2008-05-16[n年前へ]
■バストの測り方の「定義」と「実態」
男性にとって「バストサイズの測り方」は、接する機会の少ないもののトップ10に入るものの一つだ。しかし、女性からしてみれば、そんなことは、日常生活の中で当たり前のように知っている「常識トップ10」に必ず入ることの一つに違いない。
「ブラジャー・カップ解体新書」で調べたように、「ブラジャーのカップ数」は、JIS規格によれば、ボトムバスト(胸のバスト直下の部分の胸囲)とトップバスト(バスト部分の胸囲)の差で決められている。
このJIS規格(JIS L 4006)は、一見すると実に事務的で厳密な定義に見える。……しかし、よく考えて見ればこれほど曖昧な定義もない。ボトムバスト=「バスト直下の部分の胸囲」はともかく、トップバスト=「バスト部分の胸囲」というものをよく考えて見れば、これほど曖昧な規格もない。
その疑問をひとことでいえば、「バスト部分」とは一体何だろうか。その形も存在も定かでなく、まるでアメーバのように姿を変える「バスト部分の胸囲」とは一体何を指すのだろうか。ブラジャーのサイズを規定しているJIS規格JIS L 4006「ファンデーションのサイズ」からでは、「トップバスト」が何であるか(さらにはカップサイズが何であるか)は、実はまったくわからないのである。
トップバストの定義を調べていくと、ワンピース作成時の測定寸法表(PDF) や、基本身体寸法の表示など、「女子のバストポイントを通る胸部の水平周囲長」といった表現が多い。男性がこの言葉から受けるイメージは、「直立した女性の胸部を、水平に輪切りしたような状態で、巻尺(メジャー)で図った周囲長」である。しかし、トップバスとの計り方の「実態」は違うらしい。
青山まりの「ブラの本。」を読み返してみると、「(まっすぐ立って計ると、実際より小さな値になってしまうので)90度の角度で、お辞儀をするスタイルでトップバストを計る」と書いてあった。つまり、バストの周囲の脂肪が胸部に集まり、そして伸びているような状態で胸部の周囲長を計るのが、トップバストの計り方の「実態」だというわけである。
「理想」/「現実」や「定義」/「実態」など本来ひとつの同じものにも複数の姿(見方)がある。裏も表もなく、ただ一つの見方しかない(できない)ものは、映画やテレビのセットくらいで、現実には存在しない。「ブラジャーのトップバストの測り方」からそんなことを考える……のは妄想しすぎ、なのだろう。
2008-07-05[n年前へ]
■日本人が感じる「理想の体型」は7.7頭身!?
イラストレーション・ソフトを作ったりする時のために、デッサンの勉強をしている。輪郭線に影響を与える人体骨格を改めて眺め直したり、あるいは、その骨格を包み込み繋いでいる筋肉の形などを見て、その構造に沿って人体を描こうとしてみる。そんなことをしていると、どのように頭部と胴体を分けた処理をすれば良いか、どのように輪郭線抽出の際の手抜きをすれば良いか、が見えてくるような気がする。
人体の骨格や筋肉を眺めなおしていると、知らなかったことばかりで面白い。たとえば、男性の尾骨より女性の尾骨の方が後ろに丸く広がっていたり、骨盤の形・前後左右への広がり方が全然逆だったり…と当たり前のようにも思えるけれど、それらの骨格・筋肉図を頁の上で眺めなおすと、それはとても新鮮だ。
そしてまた、「日本人が理想とするプロポーションは8頭身ではなくて、7.7頭身だ」といった言葉も、比較用の図を眺めながら読むと、実に自然に納得させられる。ギリシャ時代から理想のプロポーションは8頭身だとされてきたが、日本の女性誌人気モデルはおよそ7.7頭身ほどだという。理想プロポーションとされている8頭身のミロのヴィーナスを見ると、確かに、妙に頭が小さくて逆にやたらに胴体が大きく感じてしまい、「理想のプロポーション」には感じられない。ボッティチェリの9頭身のヴィーナス(の誕生)に至っては、大きな胴体に頭部がおまけのようについているように見えてしまう。
日本人のプロポーションは平均6~7頭身だという。実際に比較用の画像を眺めてみると、なるほど、6.5頭身の女性像が一番魅力的に思える。それが、6.8頭身にもなると、ちょっと顔が小さく・胴体が大きく見えて、感じる「親しみ」が少し減じてしまうように見えてくる。5%の違いがそんな印象・感性的な大きな違いを生むというのが、何だか不思議で面白い。
下の動画は、イラストレーション化したレッシグ教授の動画だ。全身像を見ると意外に顔が小さいのだけれど、この動画のように、胸から上だけを写した「頭身」を感じさせない画像からは、「親しみ」を強く感じるように思う。そういった感じ方への個人差・地域差・地域差といったものは、どういう具合になっているのだろうか。
2008-08-11[n年前へ]
■LEONは「ヅラ」でCanCamは「ウィッグ」か!?
右の図は、ホワイトボードに描かれた「決して理想的ではないデコボコな”私”」(左下)が読む、雑誌LEON(左上) と CanCam(右)の違いである。
この図が言わんとしていることは、誰しも理想的な姿や内面・経験を持ち合わせてはいないけれど、それに対して雑誌LEONやCanCamがどのようなソリューションを与えてくれるか、ということである。LEONはとりあえず「はい、コレがあれば実用的には多分大丈夫」という大雑把な外枠を与えてくれる。デコボコな自分とその外枠の間を埋める作業はテキトーで良いのである。一方、CanCamの場合には、理想的な姿・外枠が与えられたら、本来デコボコな自分をその外枠に合わせるための各種パテ・技法が説明されている、という風になる。
それをさらに一言でまとめてしまえば、「他の人からは不自然に見えても自分が満足できれば良い”ヅラ”」か「他の人から不自然には決して見えないように工夫する”ウィッグ”」の違いのように思えてくる。つまり、LEONは「ヅラ」で、CanCamは「ウィッグ」なのだ。
実際、右上の図はいかにも「不自然な”ヅラ”」と「ウィッグ」を描いたものに見える。……しかし、それを逆に言うなら、LEONやCanCamは「自然で緻密」か「不自然・大雑把」かという違いだけということもできる、のかもしれない。
2009-10-20[n年前へ]
■「美的曲線」を基準に「理想のバスト形状」を作り出すエクセル・シートを作る
究極の美的バスト形状作成コンテスト!?
「理想のバスト形状とはどういうものですか?」と聞かれたことがあります。色々な答えがあると思うのですが、その時、ふとこんなことを思いつきました。思いついたのは、適当なバスト形状を作成し、その形状がどれだけ「理想」に近いかの評価関数として「美的曲線」というものを使うことができるのではないか、「美的曲線」からのズレを「理想からのズレ」と評価し・参考にすることで、美的に最適化された理想のバスト形状を作ることが簡単になるのではないか、というアイデアです。ちなみに、美的曲線とはこのようなものです。
美的曲線に関して,和歌山大学の原田利宣先生が,「自然界や人工物におけるさまざまな美的曲線の多くは,曲率対数分布図が直線で近似できるということ」を指摘されました.原田先生が調べた美的曲線には,蝶の羽や自動車のボディのキーラインなどが含まれています.美的曲線の特別な場合として,曲率対数分布図における直線の傾きα=-1の場合にはクロソイド曲線,α=1の場合には対数螺旋となることが指摘されています.本研究では,曲率対数分布図が直線で表される曲率変化の単調な平面曲線を美的曲線と呼びます.
アイデアを思いついたら、まずはプロトタイピング(アイデアを簡単に形にした試作物)を作ってみるのが、アイデアが正しそうかを見極める常道です。・・・というわけで、「美的曲線」を基準に「理想のバスト形状」を作り出すエクセル・シート」を作ってみました。それが、simulation.xls 48kB になります。エクセル・シートは大体下図のような具合です。
中身はどうなっているかは、一見しただけではわかりにくいかもしれません。それがExcelを使った作業効率が長期的に見ればとても低い大きな問題点のひとつだと思います。けれど、よくありがちな言い訳説明ですが、「エクセルシートをとりあえず適当に眺めてみれば、わかるだろう」と思います・・・。
このシートは、まず最初に円形(三次元的には球形の)バストがあります。それが(右側のグラフで言うと)紺色のグラフです。ちなみに、このグラフに示されたバスト形状は90度右に回転して、右向きになっていると思って眺めてみて下さい。また、このバスト形状グラフの単位は、すべてミリメートルになっています。
さて、これだけではつまりません。次は、一番左側の列に適当な数値を入れると、そのバストの形状が変化します。つまり、あなたが「任意のバスト形状」を作り出すことができるのです。ちなみに、この計算では補正形状を作成する際に、「”繰り返し”計算をさせる(収束するまで)ことで滑らかさを表現している」言い換えると、ラプラス方程式を満たすように(実際には、あなたが入力した補正パラメータが入っているので、むしろポワソン方程式というべきかもしれません)作成されるので、エクセルのオプションで「反復計算」を行うように設定しておきましょう(これはエクセルで離散化された方程式を解く際に用いる常套手段です)。
そして、その際の「美的度」を示すグラフが右図です。これは、作成したバスト形状を「曲率対数分布図」で表したものです。一番最初のデフォルト形状バスト=半円(半球)バストでは、何だか複雑な曲線のようで「(直線形状を示す)美的曲線」にはなっていません。しかし、適当な補正係数を入れて、バスト形状を変化させてやると、次第に「曲率対数分布図が直線を示す」ようになってきます。つまり、美的な「バスト形状」ができあがってくるのです。それが、たとえば右上にある紫の線で示したバスト形状です。この形状の時の曲率対数分布図は、比較的直線状に分布していることがわかります。
さて、エクセルを使う作業というのは実に単調で、実務的で、ワクワク感がありません。しかし、今回のようにエクセルを使い、「美的曲線」を基準に「理想のバスト形状」を作り出すエクセル・シートがあったりしたら、どうでしょうか?エクセルを使う作業が、少しは楽しく感じられたりはしないでしょうか?
さて、もし最高に「美的なバスト形状」を作られたりしたならば、ぜひとも私宛に送って頂ければ幸いです。「これはすごい」という感動的に美的なバスト形状=実に見事に曲率対数分布図上で直線を示すバスト形状を作られた方には、「科学実験詰め合わせセット」をプレゼントさせて頂こうと思います。ミニ顕微鏡やら、警察鑑定セットやら・・・色々ありますので、とりあえず「これぞ再考というバスト形状」をお待ちしております。"Beautiful Bust Curve Award"開催です。
2009-10-25[n年前へ]
■「美的曲線」基準の「理想バスト形状」作成エクセル・シートを手直しする
続 「美的曲線」を評価関数に「理想バスト形状」を考えよう
「美的曲線」を基準に「理想のバスト形状」を作り出すエクセル・シートを作るで、「美的曲線」を基準に「理想のバスト形状」を作り出すエクセル・シート」を作ってみました。
思いついたことは、適当なバスト形状を作成し、その形状がどれだけ「理想」に近いかの評価関数として「美的曲線」というものを使うことができるのではないか、「美的曲線」からのズレを「理想からのズレ」と評価し・参考にすることで、美的に最適化された理想のバスト形状を作ることが簡単になるのではないか、というアイデアです。今日は、そのシートを少し眺めやすいように替えてみました。具体的には、前回のグラフでは縦横配置が分かりにくかったので、バスト形状を示すグラフの縦横軸を交換してあります。また、Excel 2007を使ったので、見た目が前回に比べると少し綺麗なものになっている、という具合です。…もちろん、ただいじるだけでは面白くないので、「理想のバスト形状」に少しでも近づこうと”少し”、「手作業チューニング」をして遊んでしまいました。
作成したエクセルシート(Excel 2003以前版と2007版は、日をおかずサーバからダウンロードできるようにしようと思います。とりあえず、今回のエクセル・シートで作成したグラフが下の図になります。左のグラフが「半球形状バスト(赤線)」と「作成形状バス(青線)ト」で、右のグラフがどれだけ「美的曲線」に近いかを示す曲率対数分布図です。
時間ができた折には、C++か何かで自動最適化形状作成処理も含めた、GUIソフトでも作ってみようと思います。…というわけで、最近とんと更新していなかった「できるかな?」を2週連続で更新してみました。