2006-03-12[n年前へ]
■WEB 2.0時代のコンビニ・プリント活用法
「自分がいる場所」の便利地図を見やすく素早く作り出そう
最近の携帯電話はGPS測位機能が標準装備されているのが普通です。初めて行く場所で誰かと待ち合わせるときや、外出先で道に迷ったときなどは、携帯電話付属のソフトで地図を眺めて場所を確認したりすることがあります。それはそれで便利なのですが、携帯電話の小さな画面ではどうにも見づらくて、結局近くの本屋やコンビニに駆け込んで、地図を眺めたりします。ところが、それはそれで自分が今いる位置を見つけ出すのに苦労します。その時点で既に迷っていたりするわけで、地図を眺めてみても「ココはドコ?ワタシはダレ?」状態になってしまうのです。
そこで、今回は「街中に溢れているコンビニ(セブンイレブン)と自分が持っている携帯電話を使うことで、自分がいる場所がちゃんとわかる地図、しかも紙の大きく見やすい地図、さらに自分が探している場所などの便利な情報が入った地図を一瞬で作り出す」ということをしてみようと思います。
携帯電話ナビ機能は便利だけど…小さすぎる
私の携帯電話にはGPS測位機能とナビ機能がついています。右の写真は、携帯電話で自分がいる場所辺りの地図を眺めている例です。初めて行く場所で誰かと待ち合わせるときや、外出先で道に迷ったときなどは、こんな携帯電話地図を眺め場所を確認したりすることがあります。これはこれで便利なのですが、写真を見ればわかるように、こんな携帯電話の小さな画面ではどうにも見づらくて、結局近くの本屋やコンビニに駆け込んで、(大きな)地図を眺めたりするのです。やはり、携帯電話画面に映し出された小さな地図よりは、紙の大きな地図の方がずっとわかりやすいわけです。
ところが、紙の地図の場合、自分が今いる場所を見つけ出すのに苦労したりします。携帯電話なら、(GPS測位された)今現在の場所にアイコン表示がされていたりするわけですが、紙の地図ではそうはいきません。紙の地図はどこかの印刷所で印刷・製本されているわけで、私やあなたようにカスタマイズされた地図ではないのですから、それは当然の話です。その結果、地図は見やすいけれど、自分の場所がわからないという(現実にも地図上でも)「ココはドコ?ワタシはダレ?」状態になってしまうのです。地図を探している時点で既に道に迷っているわけですから、そうなりやすいのも当然の話です。それに、自分の位置がわかったところで、地図本はそんなに安くありませんからなかなか買いづらかったりします。必要なページはたった1ページだけなのに、一冊の本を買うのもなぁ…と思い始めて、地図を頭の中に記憶して本屋をそのまま出てしまう、なんていうことをします。これでは、単なる立ち読み野郎です。…しかも、えてして、その記憶の中の地図は全然あてにならず、またすぐに迷ったりするのです。
自分専用の地図をコンビニ・プリントで作り出す
- 「携帯電話なら自分の位置がわかるけれど、地図は小さく見にくい」
- 「本屋やコンビニに置いてある地図は大きく見やすいけれど、自分の位置がわからない」
- 「地図本の中で、自分にとって必要なのはたった1ページしかないが、1ページ単位の地図はなかなか売っていない」
「携帯電話・Googleローカル・ネットプリント」を組み合わす
実際にやることはとても簡単です。
- 「携帯電話」
- 「Googleローカル」
- 「(セブンイレブン・富士ゼロックスの)ネットプリント」
実際にそんなスクリプト(ダウンロード・説明などはさらに下にあります)などを作って、試してみたようすが下になります。まずは、携帯電話でフォームページにアクセスしボタンを押すと(1番左の画像)、測位が開始され(2番目の画像)、作業が完了した旨が表示されます(3枚目の画像は"周辺マンガ喫茶地図を作成"した例です)。そして、ネットプリントのサーバから「コンビニでプリントする際に必入力するプリント番号」がメールで送られてくる、というわけです。一番最初からここまで、必要な時間はせいぜい30秒といったところです。やることは、リンクを呼び出してボタンを一回押すだけ、です。
さて、ここまで来たら近くにあるセブンイレブンに入りましょう(もちろん、上の手順をコンビニの中で行ったって構いません)。最近であれば、都会の街中で周囲を眺めてみれば、セブンイレブンは必ず視界のどこかにあることが多いので、セブンイレブンを捜すのに苦労はしないはずです。そして、店舗中に設置された多機能プリンタの「ネットプリント」のボタンを押し、予約番号を入力し、そしてプリントボタンを押せば、下のような地図が出力されるのです。ただ、それだけ、です。その作業にかかる時間はせいぜい30秒~1分以内といったところでしょう。そんな風にお手軽に「自分の今いる場所を中心にした、自分を探している場所や電話番号・住所が記入され、色んな場所アイコンもちゃんと描かれている見やすく大きくカラフルな地図」がすぐ手にはいるのです。下の地図は、渋谷駅周辺でイタリア料理レストランを検索した結果の地図、です。大きな紙上に、自分にとって必要な情報・地図がとても見やすく出力されていることがわかると思います。
例えば、上に示した地図の場合は、A4カラーで出力したので1枚で80円ポッキリです。セブンイレブンで白黒プリントを選択すれば、(例えA3サイズでも)1枚30円ポッキリですし、A3カラーにしてもたったの120円なのです。手間も掛からず、値段も80円程度で最高にカスタマイズされた地図が手にはいる…なんて考えたら、携帯電話でパケット料金を気にしつつ小さな見にくい携帯画面を頼りに街をさまよう気にはもうなれません。
今回作成してみたのは携帯・Googleローカル・セブンイレブンを組み合わせた(マッシュアップした)地図出力ですが、今回のスクリプト(あるいは単に今回のアイデア)を色々改造してみれば、便利な活用法はたくさんありそうです。例えば、Googleローカルでなく、Googleを使って検索キーワードの高順位のものを組み合わせたページを出力する。あるいはニュース記事やRSSなどを組み合わせたページを作成し、コンビニで出力させて、「あなただけにパーソナライズされたニューズペーパー」を電車の中で読む、そんな面白い可能性が見えてくるはずです。素晴らしく楽しい、そしてあなたの生活を幸せにする「WEB 2.0時代のコンビニ・プリント活用法」が浮かび上がってくるのではないでしょうか?今回の記事がそんなキッカケになったら良いな、と空想してみたりします。
「スクリプト」の説明
携帯電話で位置を調べ、探したい情報と位置情報をもとにGoogle ローカルからパーソナライズ・カスタマイズされた地図を作り出し、セブンイレブンと富士ゼロックスのネットプリントを使い地図データをネットプリントのサーバーに格納させる、という
- 「携帯電話」
- 「Googleローカル」
- 「(セブンイレブン・富士ゼロックスの)ネットプリント」
if ( param() ) { my $pass = 'hoge'; # ネットプリントのパスワード my $user = 'hoge'; # ネットプリントのユーザ名 my $mail_adress = 'hoge@hoge'; #予約番号通知先 # 緯度経度取得 my $lat = param('lat'); my $lon = param('lon'); $lat =~ s/\+//; $lon =~ s/\+//; my $str = param('cond'); # 検索条件 $str = jcode( UrlDecode( $str ) )->euc; $str = jcode( $str )->utf8; $str = UrlEncode( $str );各サブルーチン中を順を追って説明すると、printHTML1()中で、
# GoogleローカルのアクセスURL my $uri = '"http://local.google.co.jp/local?f=l&hl=en&sll=' .$lat.','.$lon.'&q=' . $str . '&near=' . '' . '"'; # 地図画像作成 my $file = makeFile( $uri, 1600, 1600 );
# ネットプリントに地図画像送信 postFileToNetprint( $user, $pass, $mail_adress, $file ); # 完了画面表示 printHTML2( $lat, $lon, jcode( UrlDecode( $str ) )->euc );} else { # 初期画面表示 printHTML1();}
form action="device:gpsone" method="GET"というようなフォームを使って、auのGPS携帯から位置情報を取得します(それ以外のキャリアであれば、汎用のライブラリを使うのが簡単でしょう)。そして、メインルーチンGoogleローカルのアクセスURLなどを作成し、postFileToNetprint()で地図画像を作成します。今回はWindowsサーバでテストしたので、url2bmp.exeをsystem()で呼びJPEG画像を作成しています(他のOSであれば、適当なWEBサムネイル画像作成アプリを使えば良いでしょう)。そして、作成した画像をpostFileToNetprint()でネットプリントのサーバに送信するわけです。なお、postFileToNetprint()は下記のようになります。
#========ネットプリントにファイル登録==================sub postFileToNetprint { my ( $user, $pass, $mail_adress, $file ) = @_; my $net_print_url = 'https://www.printing.ne.jp/cgi-bin/mn.cgi'; $net_print_url = "$net_print_url?i=$user&p=$pass"; my $mech = WWW::Mechanize->new(); # ネットプリントへ my $response = $mech->get( $net_print_url ); # ファイル登録ページへ $mech->follow_link( url_regex => qr/&c=0&m=1/i ) # ファイル送信フォーム; $mech->submit_form( form_name => 'uploadform', fields => { file1 => $file, color => '1', # プリント時にカラー/白黒 選択 number => '1', # 数字のみ番号に設定 secretcodesw =>'0',# 暗証番号は設定しない secretcode => '', ailsw => '1', # 登録結果を通知する mailaddr => $mail_adress, }, ); $mech->submit_form( form_name => 'm1form', # サイズ指定 fields => { papersize => 'A4',}, # A4, A3, B5, B4 ); return 1;}(Perl素人の私が作成したので、ヘンな箇所も色々ありそうですが)内容自体はとても簡単であることがわかると思います。このスクリプトをもとに、色々改造して「素晴らしく楽しい、そして人の生活を幸せにするWEB 2.0時代のコンビニ・プリント活用法」が生まれるキッカケになれば良いな、と思ったりします。
2006-04-10[n年前へ]
■「過去の記事や画像」を検索する
「WEBが発展してからの記事や画像の検索は容易になったけれど、過去の記事や画像の検索は容易というわけでなくて…」というメールを頂きました。「過去に見たテレビの画面や広告や…といったもの」を見つけ出したいけれど、なかなか見つからない、という話です。
「過去に何らかの媒体に掲載された記事」や「画像」といったものを探す場合、図書館や資料館などに行って探す、のが一般的なのでしょうか。過去の出版物(記事)や資料を保存しておくのが図書館や資料館の目的の一つなのですから、通常は、そういった場所を訪ね歩き探すことになるのでしょう。そんな場合、自分がその場所まで行って探さなければならないわけですから、地方に住んでいたり、はたまた海外在住だったりすると実に面倒なことになってしまいそうです。
ところで、例えばGoogleは図書館などの収蔵書物もすべてデジタル化しようとする(した)"Google Print"といったプロジェクトを行おうとしています。もしも、世界の色んな図書館にあるたくさんの本が読み取られた日には、「過去に見たテレビの画面や広告や…といったもの」の検索も(今よりは)簡単になりそうです。例えば、昔のコマーシャルをキーワードで検索すれば、「広告批評」や当時の「ポパイ」や「明星」といった雑誌の記事が検索されて、その画像なども容易に眺めることができるようになるに違いありません。つまり、過去の画像検索や記事検索が(世界のどこからでも)できるようになるのかもしれませんね。
2006-06-03[n年前へ]
■今日の「へぇ〜」
スーパー・プログラマで、共同体的全文検索システム Hyper Estraier を作っている 平林さんが、富士ゼロックスを退社しmixiに入社していた。面白い。@OA機器業界な?「平林」の一人としては、「へぇ〜」ボタンを連打する。そして、昨日書いた日記に追記する。
一番最初 "Purpose and Results"のスライドに書きいれたこと2つを意訳してしまえば、 「自分たちをよく知った上で」 「他のメディアと繋がること」です。
2006-07-30[n年前へ]
■恐怖!「心霊」を見つけ出すソフトウェア
写真を調べてみれば、あなたの背後に霊がいる!
夏といえば…!?
もう7月も過ぎ、いつの間にか暑い夏真っ盛りです。日本の蒸し暑い夏に負けず、この季節を過ごしやすくすつために、これまで色々なモノが作り出されてきました。例えば、涼しさ抜群のカキ氷を食べたり、水面や河原に張り出した川床の上で涼んでみたり、あるいは、風鈴の音で暑い夜を涼しくしたり、という工夫がされてきたわけです。
そんな工夫の一つ?が「肝試し」や「怪談話」です。夜、薄暗い場所で「恐ろしい心霊現象」「奇妙で恐怖を感じさせる話」などをすれば、例え暑い夏の夜であったとしても、思わず背筋が凍るような感覚に襲われ、暑さがどこか遠くへ消えてしまったような気分に陥ります。そして、その後、暗く何かが出てきそうな場所へ肝試しに行かなければならないと…むしろ夏の暑さに戻ってきて欲しくなったりするほど怖くなったりするのです。
気配は感じるのに、「心霊・お化け」が見えない…!?
しかし、そんな風に心霊やお化けは怖いのに、肝試しの最中は「心霊・お化け」の気配を感じるのに、なぜか「心霊・お化け」が見えない…という人が多いのではないでしょうか?肝試しの最中は、周りを全て怨霊に囲まれたような気分になるのに、幸か不幸か「霊」を実際に見たことがない…という人がきっとほとんどだと思います。もちろん、「霊なんか世の中には存在しないのさ!」と日頃言ってる理系野郎も多数生息しているとは思いますが、それでも夜に洞窟の中の神社に行ったりすると思わずビクビクしたりしてしまう弱虫君だったりすることも多いと思うのです。。
そんな、「肝試しの時はビクビク怖がるクセに霊やお化けを見たことがない」ような弱虫理系の一人として、今回は「心霊を見つけ出すソフトウェア」を作ってみました( 動作環境はWindows )。細木数子にばかり「心霊」を独占させないために、写真の中に潜む「心霊・お化け」を見つけ出すソフトを科学的に?作ってみることにしたわけです。その動作画面を右に示してみました。("Open"ボタンを押して)写真を読み込むと、下のスライダーで示した"レベル"に応じて「人のようなもの」を見つけ出します。例えば、右の動作画面のように、コントロール・ウィンドーのスライダーを右端の「人間」レベルまで持っていくと、写真の中から「人間」のみに青い矩形マークが付きます。右の写真では、中央の女性の顔に青い「人間」マークがついているのがわかると思います。そして、そのスライダーを左端の「心霊」レベルまで持っていくと…、(「心霊」以上の存在である)「人間」だけでなく、「心霊」を見つけ出すことができるのです。そして、「心霊」がいる場所が赤い矩形でマークされるわけです(赤いマークがついても、ちゃんと青い「人間」マークが付いていれば、それはちゃんと「人間」のハズです。安心してください)。あるいは、"Auto Search"ボタンを押せば、「心霊~境界ゾーン~人間」までの全レベルにわたって検索・解析をすることもできます。
あぁ、こんなところに「霊」がいるぅ~!
上の動作画面例では、「人間」レベルで検索をかけたので、中央の女性だけにマークが付いています。もちろん、「一見、女性(人間)に見えるけれど、実は妖怪だった!」ということもあるわけですが、今回の場合、ちゃんと「心霊」診断ソフトウェアが、「この人は人間です!」と判断したわけで、確かにこの写真の女性は「人間」のようです。
しかし、この写真の中にこの女性以外の心霊・お化けが写っているかもしれません。何しろ、この写真は「怨霊うごめく京都の街近くにある山中で撮影されたもの」なのです。ただの薄暗い林の中、ではないのです。しかも、「この写真の現場近くには第二次大戦中の対空射撃台跡などもあるし」その「対空射撃台跡の近くには、(普段は閉ざされている)山中に伸びる洞窟もある」という、いかにも何かがいそうな場所だったりするわけです。そこで、"Auto Search"ボタンを押して調べてみました。その検出結果が、右の写真です。
なんと、…右斜め下の部分と女性の左胸の部分に「心霊」がマークが写し映し出されています…。「女性の左胸の部分」はオッパイ星人の怨霊かなにかが検出されているのだと思うのですが(世の中には意外に多く生息しているようですから)、右斜め下の部分は何だかちょっと気になります。…そこで、ちょっとその部分を拡大してみました。それが、右の写真です。はて?と眺めてみると…うわぁ~「心霊」が地面と林の木々の隙間で右を向いてる~!何だか哀しげな顔をして遠くを見てるぅ~!こ・これは、怖い…。
…こんな「心霊」がいつも見えてたら、おちおち散歩もできそうにありません。「心霊」を見つけ出す能力は今回の「ソフトウェア」に任せ、やっぱり自分自身は、「心霊・お化け」が見えない弱虫理系野郎のままでいたい…と思った今日この頃、なのです。
2006-08-13[n年前へ]
■「とりあえずググる」を卒業!できないヘッポコ・エンジニアの検索術
Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女に、「とりあえずググる」を卒業!できないヘッポコ・エンジニアの検索術を書きました。一言で書いてしまえば、あなたの検索術は、「自分や他人が生み出した情報に関して、どの程度の範囲の情報を、どのような場所に保管しておき、どのような手順で検索をかけるもの」なのでしょうか?という「問いかけ」です。自分の生活パターンや性格に合った検索(情報保管)術があると良いのですけれど、ね。
いずれの方も「(自分が知らない)新たな情報を検索する技術の話」ではなく、「自分が眺めたことがある情報、あるいは自分が作り出した情報を、必要なときに取り出す技術」の話をされています。 古くは、互いに求め合う主人公二人が不幸にもすれ違い続けるドラマ「君の名は」ではありませんが、出会うことよりも(必要なときに)再会することの方が困難だ、というのはよくありそうなことです。