2009-01-10[n年前へ]
■「アメリカの高校生が学ぶ経済学」で学ぶ
「経済」に関する本を手当たり次第読んでみた。基礎を一番わかりやすく納得することができて、しかも、基礎原理を理解するだけでなく、実際にその原理にもとづいて身の回りのことについて応用して考えることができるように感じたのが、「アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ」だった。アメリカの高校で使われている教科書の抄訳だというこの本はとても、わかりやすく実践的だ。こういう本を高校の時期に読んでおきたかった、こういうことは早い時期から学んでおきたかった、とつくづく思う。
我が国は、高校生に重要な経済問題を理解する基本的スキルを教えなければならない。…高校卒業までに経済学の充実した教育を受けなければ、ほとんどの成人は、経済の機能や富の創造過程における自らの役割を学ぶ機会がまったく与えられなかったことになる。
本書冒頭に掲げられている W.B.ウォルスタッドの言葉
この教科書では、「経済の基本概念」「ミクロ経済学」「マクロ経済学:制度」「マクロ経済学:政策」「国際経済学」という流れに沿って、経済学を学んでいく。授業のテキストだから、各所各所に課題がはさまれている。それは、とても具体的で実践的な問いかけばかりだ。たとえば、「今日の放課後のどう過ごすか考え、その過ごし方をしたことで得られるもの、それ以外の過ごし方をしていたら得られていただろうこと」を考えなさい、というようなものだ。
そんな、何かの選択をするときに得られるものや失うもの、あるいは、それ以外の選択をしたら得られていたはずのこと(機会費用)を考えた後に、「将来への投資」の項目では、教育レベルと男女別の平均年収の表が載っていて、それを眺めることになったりもする。
そして、「ミクロ経済学」の「需要の弾力性の推定」の項では、「購入延期が可能か」「適当な代替物はあるか」「購入には所得の多くの部分が必要か」という3つの条件を大学教育に当てはめると、大学教育の「需要の弾力性」はどうなるだろうか?ということを、高校生たちは問いかけられ考えなければいけない。
また、身の回りのモノの価格や雇用について調べる、というような課題を通して、身の回りの社会現象を実際に眺めに行ったりもする。
こんな授業を高校の時期に受けておきたかった。高校時代は遙かの昔になってしまったけれど、遅ればせながらでも、「アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ」を読めたことは良かったと思う。
資源は稀少である。時間も稀少である。なすべきことが山のようにあるのに、どれから取りかかればよいのかわからないことがある。いろいろな選択肢から、何かを選び出さなければならない。…ところで、どれを選択すべきなのだろうか。信じられないかもしれないが、経済学を学ぶとトレード・オフや意志決定に関する「思考法」が身につき、優れた意志決定を行う素地が育まれる。
第一章「経済学とは何か」目次 から
2009-02-15[n年前へ]
■バブルと不況とフィードバック
一頃前は、本屋には株式の本が平積みされていた。そして、株で莫大な利益を出した人たちの本や、それに右へ倣(なら)えしたようなが並んでいた。
そんな書店の話をしながら、「今、バブルですよね」「このバブル感・高景気感は異常だと思いませんか?」というようなことを、新橋で飲みながらよく話した。
景気が良くなり、その高揚感がさらに消費や株への投資を増やしていく……そんな「バブル」な風景が、本屋に並んでいる書籍から見えていた。
こういった現象、たとえば「景気が良くなると、消費が増えて、さらにもっと景気が良くなる」といった現象は、ポジティブ・フィードバックと呼ばれる。「ある方向に何かが動いたとき、さらにそれを強める方向に力が働く」ことをポジティブ・フィードバックというのである。
ポジティブ・フィードバックと反対に、「ある方向に動いたとき、それと逆方向に力が働くこと」をネガティブ・フィードバックと呼ぶ。下に描いたように、谷底のボール(あるいは登山者)にはネガティブ・フィードバックが働くわけである。
ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるかで、結局は「発散」してしまうことになる。
次に平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックである。「ポジティブ」という名前が付けられた、しかし、それは同時に不況への案内図なのかもしれない。
2009-05-12[n年前へ]
■「ThinkPad X61 Tablet」を探す
今使っているThinkpad X61 tabletが、私にとっては、バランスが良いので、壊れたときのためにもう何台か同じものを買っておきたい。「どんな」OSでもインストールしやすいし、小さいけれど性能は良い(何しろ、USキーボードが手に入り、キーボードから掌を動かさずに済むトラックポイントを備えていて、さらにB4サイズなのにSXGA+の解像度だ)。
・・・そこで探してみると、やはり、需要がある(だろう)ものにはそれ相応の値段が付いている。もう少し待てば、安くなるだろうか・・・。
「ThinkPad X61 Tablet (776411I) Core2Duo 1.6GHz/SXGA+/4GB RAM 」「■ThinkPad X61 Tablet 776411I ■Core2 Duo1.6GHz MEM4G SXGA+ 」「ThinkPad X61 tablet 7764-11I ウルトラベース他多数 ノートPC● ThinkPad X61 tablet 7764-11I ウルトラベース他多数」2009-11-21[n年前へ]
■消費者物価指数とポジティブ・フィードバック
景気の変化をわかりやすく眺めてみたくなったので、 日本の消費者物価指数(CPI)のグラフを張り付けてみた。このグラフは、右下部にある小さなボタンを押すことで、表示する内容を切り換えることができるものである。
このグラフには、1ページ目に「主な消費者物価指数(前年同期比)の推移」が、2ページ目に「主な消費者物価指数の推移」が、3ページ目に「消費者物価指数と前年比の推移」が収録されています。
2ページ目や、3ページ目を眺めると、ここ2,3年は、実に単調に消費者物価指数が低下し続けていることがわかる。この消費者物価指数低下が続くことの要因は、一体どんなものがあるのだろうか。新聞記事をしっかり読んでいれば、その要因分析結果などが解析・解説されているのだろうか。
・・・それにしても、と思う。経済社会はどう考えても、制御工学的にはポジティブ・フィードバックの不安定極まりない世界に思えてならない。少しの外乱が、大きな変動を生み、その変動がさらに激しい波を生むようにみえる。もしかしたら、そこには結構長いムダ時間があったりして、意外にセンシティブではないのかもしれないが、やはりポジティブ・フィードバックの不安定な状態に見える。かといって、安定を実現するネガティブ・フィードバックでは、永遠に一定で変わらない世界になってしまう。おそらく、それでは何の発展もなく進化さえしない世界になってしまうかもしれない。
ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるかで、結局は「発散」してしまうことになる。
次に平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックである。「ポジティブ」という名前が付けられた、しかし、それは同時に不況への案内図なのかもしれない。
以前は途中で挫折したが、もう一度、経済学の教科書に書いてあることをMatlab/Simulinkで実装しつつ、学んでみよう。
2009-12-20[n年前へ]
■我が国は、高校生に重要な経済問題を理解する基本的スキルを教えなければならない。
やはり、「アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ 」は良い。というわけで、またもや「アメリカの高校生が学ぶ経済学」で学ぶの時と同じように、またもや復習を繰り返している。専門書を読み進めようとすると、途端に全体が見えなくなってしまうので、何回もこの本に戻ることになる。
我が国は、高校生に重要な経済問題を理解する基本的スキルを教えなければならない。…高校卒業までに経済学の充実した教育を受けなければ、ほとんどの成人は、経済の機能や富の創造過程における自らの役割を学ぶ機会がまったく与えられなかったことになる。
本書冒頭に掲げられている W.B.ウォルスタッドの言葉
すべての人が突然、想像以上に裕福になったとしよう。大金持になっても、欲しいものの多くは手に入らない事態に陥る。