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2003-09-20[n年前へ]

昨日の空と今日の空 

  昨日見上げた空を眺めながら、ふと「空の色だってきっと空を眺める人が見つけ出していくのだろう」なんて考えていると、「今日見た景色」に景色でなくて詩が送られてきた。

カムチャツカの若者がきりんの夢をみているときメキシコの娘は朝もやの中でバスを待っているニューヨークの少女がほほえみながら寝がえりをうつときローマの少年は柱頭を染める朝日にウインクするこの地球ではいつでもどこかで朝がはじまっているぼくらは朝をリレーするのだ経度から経度へとそうしていわば交替で地球を守る眠る前のひととき耳をすますとどこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってるそれはあなたの送った朝を誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ「朝のリレー」 谷川俊太郎

 そうか、私が「今日見た景色」を眺めたかったのは、そんなリレーの様子を眺めたかったからなんですね、きっと。
 朝、ネスカフェのコーヒーでも飲みながら(500K,56K)、「象徴的な『空』のビジュアルが語るのは、たとえどこにいようとも、見上げれば、そこには世界とひとつにつながり気持ちをリレーできる空が広がっている・・・というメッセージです。この空を見て感じることは、きっとひとりひとりちがうはず。みなさまは、何を感じるでしょうか?」という言葉を聴きつつ、そんなリレーの様子を眺めてみたいですね。

 というわけで、あなたの眺めた「今日見た景色」をいつでもp@hirax.netで募集しています。

昨日の空と今日の空昨日の空と今日の空昨日の空と今日の空






「朝のリレー」をテーマにしたスクリーンセーバー 

朝のリレー ネスカフェCMの谷川賢作の音楽に合わせて、谷川俊太郎の詩が表示されるスクリーンセーバー

2003-09-21[n年前へ]

今日見た景色 

ふたたび日曜日が そうしてふたたび月曜日がふたたび曇り ふたたび晴れしてその先に何がある?谷川俊太郎 「今日」
 この詩についての考察を読みながら、「どれも、みんな、今日見た景色」を思い出す。
いつも、「今日」という日を過ごしているはずなのに、その日見た景色が「今日見た景色」でなくなっていくのは少し不思議なことです。とはえ、「昨日見た景色」が「今日見た景色」と違うわけではないし、景色を眺めている私もやっぱり同じ私です。だから、やっぱりどれも「今日見た景色」だと思うのです。

2003-10-25[n年前へ]

Live on Earth 

Night and day

カムチャツカの若者が
きりんの夢をみているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝日にウインクする
 

 色んな朝の空を背景にして、谷川俊太郎の詩「朝のリレー」が朗読されるCMがTVで流れている。ネスカフェのコーヒーのCMである。丸い地球を太陽の光が照らして、その地球の回転に合わせて次々と世界中が朝を迎えていく様子を生き生きと描写する谷川俊太郎の詩は、地球全体を遠くから眺めつつも同時に地球上の何処かにいる一人一人の生活を近くで眺めている。遠いところからだけでなくて、近くからも地球を眺めまわす視点で「朝のリレー」の様子が謳われると、丸い地球がたくさんの人を乗せて、そして太陽に照らされながら回っている様子が心の中に浮かび上がって来るに違いない。

 この詩をTVで眺めていて思い出したのがNIGHTAND DAYというサイトである。これは、世界各地のウェブカムを経度方向一周分のサークルに並べ、いま地球に落ちている太陽の影や日向・夜や昼を見てみよう、というプロジェクト・ページである。今では、ウェブカムの画像が取得できていないらしく、残念ながら太陽の光が次々と地球上を照らしていくさまを眺めることはできない。かつて動いていた頃の様子を眺めることができるのみである。
 

 そこで、「朝のリレー」を自分の目で眺めてみたくなった私は自分用に世界各地のウェブカムを経度方向一周分のサークルに並べてみることにした。それがこの"Liveon Earth"だ。24時間で一回りする地球上のウェブカムを24(今のところ-1)個並べて、夜と昼が地球上を駆け抜けていく様子を眺めてみることにしたのである。ただ、世界中の街の景色が貼り付けてあるだけの、だけど世界の街中を遠くから近くから眺めることのできるページを作ってみることにしたのである。
 
 

Live on Earth
40 Moscow
30 HELSINKI
20 Thessaloniki
10 Koeln
0 TrafalgarSquare
10 DUBLIUN
50 Tehran
60 Prince Edward
70

Karachi
24 hours a day70 New York
100

Nong Khai
Live on Earth
80 UF
110 HongKong
90 UM
120 Taiwang
24 views an earthhirax.net100 SiouxFalls
130 Fukuoka
110 SaltLake
140 Sappro
150 Melbourne
170 Dunedin
160 Hawai
18020 San Francisco

 このページを色んな時間に眺めてみれば、丸い地球が回転していくと同時に太陽の光が照らす領域が次々と動いていくさまを目にすることができる。
 

色々な時間の "Live on Earth"

 もちろん、世界には街の灯りが見えない地域があるように、この"Liveon Earth"の上には実はアフリカや南米はないし、人のいない地域だってこの"Liveon Earth"の上では眺めることはできない。それでも、朝起きてコーヒーを飲みながら、せわしく人が歩き回る何処かの昼の街並みを眺め、昼に一息つきながら、眠りについている地球の裏側の街を眺めてみる。そして、夜眠る前のひとときに朝コーヒーを飲んでいる誰かの街を眺めてみる。地球が回っている様子を遠くから眺めつつ、生き生きとした何処かの街の誰かの様子を眺めてみるのもきっと面白いんじゃないか、と思う。
 

この地球では
いつでもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

2004-02-10[n年前へ]

「ちょっとしたプログラムのバグなんだ多分」 

人里はなれた湖の岸辺でアトムは夕日を見ている夕日ってきれいだなあとアトムは思うだが気持ちはそれ以上どこへも行かないちょっとしたプログラムのバグなんだ多分そう考えてアトムは両足のロケットを噴射して夕日のかなたへと飛び立っていく「百三歳になったアトム」 谷川俊太郎
夕日と海と葉っぱと煙 「ぼくには魂ってものがあるんだろうか?」と何度も自分に問いかけたアトム。「きみおちんちんないんだって?」と言われて、「それって魂みたいなもの?」問い返したら大笑いされたっけ、というアトム。「空を越えて、星の彼方」と、鉄腕アトムの主題歌を作詞した谷川俊太郎の心の中のロボット・アトム。

 「ちょっとしたプログラムのバグなんだ多分」



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