2001-10-07[n年前へ]
■さよならHARBOT
ちょっと心残りもあるけど、外した。理由は「重い・Java非対応時の動きが今ひとつ…」というところ。
2002-03-13[n年前へ]
■Asia Pyramid meets Java
懐かしいなぁ。
And when your looks have gone and you're alone
How many nights you sit beside the phone
What were the things you wanted for yourself
Teenage ambitions you remember well
中間部のギターのフレーズををKORG M1で練習したなぁ。from NoBuNBa(リンク)(リンク)
2002-07-03[n年前へ]
■あなたの声を聞きたい。
「たった五文字」の読唇術
東京駅から、いつも22:46時発三島行きの最終の新幹線に乗る。最終の新幹線だけが停まっているホームは、何だかいつも少し寂しい。ホームを歩いている人の数も少ないし、列車の中で席に座っている人達もほとんどが眠っているが、ぼんやりとしていてとても静かだ。
そんな静かな新幹線のホームを、酔い覚ましの缶ジュースを飲みながら歩いていると、たまに「つかの間の別れ」をしのんでいる恋人達を見かける。ホームの柱の影で静かに話をしている二人もいれば、ほとんど何も喋っていないような二人もいる。どちらにしても、二人で見つめ合っていて、それをはたから眺めている私がいることなんか気づくはずもない。
そして、列車の発車を知らせるベルが鳴り響くと、多くの場合恋人達はドアのところで佇んで辛そうに言葉を交わしている。とはいえ、夜も遅いのにも関わらずベルの音はやはりとてもうるさい。だから、きっと相手の声がよく聞こえないのだろう。まるで耳の聞こえないもの同士が読唇術を試みるかのように、相手の唇の動きを見つめ続けている。あるいはもしかしたら、近くを歩く私などを意識して、とても小さい声で話をしているのかもしれない。
どちらにしても、ベルが鳴りやんでドアが閉まった後は、相手の声が聞こえるはずもないから、相手の唇の動きだけを手がかりにして、相手を見つめながら言葉を交わしている。近くにいる私からはよく判らないけれど、二人の間では、相手の唇の動きだけで相手が何を言っているのかが判るのだろう。その二人にしか判らないことだろうけれど、きっとそうに違いない。そんな景色を眺めながら、ふとこんなことを思いついた。
何かを喋る人達の唇の動きをPCに繋がったビデオカメラで撮影して、その画面を解析して「相手が何を伝えようとしているか」を調べるソフトがあれば、読心術とは言わないまでも私達は読唇術を身につけることになる。相手の唇の動きさえ判れば、相手の言葉が聞こえるようになる。新幹線のホームで読唇術で心を伝え合う恋人達のように、私達も相手の声が聞こえるようになる。
そこで、ビデオカメラの画面の中から唇の形を検出して、何を喋っているのか、何を喋ろうとしているのかをリアルタイムに検出する読唇術ソフトウェアを作ってみた。とはいえ、一晩で作ったソフトだから、たった五文字の母音を検出できるだけだ。SPEAKINGMOUTHで眺めた「唇の動き」と自分の唇の動きを参考にして、相手の唇の動きから「五文字の母音」つまりア・イ・ウ・エ・オを読みとるだけだ。子音の判定は難しいけれど、日本語のように必ず母音を伴う言葉であれば、どの母音かが判るだけでも、相手の言葉を想像するためのとても大きな手がかりになるだろう。
作ったソフトの名前はLip-reading、いつものように数回動かしただけの大雑把なソフトだけれど、これを使えば新幹線のドアのガラス越しに言葉を交わす恋人達のように読唇術を身につけることがきっとできるかもしれない。
- lipreading.lzh (303kB)
そういえば、いつも私が眺める景色は東京発三島行きの最終こだまが停まっている東京駅のプラットホームだけれど、この間はそれとは逆の風景を眺めた。私は三島駅のホームにいて、ちょうど最終の東京駅行き22:34発のこだまが三島を出るところだった。
そこにはやはり、こだまのドア越しに唇で言葉を交わす二人がいた。この二人も相手の唇だけを見つめているように見えた。私には二人の声は聞こえなかったけれど、きっと何かの言葉を交わしていたのだろうと思う。ゆっくり新幹線が動き出している時にも、ホームに立っていた方が何歩かこだまに向かって歩きながら、やっぱりそれでも言葉を交わしていたようにに見えた。
そんな景色を頭に浮かべながら、次のようなことを考えた。今晩作ったこのlipreadingは、「たった五文字」の
しか相手の唇の動きから読みとることができない。だけど、きっとあの恋人達が交わしてる唇の動きだって、きっとそんな「ほんの五文字」なのかもしれないと、ふと思ったりする。きっと、そうなのかもしれない、と思ったりする。「アイウエオ」
「アイシテル?」「アイシテル。」
2002-11-18[n年前へ]
2003-02-02[n年前へ]
■モーニング娘。でクラスタ分析
グラフ理論で今日からあなたもプロデューサー
昔からワタシには「手を抜くために色々とクダラナイことをする」という悪い癖がある。しかも、そのクダラナイことをした結果、必ずと言っていいほどに結局のところ苦労が増えまくるという結果になるのである。いわば、ドラえもんの「のび太」がいつもドラえもんの便利な道具に頼り、しかもその道具にしっぺ返しを必ず受けてしまうのを地でいくタイプなのであった。いつも、ワタシは手を抜くための道具を色々と作り、そして必ずそのしっぺ返しを食っていたのである。いわば、ドラえもんののび太とドラえもんを一人二役でマッチポンプのように演じ続けてきたのがワタシのこれまでの人生だったのである。
最初に記憶に残っているそんなワタシの悪い癖は小学生の頃のことだ。生徒会か何かでワタシは募金の集計をしなければならなかったのである。1000人を遙かに超える生徒がせっせと集めた募金なのだから、硬貨にしても膨大な枚数だった。といっても、ほとんどは一円玉とか10円玉だったのだから、それほどの金額ではなかったのだろうけれど、とにかく膨大な枚数だったのである。
そこで、ワタシは「ここは硬貨の重さを量って、金額を計算してみるのはどうだろうか?」と提案してみたのである。各硬貨の一枚当たりの重さは判っているわけだし、各硬貨に分けた上で全部の重さを量ってそれで金額に換算しちゃえば楽じゃないの、と提案してみたのである。ゼニ勘定に疲れていた周りの人々もその提案に喜び、「重さの誤差はどのくらいあると思う?」などとガヤガヤと計算しながら、みんなでせっせと硬貨を袋に入れて重さを計り始めたのである。
そして、机の上に重さを量り終わった硬貨の袋が何袋も並ぶ頃、そんな小さな銀行泥棒たちが盗んだお金を袋に入れてる最中のような様子を小学校の先生が発見してしまったのである。そして、当然のごとく私たちは先生にこっぴどく怒られたのである。「みんなが苦労して集めたお金のありがたさが判っていない」と当然のおしかりを強く強~く受けたわけである。「算数の問題解いてるんじゃぁないんだから!」とこっぴどく怒られたわけなのである。結局、私たちは硬貨の袋から硬貨を取り出して一枚一枚数え直すことになったのであった。もちろん、他の人をそそのかしたワタシに対する周りの視線は非常にキツく、ワタシの疲れも倍増したのであった。最初から硬貨の数を数えた方がよっぽど楽だったのである。
大人になってしまったワタシは今だにそんな「手を抜くための道具」を作り、そしてしっぺ返しを食らい続けている。三つ子の魂百まで、というわけなのであるが、今回は少し前にやってしまったそんな失敗を反省を含めて書いておこうと思う。
ワタシは仕事の上で色々な調査をしなければならないことがある。例えば、他のライバル会社がどんなことをしているかとか、あるいは、もっと詳しくライバル会社の中の人たちがどんな風に繋がっているか、とかを調べなければならなかったりすることがある。色々な発表資料を読んだり膨大な数の特許を読んだりして、そこに登場してくる人たちの関係を調べて、色々な推定をしていかなければならない。そのためには、たくさんの書類を調べなければならないわけで結構これがシンドイ作業なのである。
で、ワタシはこう考えたのだった。数百件もあるいは数千件も色々なものを読んで、その中に登場する人たちの関係を推定するなんてツライから、「たくさんの文書を勝手に読んで、勝手にその文章からライバル会社の中の人の関係を推定するソフト」を作っちゃえ~、と思ったのである。手を抜くためのクダラナイことのためには、苦労をいとわないワタシはそんなゴリゴリゴリゴリ真面目にそんなソフトを作ったのであった。「たくさんの文章の作者を調べ、その共著の関係から著者間の関係を調べる」というそんなソフトをせっせと作ってみたのである。そして作った後は、もちろんソフトのテストをしてみよう~、ということになった。
じゃぁ、そのサンプルデータは何を使ってみようかなと考えている時に、頭の中のどこかでモーニング娘。の「ここにいるぜぇ!」が流れ始めたのである。そこで、ワタシはモーニング娘。を含むハロープロジェクトを他社に見立てて、これまでに発売されたCDに参加している頻度・関係性等から、ハロープロジェクト内の「それぞれの人の配置」を調べてみることにしたのであった。
というわけで、つんく率いるハロープロジェクト関連で発売されているCDの枚数(なんと80枚以上だ!)に驚きながらも、CDに参加しているメンバーのデータをソフトに流し込んで、適当な各メンバーの関連性を示す数値を計算した上で、まずは各メンバーを近いものに分けるために、クラスタ分析してみた。ここで、解析ソフトは各CDに誰が参加しているかだけを知っていて、「モーニング娘。」とか「タンポポ」とかのグループが結成されていることは知らないのであるが、とにかくハロープロジェクトの中の各メンバーの「組織図」が判るわけだ。(ちなみに、ここでは似通ったものを樹形図(似通った度合いを示すグラフ、会社で言えば組織図みたいなもの)として表示するために、「Excelアドイン工房」のクラスタ分析アドインを使っている。)
まずは、前半41作のCDから推定したハロープロジェクトの中の各メンバーの関係性を示したのが下のグラフである。
この樹形図グラフを眺めれば、(CDのカップリングから判断される)で誰と誰が結構近い関係にあるか、というようなことが判るハズである。といっても、このグラフでは色々なメンバーが参加したアルバムもあるいは一つのグループだけが歌うシングルも同じ重みで計算していたりするので、モーニング娘。あたりのファンの感覚からは大きくずれるかもしれないけれど、とにかくこんな「組織図」が計算されるのである。
上の前半41作から計算した樹形図の方は結構シンプルなものなのだけれど、次に示す後半41作のCDから推定した後半41作のCDから推定した各メンバーの関係性の方はもう少し複雑だ。組織的にライバル会社ハロープロジェクトは前半より複雑になってきているのである。
こんな感じで、他社(ここではハロープロジェクトをそれに見立てたが)の発表資料(特許とか製品報告とか)からこんな各メンバーの組織図を示す解析ソフトを作ってみたわけなのだけれど、これではどうも不十分なのである。どうしてかといえば、各メンバーの結びつきがこの樹形図ではどうしても判りにくいのである。こんな風に各メンバーが一次元に並んでいる図ではどうも今ひとつ判らないことも多いのである。そこで、ワタシはさらに「各メンバーの結びつきを示す二次元グラフ」を出力することにしたのである。誰と誰がどのくらい近い関係にあるかなどを判りやすく表示させてみたのだった。そんなサンプルを少ないデータで表示させてみたのが下のグラフだ。モーニング娘。のメンバーの関係が判りやすい?グラフになっているのが判ると思う。
このグラフ上で各メンバーを動かせば、「飯田をこっちへ持っていけばどうなる?あー、安部がそっちへ行っちゃったよー。どうするー?」というような具合で、各メンバーの配置やプロジェクトのメンバー編成などを実験することができるのである。グラフ理論で今日からあなたもプロデューサーなのである。グラフぐりぐりで、今日からあなたもつんくなのである。グラフ配置で誰でもつんくの気持ちになれるのである。
という感じで、ソフトのテスト(になっていたのだろうか?)を終えたワタシはライバル会社の組織図を作ったのである。で、それを使いながら「この人たちはきっとこんな感じの組織になっているんですよー。そして、こんな感じでその組織は変化していったんですよー」なんて報告をしたのである。すると「おぉー、これは結構使えるかもー、なかなかスゴイぞー」となかなかに良い反応だったのである。
そこで、さらにワタシは調子に乗って「ライバル会社の各メンバーの結びつきを示す二次元配置グラフ」の方で「この人をこっちに近づけるとこの人がこっちへー、これがライバル会社の人間関係なんですよー、ほらほら~」と見せたりすると、もうこれが「おぉぅ…? …これは何て言ったら良いのかなぁ…?スゴイ…んだけどなぁ……」と逆効果どころじゃなくもう引きまくりだったのである。そして、引いてしまった引き潮をもうどうにもすることもできないままに、結局そのグラフはお蔵入りしてしまったのであった。結局のところ当たり前のようにワタシはたくさんの書類をせっせと読まなければならなくなったのである。いつものように、手を抜くために色々とクダラナイことをして、結局のところ作業量は全然減らなかったのである。昔の小さな銀行泥棒の根性は全然直っていなかったのである。のび太とドラえもんの一人二役マッチポンプ人生はまだまだ終えられそうにないのが、ちょっと哀しい今日この頃、なのである。