2007-11-25[n年前へ]
■「インベンション」と「イノベーション」
「研究者」と「経営者」の違いの話を聞いた後に、場所を移して、少し長い時間、色々な話を伺った。その時、研究者からすると「新しい発見」≒「イノベーション」と思いがちだが、経営者からすると、「新しい発見」≠「イノベーション」だという話を聞いた。
宮原 諄二 教授の『「白い光」のイノベーション』(朝日新聞社)を読んでいると、 ジョセフ・シュンペーターの著作を挙げながら、「新しい何かを取り入れたり、既存のものを変える」イノベーションは、インベンション(発明)とは違う、という一節があった(p.31辺り)。この「インベンション(発見)」≠「イノベーション」だということは、まさに「研究者」と「経営者」の違いの的確な言い換えであるように思える。つまり、研究者がインベンションを追求する存在であるならば、イノベーションを追求するのが経営者あるいは企業者(起業者)だ、ということになる。
インベンション(発明)が市場や社会と共鳴してイノベーションが生まれるように、インベンションがイノベーションのきっかけになることはあっても、決して「インベンション(発見)」=「イノベーション」ではない。そういった事実は、市場や社会のニーズ、つまりは消費者の「欲求」が形として見えにくい現代だからこそ、重要な点だろう。
2007-12-30[n年前へ]
■読みづらいSPA!のヒミツは「アナログ工程」か「老眼」か?
SPA!を読んでいる時、ふと「なんだか読みづらいし、読むと目が疲れるなぁ…」と感じた。もしや、これが老眼というものだろうか…?と不安になりながら、念のためSPA!のページを拡大して色々眺めてみたら、これが明らかに読みづらそうな文字印刷になっていた。黒単色文字でさえもスクリーン(階調処理)がかけられていて、なんとも読みにくい汚い文字になっている。
おそらくSPA!の原稿編集印刷工程はデジタル化されていないのだろう。記事・ページによっても違うだろうが、文字も写真もすべて同じように処理されているに違いない。その結果、文字部の印刷もこういう写真処理と同じような処理になっているのだろう。(ちなみに、こちらの画像は朝日新聞の天気予報欄の印刷である。こちらの場合は、読みやすい綺麗な文字であることがわかる。)
とりあえず、読みづらいSPA!記事の原因は必ずしも老眼のせいというわけではなさそうだ。これで「老眼の訪れ」から逃れられたわけではないけれど、少しだけホッとした今日この頃だ。
2008-01-02[n年前へ]
■朝日新聞を拡大してみよう
身の回りにある「色んなものを拡大してみよう」と思い、朝日新聞を眺めていると、下隅に色濃度管理用の色パターンが二種印刷してある。大きな方でも1mm角ほどの大きさで、小さな方はさらにその十分の一ほどの大きさだ。つまり、数百ミクロン弱の大きさだ。朝日新聞のカラー広告はFMスクリーンを使っているということなので、この小さな方のパッチはFMスクリーンで使われる最小ドットなのだろうか。
目の前にあるものを拡大してみれば、その中には不思議なものがたくさん隠れていそうだ。
2008-01-09[n年前へ]
2008-01-13[n年前へ]
■「誰にでもできる情報の見分け方」
仲畑貴志の「コピーの全部」を読んだ。本の後半に収められているエッセイ集が、新鮮だった。思わず記憶が蘇えるヒットしたコピー文も懐かしかったけれど、初めて読む氏のエッセイが、心に残った。
情報社会などと言われだして、もうずいぶんの時が過ぎた。けれど、ホントに必要な情報、役立つ情報、心に届く情報はそう多くはない。
近頃、僕は、情報との接し方について面白いことを発見した。一、二年、古い情報を、今読む。経済動向も、トレンド情報も、景気予測も、どれもこれも「オミゴト」と言えるものは、ほとんどないに等しい。
…従来なら捨て去っていた新聞や雑誌を取り置いて、あなたも評論家の予測を採点してみてください。言いっぱなしの書きっぱなしで、一切結果に触れず、ただ僕たちの心を騒がくして行くだけのセンモンカが、すぐに発見できる。
仲畑貴志「誰にでもできる情報の見分け方」(P.244)