2008-07-20[n年前へ]
■エクセルでシミュレーション Vol.3 [夏の午後の雷雲の下 編]
エクセルでシミュレーション Vol.2 [静電界計算の動画 編]で、「地面と空に浮かぶ雷雲」を含む世界の静電場計算を行うエクセルシートを作ってみました(あくまで2次元ですが)。そこで、前回とは少しだけ違う”いかにも夏らしい”2つの例を計算してみました。
まず最初の計算は、地面の上に人が立っている状態です。空を見上げると、頭の上には雷雲が広がっていて、いかにも不安を感じている状態です。
計算結果を見ればわかるように、人体部分に電界が集中していて、すぐにもカミナリに打たれてしまいそうなことがわかります。
これは怖すぎる……というわけで、人の少し横に避雷針を立ててみたのが、次の例になります。高さのスケールが少し変に見えますが、そこら辺は適当に無視しておいて下さい。とにかく、人の少し横に避雷針を立ててみたわけです。
すると、今度は避雷針の先には強い電界が集中していますが、人がいる部分ではほとんど電位変化がないことがわかります。ということは、カミナリに打たれる心配もなく(といっても近くに落ちるカミナリはやはり怖いですけれど)安心していられる……ということがわかるわけです。
そういえば、もう夏ですね。日差しを強く感じる暑い午後に空を見上げると、いつも白い積乱雲が見えます。暑い夏を楽しみつつも、夏バテにはお気をつけください。
2008-07-21[n年前へ]
■エクセルでシミュレーション Vol.4 [定常理想流体準備 編]
夏の午後の空に浮かぶ雷雲を見ながら、昨日は静電界シミュレーションをマイクロソフト・エクセルで手軽にしてみまたわけです。暑い夏空をシミュレーションしてみたので、今度は、冷えた湧水が地下で流れているを眺めてみたくなりました。そんなシミュレーション計算をするために、理想流体の「定常的な流れ場」を表計算ソフトで解くための前準備を、今日はしてみました。
というわけで、そのためのラクガキが下の画像になります。
ここまでくると、もう「エクセルでシミュレーション Vol.1 [静電界準備 編]」と同じです。ポワソン方程式とラプラス方程式は、端的に言ってしまえばほとんど同じなので、後は「2次元の(ポテンシャル)流れ場を記述するラプラス方程式を、(エクセルの)セル間の計算式で解く」ことができることになります。
2008-08-31[n年前へ]
■雑誌流行L!ves 「年齢 v.s. 購買力」散布図
ファッション(流行)といったものを映し出しているに違いない…と思い作ってみた「雑誌流行L!ve」では、(どの画面でも)視点=Viewをさまざまに変えることができます。それが、一番の特徴かもしれなせん。たとえば、トップページ「雑誌流行L!ves » 雑誌 » 一覧(最新号)」で視点を「読者年齢 vs. 購買額」にしてみた例が下の画像になります。
何かを表現するのに2つの軸を作るなら、どんな軸があると思いますか?と色々な人たちに繰り返し尋ねてみました。出てきた答えは「自分と他人」「満足と不満足」など…さまざまな軸がありました。そういった中で出てくることが多かったのが、「年齢・世代」という軸です。その他の軸はなかなか上手く言葉にできないものが多かったように思います。そこで、「よくわからないもの」を値にするものの一つである「お金」という軸を使い、「年齢・世代」 v.s. 「お金(購買力)」という2次元散布図を描いてみたのが、上の画面になるわけです。ちなみに、雑誌読者の「購買力」は適当なアルゴリズムで推定しています。
「年齢・世代」(横軸) v.s. 「お金(購買力)」(縦軸)という散布図は、基本的に右上がりの分布になります。ちなみに、「ちょい悪オヤジ」のLEONは実は、このグラフの中では、とても標準的な場所に位置しています。この散布図で一番角度が急なのが、つまり年齢の割に購買力が高いのが「おしやれな小中学生のためのファッション誌 "nicola"」になっています。
2008-09-10[n年前へ]
■エルビス・プレスリーが「11人いる!?」
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)がモチーフに使った"Elvis"を高速でパタパタ切り替える動画のようなものを以前見たことがあります。動画といっても滑らかなものではなくて、拙いパラパラマンがのような、動いているエルビスが幾重にも重なり合うようなものでした。だからこそ、その何人もの違う瞬間のエルビスが重なり会うようすが、見ていてとても楽しかったように思います。色々な表層的なイメージだけがただ重なっていくようすに、ただただ興味を惹かれた感じでした。
長い時間をかけて、アンディ・ウォーホルの"Elvis 11 times"を見ました。2m×10mくらいの大きさの"Elvis 11 times"を眺めると、エルビス・プレスリーが少なくとも11人並んでいます。「少なくとも」というのは、見る方向で違うエルビスが見えてくるので、「11人」というような風に正確に数えることは難しかったのです。
どういうことかというと、エルビスを描き出す模様がついた編み目が重なっていて、その立体構造が「見え方」に指向性を持たせているのです。背景となる銀色と模様を作る黒色とが見る方向次第で、互いに色が逆転して見えたりするのです。立体構造のために、黒色が銀色に隠蔽され見え方が変わったり、視点位置によって鏡面反射光の強度が黒色部分より銀色部分の方が弱く、黒色と銀色の見え方が反転して見えたりするのです。そのため、同じ場所でも見る方向によって違うエルビスが見えてきます。だから、大雑把に言うと「エルビスが11人いる」のですが、そこには実はもっと多くのエルビスが描かれていて、見る方向によって違う姿のエルビスたちが見えるのです。レンチキュラーレンズを貼り付けた立体写真のように、見る方向によって見える画像が違ってくるのです。
"Elvis 11 times" はどこから見るかによってその姿を変えるのです。人がどんな場所に立ってどこを見るかによって、違った姿が見えるのです。だから、単純な2次元には収まらない"Elvis 11 times"は、単純に一枚の写真に写し取ることはできないわけです。写真のシャッターを押したとして、そこに写る映像は、本物とはひどく異なる姿になってしまうわけです。そんなことがとても面白くて、"Elvis 11 times"をとても時間をかけて眺めてみたのです。
2009-12-29[n年前へ]
■「カルマンフィルタ」と「エクセルで解く2次元非定常熱伝導問題」
正月に、(自分用の)汎用「カルマンフィルタ」ライブラリをRubyとCとExcelで書いてみることにした。たとえば、さまざまなデータ、たとえば、信頼性が低く、誤差の大きなセンサデータや、安定性に欠ける実験データから、現実に近い状態量を推定するツールを作ってみることにした。そして、何か(解析式による)モデル計算や各種シミュレーション計算と比較をしてみたり、それらの計算改善へのフィードバック例を作ってみよう、と考えた。
そこで、扱う題材を考えつつ、実際に上記のようなことを行っている例を探してみた。すると、たとえば、
といったものがある。これらの記事が(下に張り付けた動画でその一端がわかると思うが)実にわかりやすく・面白くて楽しく・役に立ちそうに見える。何というか、つまるところ、魅力を持つに必要な三拍子がすべて備わっている。先日、「2次元非定常熱伝導問題を解く」エクセル・シート、しかも、そのシートに、センサ機能/フィードバック機能なども付けてみた。そんな素材・材料が揃ってきたこともあるので、まずは、PID制御で(疑似三次元空間における)温度制御を行う例をいくつか作り、その後は、上記記事を参考にしつつ「(誤差を付加した)センサ→カルマンフィルタ→制御量最適化」という例でも作ってみることにしよう。