2004-11-08[n年前へ]
■おにぎりの形分布図
おにぎりの形で蝸牛考をなぞるようなおにぎり日本のおにぎりの形分布図. from ぽいんつさんのブログ.
2006-10-23[n年前へ]
■「食べたものを淡々と記録するよ」
ちょうど2年前、こんな記事を書いた。『「食べたものを淡々と記録するよ」というWEBログがある。その名のとおり、毎日食べたものを、ただ淡々とデジカメ写真を使って記録(ログ)しているだけである。書き手は20歳の学生さんで、「おにぎり・ラーメン・カレー」が多い典型的な若者の食生活を続けていた。…ところが、10月23日の夕飯「ぶどうぱんとウィンナー」以降、彼の食べるものは一変する。その日の午後6時頃に新潟県中越地震が起き、そして彼は新潟県長岡市に住んでいたからだ。同じ「おにぎりやラーメン」を食べていても、それ以前のものとはずいぶんと違っていて大変さが伝わってくる。 …それでも、彼は食べたものを淡々と記録する。そして彼の毎日は続く。』
2006年10月7日、結婚しました。以上を持ちまして記録を終わります。その「食べたものを淡々と記録するよ」が終わった。けれど、もちろん、彼の毎日はこれからも続く。
最後に一言、ごちそうさまでした!
2006-11-08[n年前へ]
■「物語の意味」「おにぎりの形分布図」「ロリコンの法則」「学研電子ブロックのIPv6モジュール」
「物語の意味」「おにぎりの形分布図」「ロリコンの法則」「学研電子ブロックのIPv6モジュール」 from n年前へ.
「癒す力」とは、「あなたの存在は、無意味でない」と教えてくれる力のことです。「物語」を作るということは、現実を解釈することですから、つまりは意味を発明するということです。現実に「起承転結」を持ち込む「物語」は、あなたの生活に意味を与えます。「物語」は、無条件で、あなたの人生に意味を与えるから、本来的に「癒す力」がある、と言えるのです。 鴻上尚史 ドン・キホーテのピアス 543
2007-11-30[n年前へ]
■「美味しい食べもの」を表現する技術
色んな小説や随筆などの中に登場する「おいしさ表現」を集めた「おいしさの表現辞典(東京堂出版)」を読んでいると、目の前にベルトコンベアがあって、その大通りの上を「信じられないほど美味しい食べもの」が次々と行進していくような気になる。一言でいえば、「ものすごく食べたくなるのに、見てるだけ」状態になる。この本には、そんな「目の前に料理があるかのように感じる」文章が詰まってる。
祖母に、お焦げを作ってくれたどうか尋ねる。 「パリパリいってから七つ数えたから大丈夫だよ」
かまどで、硬いマキで鉄の釜で炊くご飯。しかもアツアツのおこげで握るおにぎりである。
向田邦子「父の詫び状」
文章に限らず、絵画や写真や演劇や歌といったものには、つまり、ありとあらゆる表現技術には、きっと同じ基本があるのだろう。対象物を観察して、その対象物をよく感じた上で、何を濾過して強調するか決め、そしてそれを描く、そんな原理があるのかもしれない。
湯気は人の心をほのぼのと温かくする。
東海林さだお「タクアンの丸かじり」
本物よりも美味しそうな食べ物の写真。見たことのない料理だけれど、なぜか食欲をそそられる絵画の中の料理。実際に聞く調理の音より、生き生きと音が弾けて聞こえる映画の中の厨房シーン。そういうものを作る人たちは、どういう目や耳で料理を感じているんだろうか。
両眼はきらきらとかがやき、颯爽として蕎麦をあげ、蕎麦を洗う。
池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」
そして、美味しそうに食べものを表現し尽くす人たちは、どんな風に食べものを味わうんだろう。きっと、美味しさで脳波計の針が振り切れるくらい、ADコンバータで桁あふれが起きるくらい、その美味しさを味わうんだろう。その美味しさの片鱗から生まれた表現さえ、こんなに美味しそうなんだから。
コーヒーの香ばしい香りがうす暗い店内に午後の親密な空気をつくり出していた。
村上春樹「ノルウェイの森」
2007-12-24[n年前へ]
■「おにぎり包装」発明史
コンビニの定番商品の一つが「おにぎり」である。 コンビニに入れば、色々な種類の三角おにぎりが棚一面に並んでいる。 ずっと以前は、ご飯の周りの海苔は湿気っているのが普通だった。 しかし、ごはんと海苔の間をビニールで仕切る三角おにぎりの包装が生まれ、パリパリの海苔で巻かれたおにぎりを食べることができるようになった。
最初の頃は、三角おにぎりの頂点からビニール中袋を引き出すやり方だった。調べてみると、 長野県の総菜屋さんが考案したものを大阪の海苔問屋が広めた 、ということらしい。ご飯にサラダ油を含有させることで、ビニール中袋を引き出す時の「ごはんとビニール中袋の摩擦抵抗」を下げ、古米でも使えるような工夫がされていたりして、技術発明史としてとても面白い。
さらに、単なる純粋な技術史というだけでない面白さが、「おにぎり包装」発明史には(にも)詰まっている。 大阪の海苔問屋 v.s. 発明者のロイヤリティー金額の交渉や、大阪の海苔問屋 v.s. 類似技術を用いた会社との間で行われた「おにぎり海苔包装フィルム事件」といった闘争史もあれば、「のり」パリパリ自動包装加工機の開発秘話など後続技術の開発史もさらに連なっている(ビニール中袋引き抜き技術から見れば「サラダ油が味を美味しくしている」であるし、後続技術から見れば「サラダ油が味を悪くしている」となるのが、発明史らしくて面白い)。「おにぎり海苔巻き」の物語は、まさに波瀾万丈の歴史絵巻である。