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2007-09-16[n年前へ]

「因果関係」と「歴史」 

 「イラスト化」ソフトを作ろうとした時には、スケッチの勉強をしていた。

 同じ景色を見ながらも、きっと、私と彼は全く別のことを考えている。こんなに綺麗に、空が空気が青く染められている場所に一緒にいるのに、全然分かり合えていないんだ。
 夏過ぎには、ヘアスタイル加工のプログラムを作るために、ヘアスタイルの歴史を勉強していた。そんな風に「○×の歴史」を勉強するようになったのは、「歴史」を知ると、現状の必然やそこに至るまでの因果関係が納得できるように思うからだ。
 今まで見てきたように、空気の色すら多分他人と共有しえない。
 少し前から、油絵の歴史を勉強している。絵やビデオや本を見ながら、油絵やテンペラ画を勉強している。
「大きな古時計」の続編の歌が有名ではないけれどあって、おじいさんの住んでた家を訪ねてみたんだ…。There is hope for the smallthere's a change for us all
 油絵の歴史を辿っていると、どんなものの歴史も時間という一つの軸であらわせるものなのだな、とつくづく納得する。科学という名の錬金術が経済学に影響を与えるように、錬金術が絵画のありようを形づくっている。
 二つの場所に立っているからこそ、その二本の足下を確かに感じることができるんじゃないかな。
 その時にある色材が、その時の絵の描き方を決め、その時にある文化が、その時に描かれるものを決める。
 同じ場所で同じ映画を見ても、必ず違う部分を見ているのと似ている。
 私たちがいる時間と、私たちが眺める絵画が描かれた時が、時間軸の上で違っている以上は、その絵画が描かれた時代の空気とともにその絵画を眺めることはできない。
 自分が生活している国とは別の国、自分が生活することができない場所そんな場所の音楽や文化を眺めることができるのは、切なくもあるけど、それでも、とても嬉しい。
 だから、せめて歴史を辿ってみる。そうすれば、少しだけ、その絵画が描かれた時代の空気を想像することができるかもしれない。それに、時代の流れは、螺旋階段のように、同じような場所の上をぐるぐる回っているかもしれない。
 われわれは他人とまったく同じものを見ることができない。残念だが。

2007-11-04[n年前へ]

hirax.net コンテンツ用 Rails サーバ 

 ハイパー日記システム(HNS)で動いているinside outと、手書きHTML集合体の旧来のコンテンツとTYPO上で動かしている最近のコンテンツを一括して動かすRailsアプリが、ある程度動くようになった。「散らばりがちな内容を(システム的に)繋げて眺めてみたい」「自分が作った(自分が手直し続けやすい)システム上で動かしたい」という理由で作り始めたのだけれど、アプリケーションを作る作業をしていると、「やりたかった目的」以外の色んなことに気づく。そして、「やりたいこと」が増える。もちろん、「やらなきゃいけないこと」はもっともっと増えた。

 今決めかねていることは、「ユーザが入力した検索キーワード」と「タグ」の区別だ。Make up Award! "Keyword"では、「ユーザが入力した検索キーワード」=「タグ」だった。ユーザが検索キーワードを入力した瞬間に、その文字列はタグキーワードになった。「髪型」や「スタイル」に関するタグは、私自身は作らずに「ユーザの入力」にまかせた。つまり、「ユーザが入力した検索キーワード」と「タグ」は完全にイコールだった。さて、今回はどうしようか。

 古いシステムからのページ更新は、これが最後かもしれない。使うシステムが変われば、そのシステム上で何かを書くスタイルも変わるだろう。「'雑多で乱雑な気ままな感じと繋がり見通しが見えやすい感じ」にしたいのだけれど…どうなることやら。

2008-04-12[n年前へ]

「色彩文化の変遷 年表」と「ファッション・ヒストリー」 

 日本塗料工業会が「色彩文化の変遷」という年表を出している。1870年から2008年までの「時代・風俗の歴史」「塗料産業と開発の歴史」「色見本帳の歴史」を並べ見ることができる「色彩文化の変遷」年表は、とてもとても楽しめる。
 何が面白く楽しめるかというと、それは何より最上段「時代・風俗の歴史」の「その時代のファッション・流行色」に尽きる。
 自分自身の記憶や懐かしさとともに、その時代を眺め、その時代の服や色や感覚(つまりセンスだ)を思い返すことができるのである。

1970年代後半の「ニュートラ・スタイル」、1980年代前半の"黒のモノトーン"の「カラス族」、1980年代後半の「渋カジ・スタイル」……。そして、「コギャル」に「フェミニンなエビちゃん系」「クールでワイルドなもえちゃん系」……。あなたは、どの時代を懐かしく思い出すだろうか。

自分の記憶に重なる「時代」、過去の自分自身の姿に重なる「時代」、それだけでなく、今も「その時代の好み」を引きずって生きている現在の自分自身にも気づかされる。それは、とても、味わい深いことだと思う。

2008-07-11[n年前へ]

「スペクトル操作Mathematicaライブラリ」で動画を作る 

 光スペクトル操作用のMathematicaライブラリで、スペクトル変化の動画を作ると、こんな感じになります。Map も spectorPlot も Table も addtiveMixtureSpector も whiteLight も cyanFilter も・・・どれも「関数」です。addtiveMixtureSpector や whiteLight や cyanFilter は「関数を返す関数」で、Map などは関数を引数にとる関数です。Mathematica でコードを書いていると、なぜか自然に関数を重ね合わせていくような書き方が気持良くなってきます。

Map[spectorPlot,
 Table[
  addtiveMixtureSpector[
   {whiteLight,
   transmissionSpector[whiteLight,
   cyanFilter, 1.0]}, {1-r,r}]
 ,{r,0,3,0.05}]]

 それで、今この瞬間の悩みはMathematicaで"spectorFitting[targetSpector_,usingSpectrum]"というような関数をどうやって書くか、ということです。targetSpector は、任意のスペクトルを表現する関数で、usingSpectrum は「スペクトルを表す関数群」で要素数は任意のリストです。usingSpectrumを使いtargetSpectorをどのように表現するかを、最小二乗近似で最適解をNMinimize で解くというのが、そんな関数を作るときの定番の手順なのだろうと思います。つまり、方程式と制約条件を動的に作成し、それをNMinimize で解いた結果を返す、という具合です。

 さて、この spectorFitting という関数はどう簡単に書くことができるものでしょうか。Mathematicaは変数名と文字列を明確に区別する割に、見た目ではまったくその違いがわからないのが面白いところ(同時に苦労するところ)かも、と思ったりしたのです。

2008-09-13[n年前へ]

「雑誌DE流行マップ」始めました 

 先日作ったWEBアプリケーションに少し手を入れたアップデート版を動かし始めました。下の動画は、WEBアプリを操作している時の画面をキャプチャしてみたものです。

 ファッション・ライフスタイル雑誌は、私たちの毎日を映し出したり、作り出したりする媒体のひとつです。同じ雑誌を毎号必ず買って読む人もいれば、特集記事・掲載モデル・付録など内容に応じて、「つまみ食い」のように時によって違う雑誌を買う人もいます。どんな雑誌を選ぶかということの積み重ねが、私たち自身や私たちの毎日を作り出していきます。
 「どんな雑誌のどの号にどんな情報が載っているのかを、特集記事・キーワード・掲載モデル・流行度比較・読者年齢や読者層といったポジショニングマップ・読者分布地図…といったさまざまな視点から眺めることができる」のが「雑誌DE流行マップ」です。あなたが「知りたいこと」「なりたいもの」「手に入れたいもの」が載っている雑誌を「雑誌DE流行マップ」を使えば楽しく見つけ出す・眺めることができます。



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