hirax.net::Keywords::「感性」のブログ



1999-07-18[n年前へ]

hixの地図 

好きな話は何処にある?

  最近、本WEBのTopページが非常に読みにくくなっている。話題が多すぎるのだ。これでは、このWEBを見に来てくれた人がいたとしても、迷ってしまうだろう。きっと、好みに合うページを見つける前に他のWEBサイトにとんでしまうに違いない。自分の好きにやっているサイトとは言え、それは少し寂しい。そこで、自らhiraxサイトの内容について解説してみることにした。といっても、単に解説するのではつまらないので、多少の考察を含めながら、である。

 他の人のWEBなどを眺めながら、自分のWEBの特徴を振り返ってみると、下のような図を持ち出すのが一番良いような気がする。これは横軸を「技術度」、縦軸を「感性度(完成度にあらず)」にしたものである。ジャンル1,2,3,4は大雑把に傾向で分類しようとしたものである。

技術度と完成度の地図

 他の技術系サイトを見た後に本WEBを見ると、どうも本WEBは技術的でない話が多い。主観的な部分がかなり含まれているのだ。他の技術サイトでももちろん主観的な部分はある。しかも、(私にはまだまだ出来ないのだが)説得力があるのだ。すなわち、ある程度の客観性が感じられる。しかし、私のサイトの中にある主観的な話は他の人に説得力があるとは思えないのである。妙な感覚的な話と技術的な話のカクテルみたいなのである。そこで、上のようなグラフが登場するわけである。

 科学という立場から考えれば、客観的であり技術的にも高度な「ジャンル-2」が望ましいだろう。しかし、本WEBには技術的には高度でないし、客観性もない、という「ジャンル-3」も多い。例えば、
iMacはドラえもんの夢を見るか? -さようなら、ドラえもん - (1999.02.03)
などがそうだ。そして、その極限として「Scraps」がある。こういった状況が良いのか悪いのかよくわからないが、とりあず、それもまた個性ということにしておこう。

 「ジャンル-4」の代表的な話としては
鴨川カップルの謎 -そうだ、京都、行こう-(1998.11.29)
というところか。「ジャンル-1」としては
コピー機と微分演算子-電子写真プロセスを分数階微分で解いてみよう-(1999.06.10)
というところで、「ジャンル-2」は
夏目漱石は温泉がお好き? -文章構造を可視化するソフトをつくる - (1999.07.14)
という感じだろう。まずは、自分の好みとあった所から眺めてみて頂きたい。また、裏で繋がっている話も多いのでそういう伏線を探してみるのも面白いのではないだろうか。

 なお、私の書く文章ははどうも「本当に言いたいことを行間に隠してしまう」ようなので(表現力がないとも言う)、行間に隠れている(作者も気づいていない)応用など読みとって頂けたら幸いである。それを私に教えていただければ、なお良い。

2000-03-18[n年前へ]

Dilay WEB's True Colors 

WEBの本音 (色弱と色空間その5)

 本屋でMookの辺りを眺めていると、「できるWEBデザイン」というようなタイトルがついた書籍が沢山ある。WEB上の情報でも「ホームページ」AND「配色」で検索をかけたりすると、これも山のように検索結果が出てくる。「WEBページの色使い」というのは、見た目ですぐわかるだけに気にする人が多いのだろう。もちろん、本「できるかな?」でも、これまで

というように、WEBの「配色」を題材にとってきた。

 ところで、辞書で"color"をひくと、「立場、姿、見せかけ、口実」と載っている。そういうこともあってか、どうも「色」というものもなかなかに苦いものでもあるように思う。それが、シンディ・ローパーの歌でも有名な"truecolors"になればなおさら、である。「色」というのは実に不思議で、面白いものである。
 そして、色を見る力である"vision"も辞書をひくと、光景、想像力、洞察力、予言力、未来像…など、とても興味深い言葉が多く、とても不思議である。

 "color"=立場、姿が百人百様であるのと同じく、"color vision"=色覚にも多様性がある。WEBの「配色」、そして、色覚にも多様性と言えば、とても役に立つ情報がある。以前、

で「Webの好きな色 苦手な色 読めない色」というアンケートが行われていた。そのアンケート結果はから見ることができる。また、そのアンケート結果を元にした「サイト配色」についての情報が
  • KRISTALL+ クリスタル・プラス( http://homepage1.nifty.com/kristall-plus/ )
にある。こちらもきれいにまとめられてる。WEBを作るならば、こうした情報に目を通しておいても損はないと思う。いや、もちろん本当は「損はない」どころではなく、目を通しておくべきだ、と私は思っているのである。

 さて、この「からーふぃくしょん」で行われた「アンケートで用いられた色の組み合わせ」は次のようなものである。
 

からーふぃくしょんにおいて実施されたアンケートで用いられた色の組み合わせ
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?
できるかな?

 この25種類の「できるかな?」の中で読みにくい色はどれだろうか? といっても、これでは「これ」と言いづらい。そこで、「からーふぃくしょん」ではこれらに番号付けがなされており、
 

からーふぃくしょんにおいて実施されたアンケートで用いられた色の組み合わせ
No.編
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8
No.9
No.10
No.11
No.12
No.13
No.14
No.15
No.16
No.17
No.18
No.19
No.20
No.21
No.22
No.23
No.24
No.25

となっている。私などは、この中ではNo.17(緑背景に赤文字)とかNo.23(紫背景に赤文字)などはいまひとつ読みにくいので好きではない。そういう自分の好みははっきりとわかるのだが、他の人の感性に沿って考えるということは、なかなか私にはできない。いや、全然できない。そこで、

の時に作成した「色覚モドキソフト」により、この「色の組み合わせ」を解析してみることにした。それによって、色々な人の感覚を想像してみることにしたのである。ソフトで人の感覚を想像するというのも情け無い話ではある。まぁ、自分で作るソフトで想像するのであるから、自分で想像した気にも、少しはなれるというものである。

 前回作成した"truecolor2.exe"ではInternet上の画像ファイルのみに対応していたのみであった。インターネット上のファイルは解析できても、自分のPCの中のファイルは解析できなかったのである。だから、使い勝手がかなり悪かった。そこで、今回バージョンアップしたtruecolor3.exeを作成してみた。
 この"truecolor3.exe"は、そうそう役に立つとは思わないが、一応ここにおいておく。

いつものように、多種の画像ファイルに対応するためにはSusieプラグインを必要とする。もっとも、BMPファイルの読み込みのみであれば、プラグインは必要ない。また、きちんとした動作確認などもしていないのも、これまたいつもの通りである。

 この"truecolor3.exe"は、ローカルのファイルを開いて処理する機能を持っている(本来、当たり前の機能であるが…)。なので、上に挙げたような表を画像ファイルに落とした後に、この"truecolor3.exe"で解析してみるのである。

 一例を以下に示してみよう。これは、truecolor3.exeで上の画像を処理(Lを50%程度にしたもの)したものである。その処理の意味は「色覚モドキソフトを作る(色弱と色空間その4)- 五十歩百歩 - (1999.12.12)」を読めば判るであろうから、ここでは特に言及しない。あえて、(変な風に)言うならば色々な情報を引いてみたときに、それでも情報をちゃんと伝えられるか考えてみる、といった所である。

 使い方であるが、
下の左のボタンを押す  ->  ローカルファイルを開く、
そして、
下の右のボタンを押す  ->  インターネット上の画像ファイルを開く
ようになっている。その後に、L,M,Sの各スライダーを上下させることで、画像に変換をかけるわけである。
 

truecolor3.exeで上の画像を処理したもの
(Lを50%程度にしたもの)

 一体、この画像変換例の画像中で読みにくそうな番号はどれだろうか?No.1,No.3, No.4, No.19, No.23といったものだろうか? このような変換画像と先の「からーふぃくしょん」のアンケート結果と見比べてみると、面白いと思う。No.23などは私も見づらいことでもあるし、「あまり使って欲しくない色使い群」だ、と言えるのかもしれない。また、ここでは画像変換の一例のみを示したが、自分のWEBページ画像に対して色々と処理をしてみると面白いと思う。

 色々な処理をした時に、どれが「本当の色」="true colors"であるかは判らない。そして、そんなものが本当にあるのかどうかも怪しいものである。しかし、そういったことを考えてみるのは、とても興味深いことだと思う。そして、その色を認識する"vision"についても、もっと考えてみるべきだと、思う。

 さて、現在のHIRAX.NETのトップページ(http://www.hirax.net/)の基本色はNo.8とNo.16である。先の「カラーフィクション」におけるアンケート結果を見ると、そんなに悪い配色ではないようだ。ひとまず一安心である。
 

2000-04-24[n年前へ]

ボクのテレビは白黒だった 

Benhamのコマを作ってみよう


 「O plus E」のバックナンバーを眺めていると面白い記事があった。1985/7のNo.68に畑田豊彦氏が書かれている「生理光学 -各種運動知覚現象 -」である。視覚周りの色々な話が書かれていた連載である。なぜ、こういう記事を読んでいるかというと、少し前の、

で視覚特性の資料を探した時に、この畑田豊彦氏の連載を見つけて以来、どうもはまってしまっていたのである。

 特に今回面白く感じたのはBenhamのコマ(Benham's top)である。Benhamのコマというのは次のような画像を「コマ」にして回転させるというものだ。次に示すのは、「Oplus E」に掲載されていた杉浦康平氏デザインのBenhamのコマである。
 

杉浦康平氏デザインのBenhamのコマ その1

 このような画像を回転させると、白黒の模様しか描かれていないのに、何故かほのかに色づいた模様が見える。それが、Benhamのコマである。人間の視覚特性のために、白黒模様から色を感じてしまうのである。こういった「おもちゃ」で子供の頃に遊んでいたように思うのだが、すっかり忘れていた。きっと、理科の時間などにこういった「おもちゃ」で遊んでいたはずなのに、記憶の彼方に飛んでしまっていた。こういう記事を読み返さないと、たぶん忘れたままになってしまっていただろう。

 ところで、プリンターをお持ちの方は、このWEBページを印刷して、コマを作成してみると面白いと思う。白黒プリンターで印刷しても、コマさえ作れば、アラ不思議、その回転するコマは色づいて見えるのである。モノクロプリンターでもカラー模様が印刷できるわけだ(人間が感じるところまで含めれば)。

 他にも「O plus E」に掲載されていた杉浦康平氏デザインのBenhamのコマを示しておく。
 

杉浦康平氏デザインのBenhamのコマ その2

 さて、このBenhamのコマを私も作成してみようと思う。もちろん、実際にコマは作成して楽しんでみたのだ。しかし、せっかくなので、動画ファイルの形で簡単に見ることができるようにしてみた。WEB上で簡単に見ることができるBenhamのコマである。

 先の、「杉浦康平氏デザインのBenhamのコマ その1」を回転させるのではなく、時間的に変化する動画にしてみるのだ。といっても、こう書いただけでは判りにくいので、図で示してみる。まずは、作成した動画の各「コマ(このコマは静止画の意味)」を見てみよう。
 

今回作成したBenham's topの各コマ(このコマは静止画の意味)
1
2
3
4
5
6

 これが、「杉浦康平氏デザインのBenhamのコマ その1」を時間的に変化する動画にしてみたものだ。この図で4,5,6コマめが、先のA,B, Cに対応しているわけである。

 これをある程度高速で連続的に眺めると、この白黒模様が色づいて見えるはずである。まずは、これらの画像をアニメーションGIF画像にしたものを次に示す。とはいっても、作っては見たが再生スピードがどうにも遅い。これでは、色づいて見えるどころではない。このBenhamのコマをアニメーションGIFにする計画はひとまず挫折である。
 

今回作成したBenham's topをGIF画像にしたもの
(再生スピードが遅すぎて失敗 - 私の環境では - )

 そこで、先の画像をAVIファイルにまとめたものを作ってみた。こちらの方ならスピードはなんとか満足できている(少なくとも、私の環境では)。AVIファイルということで、Windows以外の環境では不便だと思うが、動画変化ツールは色々あるから大丈夫だろう(多分)。
 人によって、どの速さの場合が一番色づいて見えるかどうかは異なるだろうから、三種類の速度のものを作成してみた。それをここにおいておく。ちなみに、再生ソフトの設定を「自動繰り返し」にする必要がある。

 これらの各動画像を眺めて比較してもらうと、白黒の画像が色づいて見えるのが判ると思う。ちなみに、私の場合は、真ん中から左の縦線の辺りが黄色っぽく見え、右の縦線の辺りが青っぽく見える。この動画に関しては、カラーディスプレイで見る必要がない。白黒ディスプレイで見て頂いて構わない。それでも、色づいて見えるはずである。

 さて、WEB上で情報を探してみると、面白い話があった。

によれば、かつてNHKの教育放送で白黒テレビを用いて、このBenhamのコマを放送する実験がされたようだ。白黒テレビを用いてカラー放送をしようとするわけである。白黒しか表現することができないデバイスである白黒テレビも、それを眺める人間というデバイスの特性を考慮に入れてやれば、カラー放送が「できる」わけだ。実に夢があり、(人の感性を主眼にしているという意味において)先進的な実験である。こういう実験の話を聞くと、うれしくなる。

 昔、ウルトラマンをTVで見ていた頃、白黒TVで見ていた。その頃は、カラータイマーの色は私にはよく判らなかった。ボクのテレビは白黒だったからだ。ウルトラマンのカラータイマーの点滅をこのBenhamのコマのパターンで放送したりしたら、とても面白かったのにな、と思うのである。
 

2000-06-24[n年前へ]

「色っぽい声」の秘密 

キャバクラ嬢は英語が上手い!?

 以前、

 私は鈴が鳴るような綺麗な声がとても好きなのである。いつか、そういう声の秘密について調べてみたい、と思う。
と書いた。今回は「男を惑わす魔性の声」について考えてみたい。

 「男を惑わす魔性の声」といっても色々ある。私の場合、「鈴が鳴るような声」も好きだし、森本レオの声も大好きである。両極端であるが、本当なのだからしょうがない。それは他の人も同じで、その人ごとに好きな声と言うのは違うはずだ。などと言い出すと、どんな声が「魔性の声」なのかわからなくなる。そこで、「魔性の声」を出すプロに注目してみよう。「男を惑わすプロ」の出す声に注目してみるわけだ。

 「男を惑わすプロ」と言えば、例えばキャバクラそれともキャバレー?(どちらも、残念ながら行ったことないけど)で男性を手玉にとるキャバクラ嬢ははずせないだろう。彼女らの声はまさに「魔性の声」としか、言いようがない(行ったことないから、想像で書いてるけど)。例えば、

「あァ〜ン、もう社長さんたらァ。」
         ↑ココ
ァ〜の部分なんて、どうだ。これぞ、まさに「男を惑わす魔性の声」だという気がしないだろうか。この声に惑わされて、路頭に迷った彷徨える(エロ)子羊達の数は数え切れないはずである(多分)。今回はこの「色っぽい声」の秘密に迫ってみようと思う。

 さて、、まずはデータ収集が必要である。何より一番良いのは本物のデータを手に入れることである。すなわち、夜のキャバクラへ出撃するのが一番良いわけだ。私も「データの精度」にこだわる意味でも、ぜひそうしてみたい。使命感すらあると言ってもいいくらいである。しかし、残念ながら諸事情がそれを許さないのである。

 そこで、infoseekで「色っぽい声」で検索をかけて見つかった高等遊民氏のVOICE.WAVを使ってみることにした。聞いてみればわかると思うが、この色っぽい声は先のァ〜と同じような種類の声なのである。

今回はこの声に注目してみることにしよう。次に示すのが、高等遊民氏の「色っぽい声」中で解析を行った部分である。
 

高等遊民氏の「色っぽい声」中で解析を行った部分

 その部分を拡大してみると次のような音声波形である。この音声波形に「色っぽい声」の秘密が隠されているのである。
 

高等遊民氏の「色っぽい声」中で解析を行った部分の音声波形を示したもの

 さて、この音声波形に不思議なところはあるだろうか?「色っぽい声」の秘密の鍵となるところはないだろうか?そう考えながら、この音声波形を眺めていると不思議なことに気づいた。

 果たして、これは「あ」と言って良いのだろうか?これが「あ」であるという思い込みを私はしていたのではないだろうか?今回、一番最初に

「あァ〜ン」
と書いたが、特に意識はしなかったが「あァ〜」という変な書き方をしているのは、無意識のうちにこの「色っぽい声= 魔性の声」が「あ」でないと私のどこかが気づいていたのではないだろうか?

 例えば、次に私の声で「あ、え、お」を示してみよう。上の魔性の声「あァ〜」は下の波形で言えば、むしろ「お」とか「え」に近いのがわかるはずだ。
 

これは私の「色っぽくない声」


 もちろん、別人の声であるから音声波形が異なるのは当たり前だろう。そこで、フォルマントを調べてみることにした。それが下のグラフである。赤丸部分が「あァ〜ン」の秘密を解くポジションである。「あァ〜ン」のフォルマントと日本語の母音がどういう位置にあるかを表示したものである。
 

「あァ〜ン」のフォルマントと日本語の母音

 何と、そもそも日本語にはこの「色っぽい声 = 魔性の声」「あァ〜ン」を示すべき音がないのである。日本語にとってこの「色っぽい声= 魔性の声」は未知の音なのである。

 考えてみれば、それはそうかもしれない。人間誰しもよくわからないものには「恐れ」と同時に「好奇心」を刺激される。例えば、異性というよくわからないものに惹かれる気持ちだってその一例だろう。だから、少なくとも日本人にとっての未知の音であるものが「色っぽい声= 魔性の声」に感じられるようになったのは、ある意味当然と言えるのではないだろうか?

 「男を惑わすプロ」であるキャバクラ嬢が日本語の音の領域図を知った上で、この「色っぽい声= 魔性の声」「あァ〜ン」を発しているとは私も考えないが、少なくとも日本語の音の分布からすれば、「まさに男を惑わすツボを抑えている」ことがわかる。恐るべし、キャバクラ嬢である。

 日本語の母音だけではなんなので、英語の母音の領域も参考までにこれに重ねてみよう。それが下の図である。
 

「あァ〜ン」のフォルマントと日本語・英語の母音

 なんと、英語ではこの領域は「未体験ゾーン」ではないのである。「色っぽい声= 魔性の声」「あァ〜ン」の音は発音記号で言うとVの上下がひっくり返ったやつの領域に重なってしまうのだ。英語圏の人にとってはこの「あァ〜ン」は未体験の音ではないのである。私は英語の発音は涙が出るほど、上手くできないのであるが、もしかしたら「魔性の女性」達にとってはいともたやすくその発音ができるのかもしれない。

 ところで、先程の「知らない音 = 魔性の声」理論からすれば、英語圏の人にとってはこの「あァ〜ン」はそれほど「色っぽい声」ではないということになりそうだが、残念なことに私は生粋の日本人なのでそれを確かめることはできない。それに調べたら、きっとこの「知らない音 = 魔性の声」理論は崩壊してしまうだろう。

 さて、最後に色っぽそうな音を数学的に合成してみた。

あなたの感性が豊かであるか、想像力が豊かであれば、このいかにも人工的な音の中のにも「色っぽい声= 魔性の声」「あァ〜ン」のエッセンスが感じられ、心惹かれるはずである。

 今回は簡単にやっただけなので、この音の内容については詳しく説明はしない。次回(いつものごとく何時になるかは全然わからないが)、

  • Mathematicaで「あァ〜ン」- 色っぽい声を合成しよう - (仮題)
で詳しく説明したい。また、ここ10年以上使っていないKORG MS-20を使って「シンセで作るキャバクラ嬢」にもいずれ挑戦する予定である。
 

2002-08-17[n年前へ]

感性の科学 

 辻三郎編。サイエンス社。



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