観との違いを戒めているという点で、けだし名言といえるな。
 理性と感性の差かも知れない。同じ戦争体験でも、理性的判断を基礎にした客観的事実を遺せば、後年貴重な歴史の語り部になるし、単なる感情の吐露に終われば、せまい個人体験に終わってしまうからね。

 ラヂオという言葉が好きで、科学技術が好きで、そして過去や現在から未来へ続く可能性が好きなあなたなら、「広島生まれ・京都帝国大学工学部・戦時科学研究養成機関卒業。陸軍登戸研究所勤務後、京都帝大工学部電気工学教室勤務。…」という新多昭二が書いた「秘話 陸軍登戸研究所の青春 (講談社文庫)」を一度手にとれば、文庫本サイズに凝縮された「知恵と笑いの預言書」に絶対ハマること間違いありません。

 帝銀事件で世に知られることになった陸軍登戸研究所のことだけでなく、明治幕末からパロアルトの情報工学まで、なんて濃い人生があるのだろうと驚かされます。

 「賢者愚に学び、愚者賢に学ばず」ということわざがあるが、どこをどう探し回っても、高慢な賢者や謙虚な愚者にはお目にかからない。愚かさは高慢と同居しているのが常である。

秘話 陸軍登戸研究所の青春」 おわりに

 「賢者は歴史から学び、愚者は経験からしか学ばない」かつ「賢者愚に学び、愚者賢に学ばず」のであれば、…もしかしたら「愚であり賢である事実」が「歴史」と呼ばれるものなのかもしれません。

2013-11-05[n年前へ]

水が金網の上で・指に押されて転がる日 

 一週間前の夜、六本木の古民家で、いくつかの「新技術」を体験してきました。そんな新技術の中のひとつが、超撥水性の塗料材料です。疎水基が先端にあるトゲトゲ・イガイガ形状のシリカでコーティングすることで、表面付着力を通常の百分の一近く下げた…という材料です。

 「コップに水を入れて目の細かい金網で蓋をすると、コップを逆さにしても(表面張力のために)水がこぼれない」なんてビックリ実験ネタがありますが、この超撥水性塗料を金網に塗ると、その上に水を優しく載せると、水はスライムのように気持ち良く転がり動くだけで、金網をすり抜け・滴り落ちることもありません。

 周りから力が掛からないければ、水は「丸くちぢまっている」のが自然というわけで、(地球の重力はなくせないにしても)表面付着力を限りなく小さくすると、水は滑らかで何やら丸っこい塊に変身します。その水の塊が見せる不思議な風景と、その水に触れると味わうことができる心地良い感覚は、何だかとても気持ちが良くて…そんな快感をお伝えしたくて、こんな動画を撮影してみました。



■Powered by yagm.net