2008-05-05[n年前へ]
■「サービス整理」と「目標」と「結果」と「理由」
『(ヘア)スタイルに関する「知りたい・気になるキーワード」で検索をかけると、たくさんスタイルを見つけることができて、気に入ったスタイルがあれば、そのスタイルを自分の顔で確かめることができる!その流行度合いもわかる!』ということを目標に作ったWEBアプリケーションが、”Make up Award!”でした。「目標」と「結果」はほとんどの場合違うものですが、そんなことが「目標」でした。
ところで、「目標」と「結果」が違うように、作る「目標」と作る「理由」もまた違います。このWEBアプリ Make up Award! を作ったのは、「Mash up Award 3rd」に参加するためでした。なぜかというと、Mash up Award 3rdに参加すれば、富士ゼロックス株式会社のネットプリント・サービス連携インターフェイスを使うことができると知ったからです。
コンビニエンスストアに設置してあるコピー・プリンタ複合機とケータイとGoogleMapを連携させよう、という「WEB 2.0時代のコンビニ・プリント活用法」を書いた時に、「もっとコンビニ・プリントをもっと上手く活用してみたい」とつくづく思いました。そう思いながらも、やれたことはネットプリント・サーバをMechanizeでHackするということくらいだったのです。
そんなフラストレーションがあったせいか、ネットプリント・サービスの連携インターフェイスを使うことができるというだけの理由でMash up Award 3rdに参加しました。もちろん参加したからには、アプリケーションを作らなければならない…というわけで、Make up award!を作りました。Mash up Awardに参加するためのアプリだから、名前は"Make up award!"という単純ストレートなネーミングにしました。ネットプリント・サービスの連携インターフェイスは、転送ファイルサイズなどの制限もあって、サービスに付けるとこまでは行きませんでした。
ビギナーズラックで"Make up award!"は受賞式に出ることができたのですけれど、今ではその作りは眺めるのもイヤで、自分用のフレームワーク上で画像処理系のWEBアプリをすべて作り直したくなってきました(よくあることだと思いますが)。そこで、"Make up award!"などの整理をし始めました。
そういうわけで、いつまで現状の"Make up award!"を動かすかどうかわかりませんが、とりあえず、「浴衣」や「卒業式」といったキーワードで、スタイル検索をしてみると、結構面白いく楽しめるかもしれません。その流行度合いをグラフで眺めてみたりすると、あぁこういったものは「季節もの」なんだなぁ、ということを納得させられます。「浴衣」や「卒業式」の言及グラフを少し離れて眺めてみると、季節の移り変わりを実感することができるかもしれません。
2008-07-29[n年前へ]
■「モカ茶の下着」は透けて見えることがない!?の実験
ブラジャーが透けない「モカ茶のヌードライナー」と「シャツの色」で書いたように、「ブラジャーはシャツの色と同系色でないと透けて見えてしまう」という話をよく聞きます。また、「カラフルな色のブラジャーを着けても、その上にモカ茶のヌードライナー(スリップ)を着れば表には透けない」という話も読んだことがあります。そしてまた、これらと似たような話として「モカ茶の下着は透けない」といった話もよく聞くのです。
これら3つの話は、似たようなキーワード「(肌色よりかなり濃い)モカ茶」と「透けない」が登場しますが、全く同じ話というわけでもありません。それはまるで、伝聞で広まっていく一種の都市伝説のようです。
そこで、とりあえず「モカ茶の下着は透けない」かどうかを試してみました。と、いっても、「あくまで簡単な机上計算と机上実験で済む範囲」がhirax.netの守備範囲です。そこで、「腕に4種の色のテープを張り付け(右上の画像)、半透明のシートをその上に載せ、どの程度テープが透けて見えるか(右中の画像)の確認」をしてみました。肌の上に張られた「明らかに肌より明るい色から、明らかに肌より濃い色まで濃さの違うシート」が、薄いピンク色の半透明シート上からどのように見えるかを確認してみたのです。
意外?なことに、肌色より少し濃いくらいの「パッチ」が全然透けて見えないという、俗説にかなり沿った結果になりました。しかも、「(肌色よりかなり濃い)モカ茶」でも、あまり透けて見えないのです。ちなみに、右の画像は一番最初の画像を、L*(=感覚に比較的素直な明度軸)で示した三次元グラフです。
普通に考えると「下着が透けて見えない=下着部分がそれ以外の部分と区別できない」のは、「下着が肌色に一番近い色」のときに思えます。そして、下着が肌の色より濃くても・薄くても、同じように「透けて見えてしまう」のではないか、というのが一番「ありそう」な話です。けれど、(精度なんか全然ありませんが)机上実験の結果は違うのです。肌色より明るい色の下着は「とても透けて見える」のに、肌色より暗い色の下着は「あまり透けては見えない」のです。
というわけで、今日は「モカ茶のインナーの不思議」 が気になって気になってしょうがない……のです。
2008-09-01[n年前へ]
■「流行マップ」と「蝸牛考」
雑誌から流行・ファッションをマッピングするα版ネーム「雑誌流行L!ves」は、地図表示もすることができます。たとえば、トップページで「人気分布地図」表示を選ぶと下のような画面になります。「雑誌流行L!ves」では、アクセスした人がどの地域からアクセスし、どんな雑誌・どんなキーワード・どんなモデル…に興味を持ったかを記録することで、そんな「人気分布地図」を作り出そうとしています。
毎日、300kmくらいの移動をし続け、車窓の外を眺めていると、都会と田舎の生活・流行は違うよなぁと感じます。柳田國男の
文化が中心から周辺へと伝播する過程で、周辺にかえって古い文化が残っているという「蝸牛考」ではないですが、流行にはきっと地域ごとの違い、興味の地域分布があるに違いない、と思うのです。そんなことを考えていた時に、そんな地図・分布を眺めてみることができたら少し面白いな、とふと思ったのです。
そこで、こんな風な表示画面・機能をつけてみました。動かし始めたばかりですからデータは全然蓄積していない状態ですが、現代の流行にもきっと「蝸牛考」で描かれたような波の広がりがあるんだろうな、と思います。300kmくらいの距離の間に波の凹凸が一個くらいあったりしたら面白いな、と想像したりします。飛行機なら数十分で通り過ぎる300kmの空間的な距離を、流行はどのくらいの時間をかけて伝わっていくのだろうか?と疑問に思います。テレビや電話が伝える電磁波のような速度で伝わっていくのか、それとももっと遅い速度で伝わっていくのか、そんなことを眺め知ってみたい、とは思いませんか?
もうひとつ、中心と周辺とどちらが「豊か」なのだろうか?ということをその地図の上で眺めてみたい、ともふと思うのです。そして、どんな場所にいたいか、ということをその地図上で想像してみたい、と考えるのです。
2008-09-13[n年前へ]
■「雑誌DE流行マップ」始めました
先日作ったWEBアプリケーションに少し手を入れたアップデート版を動かし始めました。下の動画は、WEBアプリを操作している時の画面をキャプチャしてみたものです。
ファッション・ライフスタイル雑誌は、私たちの毎日を映し出したり、作り出したりする媒体のひとつです。同じ雑誌を毎号必ず買って読む人もいれば、特集記事・掲載モデル・付録など内容に応じて、「つまみ食い」のように時によって違う雑誌を買う人もいます。どんな雑誌を選ぶかということの積み重ねが、私たち自身や私たちの毎日を作り出していきます。
「どんな雑誌のどの号にどんな情報が載っているのかを、特集記事・キーワード・掲載モデル・流行度比較・読者年齢や読者層といったポジショニングマップ・読者分布地図…といったさまざまな視点から眺めることができる」のが「雑誌DE流行マップ」です。あなたが「知りたいこと」「なりたいもの」「手に入れたいもの」が載っている雑誌を「雑誌DE流行マップ」を使えば楽しく見つけ出す・眺めることができます。
2008-09-19[n年前へ]
■[読者年齢 vs. 購買額]と「着回し」
「雑誌DE流行マップ」を始めたわけですが、この雑誌DE流行マップを作った動機は、「見えにくいけれど実は当たり前のように存在していることを見えるようにしたい・・・そしてそれをどう思うかということを考えてみたい」という気持ちが一番大きいように思います。
たとえば、[読者年齢 vs. 購買額]散布図を使うとこんなことが見えてきます。まず、トップページで[読者年齢 vs. 購買額]散布図を眺めてみたのが右上の図です。大雑把には読者年齢が上昇するにしたがって、購買額が増える・・・という傾向になります。そこにはもちろん、大きなバラツキがあります。
そこで、バックナンバー検索ページから「着回し」を検索した結果が着回し(右図)になります(検索回数が多いキーワードは自動的にタグとして登録されます)。その「着回し」を含む雑誌の[読者年齢 vs. 購買額]を散布図にしたものが次の右の図になります。
「着回し」という言葉を含む雑誌が、右下の方に分布していることが一目でわかると思います。この図を一言で言い表せば、「着回し」を気にする読者はファッション購買額が全体平均より低い・・・という風になるように思えます。逆に家は、ファッション購買額が全体平均より高い読者層の雑誌には、「着回し」の記事など載っていないのです。
たとえば、これが「見えにくいけれど実は当たり前のように存在していることを見えるようにしたい・・・そしてそれをどう思うかということを考えてみたい」ということの示す題材の一つだと思います。
「」という3文字のキーワードから、ライフスタイルの違いが見えてきます。そういった見えにくいけれど実は当たり前のように存在していることを見えるようにしたい・・・そしてそれをどう思うかということを考えてみたい、というのが何よりも「雑誌DE流行マップ」を作った動機です。