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2008-02-11[n年前へ]

「ギャラリーフェイク」と「コピー」 

 美術の歴史を知ると面白く感じる。そして、ミステリー=謎解きも好きだ、と感じる人がきっと好きになるマンガが「ギャラリーフェイク」だ。時には、「カルマン渦」や経済学者でもあったマンデルブローの"株価変動予測"フラクタルを考える「連立不当方程式」といった理系心をくすぐる話も詰まっている(13巻目第2話)、そんなマンガだ。

 「フェイク」つまり、「偽造した絵画」を題材にしたマンガ「ギャラリーフェイク」を読むとき、いつも思い出すのが「コピーの時代」という美術展だ。『現代の私たちの日常生活には多種多様な「コピー」が満ち溢れています』という言葉で幕が開く美術展を見たとき、感じたのは「コピー」が持つ劣化性だ。そして、「コピー」が持つ「進化能力」言い換えれば「可能性」だ。

 時に、自分が何かの「コピー」になってしまいそうに感じる瞬間がある。影響を受けたものをただなぞるだけ、になってしまいそうになる。しかも、幸か不幸か「テキストをなぞるのが不得手」なせいか、劣化コピーになってしまうことが多い。

 …これは困ったものだと感じながら、そんな時は、小器用なコピーでは、無限縮小コピーになってしまいそうだから、「とても質の悪いコピー」は「一種の進化だ」と眺めなおそう、と思ったりもする。小器用な縮小コピーを続けていたら、原始生物も人類も生まれなかったかもしれないし。

2008-04-30[n年前へ]

「ねぇ君、不思議とは思いませんか?」 

「ねぇ君、不思議とは思いませんか?」
これが寺田寅彦の口癖だったという。
 元村有希子「理系思考 分からないから面白い」

「DNAは何の訳だと思う?」 

 細胞の働きと遺伝子の関係を研究してノーベル賞を受けたシドニー・ブレンナー氏は、春に来日した時こんな冗談を言った。 「DNAは何の訳だと思う?Don't (K)Now Anything 何も分からないってこと」DNAだけですべて説明できるほど、人間は単純じゃない。だからおもしろい。
 元村有希子「理系思考 分からないから面白い」

2008-05-05[n年前へ]

「サービス整理」と「目標」と「結果」と「理由」 

 『(ヘア)スタイルに関する「知りたい・気になるキーワード」で検索をかけると、たくさんスタイルを見つけることができて、気に入ったスタイルがあれば、そのスタイルを自分の顔で確かめることができる!その流行度合いもわかる!』ということを目標に作ったWEBアプリケーションが、”Make up Award!”でした。「目標」と「結果」はほとんどの場合違うものですが、そんなことが「目標」でした。

 ところで、「目標」と「結果」が違うように、作る「目標」と作る「理由」もまた違います。このWEBアプリ Make up Award! を作ったのは、「Mash up Award 3rd」に参加するためでした。なぜかというと、Mash up Award 3rdに参加すれば、富士ゼロックス株式会社のネットプリント・サービス連携インターフェイスを使うことができると知ったからです。

 コンビニエンスストアに設置してあるコピー・プリンタ複合機とケータイとGoogleMapを連携させよう、という「WEB 2.0時代のコンビニ・プリント活用法」を書いた時に、「もっとコンビニ・プリントをもっと上手く活用してみたい」とつくづく思いました。そう思いながらも、やれたことはネットプリント・サーバをMechanizeでHackするということくらいだったのです。

 そんなフラストレーションがあったせいか、ネットプリント・サービスの連携インターフェイスを使うことができるというだけの理由でMash up Award 3rdに参加しました。もちろん参加したからには、アプリケーションを作らなければならない…というわけで、Make up award!を作りました。Mash up Awardに参加するためのアプリだから、名前は"Make up award!"という単純ストレートなネーミングにしました。ネットプリント・サービスの連携インターフェイスは、転送ファイルサイズなどの制限もあって、サービスに付けるとこまでは行きませんでした。

 ビギナーズラックで"Make up award!"は受賞式に出ることができたのですけれど、今ではその作りは眺めるのもイヤで、自分用のフレームワーク上で画像処理系のWEBアプリをすべて作り直したくなってきました(よくあることだと思いますが)。そこで、"Make up award!"などの整理をし始めました。

 そういうわけで、いつまで現状の"Make up award!"を動かすかどうかわかりませんが、とりあえず、「浴衣」や「卒業式」といったキーワードで、スタイル検索をしてみると、結構面白いく楽しめるかもしれません。その流行度合いをグラフで眺めてみたりすると、あぁこういったものは「季節もの」なんだなぁ、ということを納得させられます。「浴衣」や「卒業式」の言及グラフを少し離れて眺めてみると、季節の移り変わりを実感することができるかもしれません。

2008-05-23[n年前へ]

『理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! 』 

 「個性溢れる11人の経済学者の方々に話を聞く」という趣旨の本、『理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! 』が発売されました。大竹文雄・玄田有史・友野典男・松原隆一郎・小島寛之・奥村宏・西村和雄・森永卓郎・中島隆信・栗田啓子・中村達也という、11人の経済に関わる方々が、ものわかりの悪い生徒に実に丁寧に教えてくれたこと、その内容が本になりました。

 本書には、一般の方々や経済学者の方々のアンケートから、「経済学者」「一般のひと」がそっくりだけれど、ほんの少しだけ違う姿が浮かび上がり、「豊かになるために必要なもの」をクラスタ分析した結果から、「希望とか自由とか愛」といった見えないものの繋がりを眺めたりすることができるオマケもついています。また、産業・科学や芸術・宗教といった歴史背景と、経済学の世界地図の上に時系列で並べた「歴史年表」もついています。

 豊かになるために、小島先生はたくさんのものを選び、(「若い頃は時間があるけれど金がなかった。今は時間だけが必要…つまりは年をとったということです」といった言葉とともに)大竹先生と友野先生は時間だけを必要とし、森永先生は「愛」だけを選びました……

 一般の方々や経済学者の方々へのアンケート結果、そこに記された言葉を眺めていると、不思議なほど私たち自身(そして私たちの分身のような経済学者の方々)の姿が見えてきます。そんな私たち自身の姿・私たち自身が望むことを眺めつつ、経済学者の先生方が話すこと読むのも、一興かと思います。

理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く!








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